April, 2010 のアーカイブ

タイタンの戦い

原題:
Clash of the Titans (タイタンの戦い)
年度:
2010
製作国:
アメリカ
配給:
ワーナー
監督:
ルイ・レテリエ
キャスト:
サム・ワーシントン/リーアム・ニーソン/レイフ・ファインズ/ジェマ・アータートン/マッツ・ミケルセン/ジェイソン・フレミング/アレクサ・ダバロス/リーアム・カニンガム
ストーリー
ギリシャの神々の物語。創造神ゼウスが人間の女に産ませた子供ペルセウスは、数奇な運命で生き延び人間として成長。一方、神々の権力争いに倦み反旗を翻したアルゴス族は神の反感を買い、そのあおりでペルセウスの家族も殺される。ペルセウスは仇敵ハデスを討つ為アルゴスに加わり、ハデスの遣わす怪物クラーケンを打倒せんとする。

 

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6
2D劇場鑑賞。3D過渡期だからかやたらと3Dを強調したシーンが目立った。めまぐるしく登場する「ゲームのキャラや敵たち」の説明足りないのでは(FFとは特に似てる)。神話の大胆な解釈、というわけでもなく割と忠実だけど、その分予習がいるかも。ボスキャラたちはどれも造形好きだけど、クラーケンだけイマイチ。

雑記:

  1. 1981年に製作された同名映画のリメイク
  2. 神々の鎧はL・レテリエの「聖闘士星矢」へのリスペクト。車田正美のイメージポスターも制作
  3. 2Dでの撮影終了後に3D変換。その為3Dが不自然、との評も。
  4. アイオはペルセウスの曽々々々々々々祖母であると同時に父ゼウスの前妻

世界最大級の環境汚染 (Crude)

原題:
Crude (原油)
年度:
2009
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
ジョー・バーリンジャー
キャスト:
パブロ・ファハルド/スティーブ・ダンジー/トルーディ・スタイラー他
ストーリー
ドキュメンタリー。南米エクアドル国内のアマゾン川流域。大手石油メジャーのテキサコが原油採掘を実施。原状回復が甘く漏れ出た原油が土壌を汚染。汚染された淡水による深刻な健康被害に苦しむ現地部族。テキサコを引き継いだシェブロンに対し、発起して弁護士になった現地のパブロ・ファハルド氏や賛同したアメリカ人活動家らが集団訴訟を起こす。

 

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6
痛ましい話であり意義深いテーマではあるものの、問題の本質である「どうして原油採掘が認められたのか。エクアドル政府は動かなかったのか」が見えず、現地合弁企業の責任問題も不明確な印象。とは言えファハルド氏らの成果は目を見張るものがあり、大企業論理に打ち勝つ成功事例として単純に美しい。自分が掲載された雑誌に思わず照れ笑いをする氏の表情は良い。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. 「アマゾン・チェルノブイリ」とも呼ばれ有名な問題。2010年現在係争中。
  3. トルーディ・スタイラー(スティング妻)は、サンフランシスコ在住のシェブロン従業員6000人に本作を無料招待

バーン・アフター・リーディング

原題:
Burn After Reading (読後焼却のこと)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
配給:
ギャガ・コミュニケーションズ/日活
監督:
ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
キャスト:
ジョージ・クルーニー/ブラッド・ピット/ジョン・マルコビッチ/フランシス・マクドーマンド/ティルダ・スウィントン/リチャード・ジェンキンス/エリザベス・マーベル/J・K・シモンズ
ストーリー
ベテランCIA分析官のオズボーンはアル中でクビに。意趣返しにCIA内幕暴露の「自伝」を書こうとして妻ケイティに呆れられる。そのケイティは元財務省警務官のイケメン・ハリーと不倫中。離婚調停用にコピーしたオズボーンのPCデータが、フィットネスジムで拾われる。ジムのスタッフの中年女性リンダは全身整形のお金を工面しようと悩む。誤解が誤解を生む・・・。

 

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8
大笑い。出だしのグーグルアースとかありがちなクレジットや「ロシア大使館?」(今さら?)とか「(面倒なので)遺体焼いとけ」とか、いちいち皮肉が利いてて感心。なかでも「PC or Mac?」にツボった。なんというか、いろいろマジメにやってることも意外とこんなもんかもよ、とコーエン兄弟がニヤニヤしながら作ったのが想像できる。

雑記:

  1. チャド(B・ピット)はオズボーンの前で「Mr.ブラック」を名乗るが、「ジョー・ブラックをよろしく」(98)の主演がピット。
  2. F・マクドーマンドのコーエン兄弟監督作品7本目。
  3. コーエン兄弟はいつものとおり「ロデリック・ジェインズ(Roderick Jaynes)」名義。
  4. 「ノーカントリー」(07)の脚本と同時進行。兄弟で交互に。
  5. コーエンのいつもの撮影監督R・ディーキンズはスケジュール合わず、代わりにエマニュエル・ルベツキ。

神様の愛い奴

海外タイトル:
-
年度:
1998
製作国:
日本
配給:
LOFT CINEMA
監督:
藤原章/大宮イチ

キャスト:
奥崎謙三他

ストーリー
異色ドキュメンタリー。従軍中の同僚隊員の不審死に疑問を持ち中隊長宅で長男を襲撃し、殺人未遂で13年服役していたアナーキストの奥崎謙三。出所し77歳になった彼は獄中で「発見」した「血栓溶解法」を周囲に強引に薦めるが元々暴力でしか自己表現できない彼は周囲に疎まれる。異端児な彼を使ったアダルトビデオの企画が舞い込む。

 
 

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3
「哀れみ」の感情が先行すると怒りの矛先が偽りの恭順を見せるスタッフに、「奇抜観たさ」ならばチープな映像を見せる撮影・編集に向かう。何よりも「ゆきゆきて」で見せた気骨ある奥崎氏を期待すると、奥崎氏自身の倒錯した自己矛盾が許せなくなる。非常に評価に迷う作品だけど、途中から評価しない理由を探す自分に気づく。唯一反骨を見せた2人の女優に拍手。

雑記:

  1. 2001年に<決定版>と加えられてリバイバル上映
  2. 2005年に奥崎氏死去。
  3. 大宮イチは大楽源太名義で「ゲルマニウムの夜」など
  4. 奥崎家の家屋はその後駐車場に。。。(嗚呼)

おいしいコーヒーの真実

原題:
Black Gold (黒い黄金)
年度:
2006
製作国:
イギリス/アメリカ
配給:
アップリンク
監督:
マーク・フランシス/ニック・フランシス
キャスト:
タデッセ・メスケラ他
ストーリー
ドキュメンタリー。全世界で1日20億杯が消費されるというコーヒー。石油に次ぐ巨大な市場を持つ貿易商品でありながら、生産者である農家は価格下落による貧しい生活。エチオピアの農協連合を束ねるタデッセ氏は世界を飛び回り、生産者に対する適切な利益配分と自国農家への補助金を撤廃するよう訴える。

 

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9
一面的な情報の謗りはあるだろうが名作。フェアトレードの基本。一杯のコーヒーが語る真実。世界の仕組み。グローバル資本主義の闇の部分。そりゃそうだ。全ての人が全ての情報にアクセスし参入規制と参入障壁のない社会などあり得ない。補助金に守られた生産国に勝てる訳がない。貿易の勉強を決意。「援助より公正な貿易の場が欲しい」というアフリカ首脳発言が印象的。

雑記:

  1. サンダンスで話題に。日本で上映予定がなかったがアップリンクがこぎつけた。
  2. タデッサ氏に農協の仕組みを教えたのは日本、という情報も。
  3. 製作に3年。
  4. コーヒー農家がやむなく転作する麻薬「チャット」は、禁酒のイスラム世界で需要が高い。多くの先進国では非合法だが日本は規制対象外。

アフロアメリカンのルーツとは (Good Hair)

原題:
Good Hair (良い髪)
年度:
2009
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
ジェフ・スティルソン
キャスト:
クリス・ロック/マヤ・アンジェルー/アイス・T/アル・シャープトン他
ストーリー
ドキュメンタリー。アフロアメリカン(アフリカ系アメリカ人)女性に共通する悩みと言えば髪。地毛のまま伸ばせばチリチリのアフロになるがそれはカッコ悪い。彼女らの間では縮毛矯正剤や植毛(ウィーヴ)が当たり前のように使われ、莫大なお金が使われている。失われたアフリカ系の誇りと現実をクリス・ロックが追いかける。

 

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7
ひとつのテーマを陰に陽に掘り下げて興味深い。アジア系の天パなんかよりはるかに深い悩みがそこにはあるのだろう。ウィーヴの市場規模や「仕入先」の話など、ヘアー経済の実態については非常に楽しかった。ただテレ東あたりの経済番組の特集のレベルなのかも。「何故彼女らがそこまで」の踏み込みは足りないか。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. サンダンスでプレミア上映
  3. 黒人指導者アル・シャープトン師は2004年大統領選挙の民主党候補として一時期党内選挙戦

真夜中の虹

原題:
Ariel (アリエル号)
年度:
1988
製作国:
フィンランド
配給:
シネセゾン
監督:
アキ・カウリスマキ

キャスト:
トゥロ・パヤラ/スサンナ・ハーヴィスト/マッティ・ペロンパー/E・ヒルカモ

ストーリー
フィンランド北部の炭坑が閉鎖され、職にあぶれた炭坑夫カスリネンは、人生を模索する為に南に向かう。途中暴漢に有り金を奪われ、日雇い労働者となり、やがて男に裏切られた未亡人と出会い、惹かれ合う。ある日暴漢と再会し、もみ合ううちに無実の罪で投獄される。同房には長い牢獄人生に疲れ果てた信頼できるミッコネンが居た。

 
 

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6
畳み掛ける不幸を表現するのに、余計な演出がないのはグッと来た。またセリフの説明も最小限で、強いコダワリが感じられた。普通の炭坑夫が、わずかな軌道のズレが元でやがて強盗・殺人に行き着くある意味ストレートな表現手法が良い。だけど、やはりあっさりとし過ぎていて、ラストのメキシコ行に思ったほどの希望を感じられない。

雑記:

  1. モスクワ国際映画祭最優秀男優賞(T・パヤラ)
  2. アキ・カウリスマキ監督は、兄ミカとともに、同じくフィンランド出身のR・ハーリン監督と無名時代からの友人。ハーリンはハリウッド活躍だが、兄弟はあくまで祖国

ユダヤ人強制収容所内で交わされたラブレター (Steal a Pencil for Me)

原題:
Steal a Pencil for Me (鉛筆を一本盗んできて)
年度:
2007
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
ミシェル・オハイヨン
キャスト:
ジャン・ピエール・ジラン/ジャック・ポラック/イナ・ソープ他
ストーリー
ドキュメンタリー。第二次大戦下のアムステルダム。ユダヤ系オランダ人ビジネスマンのヤープと妻マーニャは関係冷却。ヤープは娘ほども年下のイナと愛人関係。離婚直前というところでナチスのユダヤ人強制収用で、なんと3人が同じ収容所に。落命の恐怖におののきながらも奇妙な三角関係。ヤープとイナの間に交わされる夥しい手紙。

 

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7
題材として下世話な興味が沸くものの、存命中の当人たちによる回顧録的な作りはドキュメンタリーとしてはあまり好きではない。ただ、ユダヤ狩りの生き証人たちの稀有な状況、赤裸々な感情はとても価値があると思った。三角関係だったからこそ生き延びた、という分析は正しいのかも。しかし、、酷いことをしたものだ、改めて。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. M・オハイヨン監督は、「Colors Staight Up」(97)でアカデミー長編ドキュメンタリー賞ノミネート(共)
  3. ベルゲン・ベルゼン強制収容所は、ガス室がなく、餓死させることで殺していた。アンネ・フランクもここで死。

鉄男 TETSUO

海外タイトル:
Tetsuo the Iron Man (国際=鉄の男テツオ)
年度:
1989
製作国:
日本
配給:
ゼアリズ/海獣シアター
監督:
塚本晋也

キャスト:
田口トモロヲ/藤原京/叶岡伸/石橋蓮司/塚本晋也

ストーリー
とあるサラリーマンがある日鏡を見ると、顔から小さな金属が生えていた。訳が解らぬまま、駅では金属化した手を持つ女に襲われる。やがて彼の身に変化が起き、次第に体中から金属パイプなどが生えてくる。実は、以前女と轢き逃げした相手の復讐だった!体中がスクラップ金属だらけになった彼と、復讐に燃える男の闘いが始まった。

 
 

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8
非凡。ああ非凡。街の中をコマ撮りで進むシーンの繰り返しや、クレイアニメのようなメタモり方など、安っぽ~い演出に、ストーリー自体の荒唐無稽さが加わって、全くマネの出来ないカルト臭さが存分に。さらにカラーだといろいろ「バレ」ちゃうからだと思うけど、白黒が大正解でこれまた参った。映画界はこういう芽を摘んではいけないよ。

雑記:

  1. この映画に影響されて、「π」(D・アロノフスキー)制作
  2. ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリ
  3. 製作・監督・脚本・撮影・美術・音楽=塚本監督。自らの18ミリ映画「普通サイズの怪人」を元にしている
  4. まだ田口トモロヲが「ばちかぶり」としての方が有名だった頃

黒人コメディアンが語る…黒人コメディの歴史と現在 (Why We Laugh)

原題:
Why We Laugh: Black Comedians on Black Comedy (なぜ俺らは笑うのか:ブラックコメディアンがブラックコメディを語る)
年度:
2009
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
ロバート・ダウンゼンド
キャスト:
アンジェラ・バセット/ビル・コスビー/エディ・マーフィー/クリス・ロック/モニーク/ロバート・タウンゼンド他
ストーリー
ドキュメンタリー。現在でも「ブラック・シットコム」として1ジャンルを成すアメリカ黒人によるコメディの歴史。ウェイアンズ兄弟、ビル・コスビー、エディ・マーフィー、クリス・ロック、、、。奴隷制を経て抑圧された人種。現代でも差別の抜けない米社会にあって、彼らが何を考えどのように社会に影響を与え、そして何よりも「笑わせて」きたのか。関係者が語る。

 

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5
題材としては興味深いけれど、個別コメディアンにフォーカスし過ぎ、深堀りが足りない気がするのは自分が疎いから?なぜユダヤ・コメディが発達してないのか、なぜ「お笑い」なのか、、奴隷と差別を経た彼らなりの処世術、、という説明では足りないような。ただ一方で、現代でも黒人ジャンルが確立されているのは皮肉。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. ダリル・リトルトン著「Black Comedians on Black Comedies」にインスパイアされ映画化