May, 2010 のアーカイブ

アリス・イン・ワンダーランド

原題:
Alice in Wonderland (不思議の国のアリス)
年度:
2010
製作国:
アメリカ
配給:
ディズニー
監督:
ティム・バートン
キャスト:
ミア・ワシコウスカ/ジョニー・デップ/アン・ハサウェイ/ヘレナ・ボナム・カーター/クリスピン・グローバー/マット・ルーカス/アラン・リックマン
ストーリー
ルイス・キャロルのアリスの映画化。かつての冒険をすっかり忘れた19歳のアリス。好きでもない貴族に求婚され困惑していると洋服を着た兎が手招き。追って穴に落ちる。そこは赤の女王が支配する「アンダーランド」。どうやらアリスは伝説の預言書で予言された救世主らしい。女王に捕まったハッターを救出するべくアリスは未来を自ら切り開く。

 

評価
コメント
7
2D映画館鑑賞。原作がアレなだけにかえってT・バートンらしさが薄まると思いきや全然T・バートンだった。L・キャロル世界にはしっくりハマってる。ただ異形偏愛というか「ヘンだから良い」みたいなスタンスが感じられなかったのが残念。J・デップより女優3人(アリスと赤白女王)が遥かに良い。チェシャ猫がキュートで魅力的。

雑記:

  1. A・セイフライドやL・ローハンを押しのけて新人M・ワシコウスカがアリス役ゲット
  2. T・バートン映画の出演。J・デップ7度目。H・B・カーナー6度目。
  3. リードシングルはアヴリル・ラヴィーン「アリス」

クローバーフィールド/HAKAISHA

原題:
Cloverfield (「クローバーフィールド」)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
配給:
パラマウント
監督:
マイク・ミルズ
キャスト:
ルー・プッチ/ティルダ・スウィントン/キアヌ・リーブス/ビンセント・ドノフリオ/ビンス・ボーン/ベンジャミン・ブラット
ストーリー
未来の米軍が保管している一般人撮影の記録映像、という体裁。マンハッタンに住むリリーは、恋人ジェイソンの弟ロブの日本栄転記念のサプライズパーティーで出席者から祝辞をもらうことを企画。カメラを任された友人ハッド目線でパーティが進行。そのとき大きな地響き。外に出ると巨大な怪物がマンハッタンを破壊していた。逃げ惑う人々。

 

評価
コメント
7
それっぽく見せるカメラの動きに感心。ストーリーとかはどうでも良いけど演出も丁寧だし役者も巧い。思わず写メしちゃう群集とか記録者の使命感の表現とかね。クリーチャーはいっそ見せなくても良いのでは、と思ったけどあくまで「怪獣映画」なのだろう。そういう視点で見るべき映画と思う。退屈と思わせるのも映画ではなく記録映像との理屈か。

雑記:

  1. 邦題副題「HAKAISHA」は製作J・J・エイブラムスによる
  2. 「酔いに注意」という注意が多くの劇場で
  3. 怪獣映画が文化になっていることに感銘を受けたエイブラムスの着想
  4. 「トランスフォーマー」よりも前にティザー公開。自由の女神の頭部が転がるシーン
  5. 記録映像としてのコードネーム”Cloverfield”は、製作バッド・ロボット社のLAオフィスの通りの名前
  6. クレジット後に無線から聴こえる”Help us!”(助けて)。でも逆回しにすると”It’s still alive!”(まだ生きてる)

GOEMON

海外タイトル:
Goemon (国際=五右衛門)
年度:
2009
製作国:
日本
配給:
松竹/ワーナー
監督:
紀里谷和明

キャスト:
江口洋介/大沢たかお/広末涼子/ゴリ/要潤/玉山鉄二/チェ・ホンマン/佐藤江梨子/寺島進/平幹二朗/伊武雅刀/奥田瑛二

ストーリー
大胆な演出の時代劇。16世紀末の安土桃山の世。天下布武目前にして腹心明智光秀に裏切られた織田信長。明智を討った羽柴秀吉の時代が始まる。社会格差が広がり庶民に鬱積する不満。金持ちの金を庶民に分ける義賊・石川五右衛門が人々の噂に。五右衛門がある日盗んだ箱には重大な秘密が隠されおり、秀吉の部下・石田三成らに追われる。

 
 

評価
コメント
7
大胆な解釈と映像には驚くものの、ゴテゴテした過剰な演出が「鼻につく」のも否めない。とは言え歴史を題材にした紀里谷ワールドっていうだけなので良い悪いではなく好き嫌いに属する映画かなあ。題材◯脚本△だけど、映画表現の可能性を提示した功績はあると思う。豪華な役者は皆好演。

雑記:

  1. 体育館を貸切り、全面グリーンバックにした上で撮影。
  2. 制作費8億円。ポスプロに1年半。

サムサッカー

原題:
Thumbsucker (親指しゃぶり)
年度:
2005
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
監督:
マイク・ミルズ
キャスト:
ルー・プッチ/ティルダ・スウィントン/キアヌ・リーブス/ビンセント・ドノフリオ/ビンス・ボーン/ベンジャミン・ブラット
ストーリー
オレゴン州の高校生ジャスティンは17歳にして親指しゃぶりの癖が直らなくて悩んでる。所属する討論クラブでもイマイチ覇気がない。親はあの手この手で直そうとする。怪しい歯科医は催眠術を試みたり。そんななか唯一の理解者であり片思いのレベッカとも段々うまくいかなくなる。情緒不安で自分を制御できない繊細な青春。

 

評価
コメント
6
青春男子の揺れる心理を親指しゃぶりに象徴させ、その青春の虚栄心に周囲がいろいろ絡んで本人がまた揺れる、みたいなところをサラッと爽やかに描写。キアヌ氏も渋いけど、やっぱり親指君。ただどうにも演出が野暮ったくないすか。青春のほろ甘さもほろ苦さも、心に染み入るもうひとひねりを期待してしまった。

雑記:

  1. レベッカ役にははじめS・ヨハンソンでオファー。
  2. ジャスティン役を決定するのに100人以上をオーディション
  3. リタリンとコカインが3分子しか違わない、という表現があるが両物質とも単分子。形状は似ており「数原子」分の差がある。

誘拐虐殺…壮絶人生歩んだボクサー (Kassim the Dream)

原題:
Kassim the Dream (カシム・ザ・ドリーム)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
キーフ・デイヴィッドソン
キャスト:
カシム・オウマ他
ストーリー
ドキュメンタリー。ライトミドル級の元世界チャンピオンのカシム・オウマの壮絶な半生。ウガンダの貧しい家庭。6歳のときに誘拐され国民抵抗軍(NRA)の少年兵となり、生きる為に殺しや拷問にも手を染める。ボクシングで頭角を現し、アメリカでの試合のためビザを得た彼はそのまま亡命、「脱走兵」となる。残した家族と祖国からの赦しのため、世界の頂点を目指す。

 

評価
コメント
7
これも「アメリカン・ドリーム」なのだろうか?少年兵に拷問をさせるどんな理念があるのか。凄まじい。地獄と天国、世界の底辺と頂点を見た彼の人生観には誰も適わない。だからこそ映画のカシム本人の「演技」の本音が気になる。カシムは何を語りたいのか、ボクシングが答えなのか。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. 「ラスト・キング・オブ・スコットランド」のフォレスト・ウィッテカーがプロデュース
  3. NRAに対立するのは「神の抵抗軍(LRA)」。LRAの子供への組織的拉致を展開。

劇場版 サンシャインデイズ

海外タイトル:
Sunshine Days (国際=太陽を浴びた日々)
年度:
2008
製作国:
日本
配給:
ゼアリズエンタープライズ
監督:
喜多一郎

キャスト:
西村亜希/斉藤慶太/初芝崇史/三津谷葉子/松田悟志/浅利陽介/大杉漣/坂本真

ストーリー
同名TVドラマの映画化。70年代の湘南。ミュージシャンを志しバイトで生計を立てながら陽気に暮らす青春真っ盛りの兄弟。ある日であった名家の令嬢ひかりのビーチビューのお屋敷に用心棒として住み込むことに。仲間たちとそこでオープンした「カフェBB」が大繁盛。ひかりもいつしかカフェに生きる道を見出す。カフェの仲間は強い絆で結ばれ、成長していく。

 
 

評価
コメント
2
うーむ。何の共感もできなかった。残念。安っぽい青春群像以上のものではないと思う。演技も脚本もあまりにも。人物も全然キャラ立ってないし。演出はチープだし(夕焼けの海をバックに語らう、海外に去る仲間にサプライズ、いつまでも夢だけでは食えないのでネクタイ締める)。ドラマ観てないけど観た人は楽しめたのだろうか。。

雑記:

  1. 1970年代の兄弟デュオ「ブレッド&バター」がカフェを開き、そこで日本のポップ史を作った。ある意味伝説のカフェ。
  2. 当人たちはこの映画に関与していない
  3. オリジナルはテレビ神奈川

花とアリス

海外タイトル:
Hana and Alice (国際=花とアリス)
年度:
2004
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
岩井俊二

キャスト:
鈴木杏/蒼井優/郭智博/相田翔子/阿部寛/木村多江/坂本真

ストーリー
ハナとアリス(有栖川)は女子高生になったばかりの親友コンビ。ハナは通学途中で一目惚れした先輩・宮本のいる落研に入部。そんなハナに協力するおてんばなアリス。ある日宮本が帰宅途中に頭をぶつけて転倒。尾行中だったハナは介抱しながらとっさに宮本を記憶喪失と思い込ませる。

 
 

評価
コメント
7
焦点が拡散してて「かったるい」前半。極端に陳腐な今どき犬も食わない記憶喪失ネタで、演技も平板、と思ってしまった。ただ、後半にはそれらこそが岩井監督の意図だと気づき腑に落ちる。バレエのシーンはラストも含め全般的に好き。ただ意味なく派手なチョイ役と、「学園恋愛モノ」という題材は好みの問題だろうけどあまり好まない派。

雑記:

  1. 岩井俊二監督がは、脚本、音楽、編集も。
  2. インターネットで配信された同名の短編ドラマを映画化
  3. 駅名や学校名に漫画家の名前多数。(ストーリーが少女漫画風なのと関係アリ?)
  4.       

  5. 泣き演技の指導者は吉岡秀隆(声のみ)

カポーティ

原題:
Capote (カポーティ)
年度:
2005
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
監督:
ベネット・ミラー
キャスト:
フィリップ・シーモア・ホフマン/キャサリン・キーナー/クリス・クーパー/クリフトン・コリンズ・Jr./ブルース・グリーンウッド
ストーリー
アメリカの現代作家トルーマン・カポーティの代表作「冷血」が執筆される過程を描く。カンザス州ホルカムで1959年に起こった一家虐殺事件をNYタイムズで知ったカポーティは現地に取材へ。現場や関係者を丹念に回るうちに2人の若者が逮捕される。既に有名人のカポーティが彼らのひとりペリーに接見し話を聞くうち、犯人との間に信頼が芽生える。

 

評価
コメント
9
F・S・ホフマンの演技がとにかく際立つ映画。人道主義者の仮面をかぶった作家のエゴを隠さないある意味「冷血」なカポーティの鉄の職業意識を見事に描く脚本も素晴らしいが、それをかすませるホフマン。伝記映画という地味なジャンルで脚色美などの映画的な巧さが詰まっている佳作。ともかく未読が多すぎた。読もう。

雑記:

  1. 作品賞・監督賞を含むアカデミー5部門ノミネート。主演男優賞(F・S・ホフマン)受賞。その他各国賞多数受賞。
  2. T・カポーティの誕生日である9/30に公開。全米は2005年。日本は2006年。
  3. 「冷血」は、「ノンフィクション・ノベル」という新たなジャンルを拓いたといわれる代表作
  4. 2006年秋にはもう1つのカポーティ映画「Infamous」も公開(トビー・ジョーンズ/サンドラ・ブロック)。題材も同じ「冷血」。
  5. 36日間で撮影。

チャイナタウン

原題:
Chinatown (チャイナタウン)
年度:
1974
製作国:
アメリカ
配給:
Par-CIC
監督:
ロマン・ポランスキー
キャスト:
ジャック・ニコルソン/フェイ・ダナウェイ/ジョン・ヒューストン/バート・ヤング/ペリー・ロペス/ロマン・ポランスキー
ストーリー
1937年のロサンジェルス。探偵を営むギデスに水道局の建設技師モーリーの妻だと名乗る女性が現れ、夫の不倫の調査を依頼する。ギデスは調査を進め、女性と会うところを撮影すると何故か翌日の新聞に掲載され、すぐに本当の妻が現れる。ダム建設に絡む利権の構図が明らかになるなか、モーリーが溺死したとの情報が・・・。

 

評価
コメント
8
うーん、渋い。これぞフィルムノワール。ひたすら探偵の視点で描かれるシーン展開、ほとんど出ずっぱりのタバコ。チャイナタウンの実態など全く無知だったが納得感のある演出。安い探偵モノに陥らずに心理描写も社会問題も織り込む脚本、それに余韻が実に見事。J・ニコルソンもF・ダナウェイも代表作なのだろう。実に自然体で良い。

雑記:

  1. フィルムノワールの巨匠J・ヒューストン監督が父親役という大役で出演。実娘アンジェリカ・ヒューストンは当時J・ニコルソンと愛人関係だった
  2. 発電所にいたチンピラ(J・ニコルソンの鼻を切る役)はR・ポランスキー
  3. “as little as possile”(できるだけ何もしない)と表現されたチャイナタウンを「怠け者の街」と訳したのは誤訳?
  4. 本作で脚本ロバート・タウンはオスカー受賞。彼はプロデューサーのロバート・エバンスが17.5万ドルで持ちかけた「グレート・ギャツビー」の脚本を断り、本作を2.5万ドルで受けた。
  5. 妻シャロン・テートが惨殺される事件の直後だっただけに、当時R・ポランスキーには葛藤が。
  6. R・タウンはLA近代史を描く三部作を構想していたが、本作の後の「黄昏のチャイナタウン」(90)が失敗した為、三作目は未着手。

サイドウェイ

原題:
Sideways (横道)
年度:
2004
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀フォックス映画
監督:
アレクサンダー・ペイン
キャスト:
ポール・ジアマッティ/トーマス・ヘイデン・チャーチ/バージニア・マドセン/サンドラ・オー/メアリールイーズ・バーク/ジェシカ・ヘクト
ストーリー
小説家志望で国語教師の中年男性マイルズ。親友で、かつて一世を風靡した俳優ジャックの結婚式を1週間後に控え、2人でカリフォルニアのワイナリー巡りのドライブ旅行に出発。マイルズは前妻との別れを引きずりながらもその豊富なワインの知識で最高の旅を贈ろうと画策。でもジャックは独身最後のナンパしか考えていない。二人の思惑の違い。出会う女性たち。

 

評価
コメント
8
ワインの熟成を中年の人生のそれに喩え、ピノ栽培の難しさを一筋縄では行かない人間関係のそれになぞらえ、淡々とダメ男の悲哀が描かれる。人生を道に見なすよりちょっとマシなくらいの安っぽい話と思いきや、P・ジアマッティの愛すべき負け犬演技に唸る。ラストで日本版リメイクが決まったのかな。渋い佳作。ワイナリー行きたいよう。

雑記:

  1. アジア系のステファニー役S・オーとA・ペイン監督は夫婦。後に離婚。
  2. 原作レックス・ピケット「SIDEWAYS」。
  3. A・ペイン監督はこれまで出身のネブラスカ州での撮影にこだわっていたが、今回は原作どおりカリフォルニア。
  4. A・ペイン監督自身がワインリストを決定。
  5. 女好きの売れない俳優ジャック役は当初G・クルーニーが候補に。ただし「大物過ぎる」という理由で却下。(そりゃそうだ)
  6. 4人のディナーのシーンのセリフはほとんどアドリブ。