August, 2009 のアーカイブ

不思議惑星キン・ザ・ザ

原題:
Кин-Дза-Дза! /Kin-Dza-Dza! (キン・ザ・ザ!)
年度:
1986
製作国:
グルジア
配給:
パンドラ
監督:
ゲオルギー・ダネリヤ
キャスト:
スタニスラフ・リュブシン/エヴゲニー・レオノフ/ユーリー・ヤコヴレフ/レヴァン・ガブリアジェ
ストーリー
街で会った自称異星人に話しかけ、異星の砂漠にワープしてしまった技師マシコフと若者ゲデバン。やがて出会った二人組の異星人に、何とか地球に戻してもらおうとする。どうやらこのキン・ザ・ザ星雲系ではマッチが非常に貴重らしい。「クー!」という万能語と、おかしな階級制度があるこの星で、マッチを交渉道具にあれこれ奮闘する。

 

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8
ダレまくってる音楽、キッチュな宇宙船やオリなどのアイテム、鬱陶しいストーリーなど、すべてがカルト垂涎で、大人気もさもありなん。御多分に漏れずあっけなく参った。キャラたちのこれまたビミョーな心理がたまらない。ルネラルーと違い、異人種をサボテンに変える清廉潔癖な星を初め、イデオロギー臭もあり、表現者冥利に尽きる?

雑記:

  1. 低予算ながら口コミで人気に拍車。日本でも単館上映のみにもかかわらずカルト人気爆発
  2. 2人の異星人役Y・レオノフ&Y・ヤコヴレフはソ連政府から人民芸術家として表彰歴あり
  3. 音楽ギア・カンチュリはいまや有名人(笑)

パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

原題:
Pirates of the Caribbean: The Curse of the Black Pearl (カリブ海の海賊:ブラックパールの呪い)
年度:
2003
製作国:
アメリカ
配給:
ブエナビスタ
監督:
ゴア・バービンスキー
キャスト:
ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ/ジェフリー・ラッシュ/ジョナサン・プライス/ジャック・ダベンポート

シリーズ:
1/2/3

ストーリー
ディズニーランドの人気アトラクション「カリブの海賊」の映画化シリーズ第1弾。17世紀カリブ海の港町。総督の娘エリザベスは、幼いころに海で漂流していた少年が身に着けていた金のペンダントとともに、海賊への密かな憧れを抱いていた。その少年ウィルは総督家の鍛冶屋に成長。ある日バルバロッサ船長率いる海賊が襲撃。狙いはエリザベスのペンダント。獄につないでいた海賊ジャック・スパロウが事情を知っているらしい。。。

 

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6
良く作っているなあ、というのが第一印象。J・デップは一際カッコ良すぎである意味でズルいし、骸骨の戦い等も、その滑らかさに感心。ストーリーなどよりもその技術の進歩とデップの巧さに目を見張るばかり。J・ブラッカイマーとILMが得意な映分野の映画をチョロっと作ってみました。

雑記:

  1. 製作J・ブラッカイマー。
  2. ブラックパール襲撃の大砲の煙が一瞬ミッキー(隠れミッキー)に。
  3. 撮影所で火災。35万ドルの損害。
  4. 牢屋の鍵を加えた犬を骨で呼ぶ、などのシーンはアトラクションより。
  5. 世界最初の試写会はカリフォルニアのディズニーランドで。
  6. 撮影中に船酔い続出。

シッコ

原題:
Sicko (イカれた奴)
年度:
2007
製作国:
アメリカ
配給:
ギャガ・コミュニケーションズ/博報堂DYメディアパートナーズ
監督:
マイケル・ムーア
キャスト:
マイケル・ムーア
ストーリー
先進国で唯一、国民皆保険制度がないアメリカ。政府の言とは裏腹に、保険会社の利益至上主義が「犠牲者」を生んでいる医療制度の矛盾を厳しく突くドキュメンタリー。今も5000万人が無保険状態であり、保険料を支払われずに命を落とす人も後を絶たない。また、保険のある2億5000万人も決して幸せではない。既往症の無申告などの理由をこじつけて「保険医療の否認」をすることが医者の出世につながる不条理な制度。

 

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8
昔から問題点を指摘され続けてきたアメリカの保険制度が、ついにこんな大々的に白日の下に。これがかの理想の国の姿かと戦慄。編集だけは必ず製作者の意図が入るのがドキュメンタリー。この映画も勿論、M・ムーアの問題意識に基づいた表層のつまみ食いがあるだろう。ただそれでも、強烈な問題提起であることには間違いない。今回「アポなし」などが抑制されていた分、問題の本質を丁寧に切り込んでいけているのではないか。賛否あるだろうけれど。

雑記:

  1. 制作費900万ドル。全米興行2450万ドル。「ボーリング・フォー・コロンバイン」(2150万ドル)以上。
  2. ノルウェーの医療制度のシーンは丸々カットされた。
  3. 当然のように米保険業界からは猛反発。「誇張に過ぎる」
  4. 公開2週間前にネットに作品が漏洩。「僕は著作権法には常々疑問を感じてる。共有されてファンが増えるのは良いことでは?」
  5. グアンタナモ渡航は法的に疑いがあるとして政府は、ムーアに対する召喚状発行。ムーアは国外にフィルムのコピーを置いて備えた

ナイトミュージアム2

原題:
Night at the Museum: Battle of the Smithsonian (博物館の夜: スミソニアンの戦い)
年度:
2009
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀フォックス映画
監督:
ショーン・レビ
キャスト:
ベン・スティラー/エイミー・アダムス/ロビン・ウィリアムズ/オーウェン・ウィルソン/ハンク・アザリア/クリストファー・ゲスト
ストーリー
前作でNYの博物館で展示物たちが動き出す騒ぎを乗り切った元夜警のラリー。今は発明品が大当たりして会社の社長で大富豪。ある日博物館を訪れると、時代の流れか展示は3Dホログラム化され、かつての「夜の仲間」たちは翌日からDCのスミソニアン博物館でお蔵入りしてしまうのだという。なんとか取り戻したいラリーの元にDCの「オクタヴィアヌス」からSOSの電話が入る・・・。

 

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7
前回よりもグレードアップ。ストーリーはこの際どうでも良く、次々と事件が起こりドタバタ進む王道的な展開で楽しめる。これまた前回同様、歴史上の人物のキャラクターを強引に絡ませた無理やりな感じも良い。CGも安心感。B・スティラーも完全にハマり役。たまにはこういう映画も良い。これは是非日本史や中国史の版でもやってもらいたいね。まさかさらに続編あり?

雑記:

  1. リンカーンとナポレオンを登場させた2番目の映画。最初は「ビルとテッドの大冒険」(89)
  2. スミソニアン博物館は撮影に非常に協力的。一方、ダースベイダーの登場シーンではLucasFilmのスタッフが付きっ切りで撮影監視。
  3. 何でも質問に答えるT・ルーズベルトの銅像(R・ウィリアムズ)のモチーフは、「A.I.」のDr.ノウで同じウィリアムズ。
  4. スミソニアンで撮影された初の映画。

つみきのいえ

海外タイトル:
Maison en petits cubes, La (米=積み木の家)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
配給:
ロボット
監督:
加藤久仁生
キャスト:
長澤まさみ(ナレーション)
ストーリー
海面に建つ「積み木」のような家にひとり住むおじいさん。水面がどんどんあがってくるのでそのたびに家を建て増さなければいけない。ある日お気に入りのパイプを海中におとしてしまったおじいさん。おばあさんとの思い出の品。おじいさんは思い切って拾いに潜る・・・。

 
 

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8
心温まる佳作。人生とは積み木を積み重ねること。過去は自分の「後ろ」にあるのではなく、自分の「下」にあるということ。見事にマッチした音楽と暖かいアニメーションがとても良い一体感。ナレーション有りも無しもそれぞれの良さがあるけど順番は無→有かな。観てよかった。

雑記:

  1. 第81回アカデミー短編アニメーション賞受賞。アジア人初。
  2. 2008年アヌシー国際アニメーション映画祭グランプリ。文化庁メディア芸術祭のアニメーション部門大賞

剥き出しにっぽん

海外タイトル:
Bare-assed Japan (国際=丸出しニッポン)
2008
製作国:
日本
配給:
チャベス・シネマ=ロサ映画社
監督:
石井裕也
キャスト:
登米裕一/二宮瑠美/西薗修也/牧野エミ/磯西紀行/桂都んぼ
ストーリー
高校を卒業したばかりで青臭いエネルギーを消化し切れていない太郎。なんだか将来の見通しもないことに気づき、畑付きの郊外の家に引っ越して自給自足をしようと思いつく。密かに想いを寄せていた洋子を何気なく誘って快諾され、よし若いリビドーが発散できるかと思いきや、夫婦不和とリストラ問題を抱える父もなぜか付いてきてしまい奇妙な3人暮らしが始まる。鬱屈した性欲が感情を完全に左右。

 

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7
自主映画とは思えない才能を感じる。主役たちも始めの素人臭いすっとぼけた表情が後半には見慣れてきて、いい味になっている。「剥き出し」というタイトルに引っ張られたのか、「生の感情表現」が多少あざとく感じないでもない。監督はきっと、人間臭さをどこまでも追求したい人なんだろうな。人が掲げる理屈などすべて下半身に由来、という信念も持っているかも知れないと思った。

雑記:

  1. PFFアワード2007グランプリ
  2. 石井監督の大阪芸大の卒業制作
  3. 敢えて高価な16ミリフィルム。制作費400万円を搾り出すために仲間4人で必死でバイト。
  4. 石井監督も、コンビニの前で指を怪我したとか言って仲間に文句を言ってるチョイ役で出演(ですよね?)

JUNO/ジュノ

原題:
Juno (ジュノ)
年度:
2007
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀Fox
監督:
ジェイソン・ライトマン
キャスト:
エレン・ペイジ/マイケル・セラ/ジェニファー・ガーナー/ジェイソン・ベイトマン/アリソン・ジャネイ
ストーリー
「普通」がイヤだという少し変わり者の16歳の女子高生ジュノは、同じクラスのおとなしいポールと一度だけの関係を持ち妊娠してしまう。とてもじゃないけど育てられない環境。中絶も検討したけどやっぱり産んで、子どものできない夫婦に養子に出すことに決める。広告で感じの良さそうな夫婦を見つけて訪問。理想的な夫婦像にめぐり合ったジュノ。人生の機微を体験しつつもあくまで気丈に、だんだん大きくなるお腹を受け止める。

 

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9
この爽快感はどうだ。重たいテーマが嘘みたいに佳作に昇華され、フィクションのスタンスは決して損なわず、それなのに素晴らしい脚本が観る者を引き付けて止まない。絶妙な空気をまとったE・ペイジが強烈な印象を残す。両親への告白に同級生の友達が付き添うなど、どこまでもアメリカ的設定であることは間違いないのだけど、そのスカッと清清しさが羨ましくなってしまう。サウンドトラック秀逸。サーチライトっぽさが十二分に発揮された良作。

雑記:

  1. アカデミー賞脚本賞(ディアブロ・コディ)。なんと脚本デビュー。作品賞、監督賞、主演女優賞ノミネート。
  2. 妊娠のお腹は特殊メイク
  3. ジュノのハンバーガー型の電話は、D・コディの私物。
  4. ポール役M・セラはキャンディを口にいれてどうしてもセリフを言えず、実は全て食べてるフリ。
  5. 電話帳はすべて55501で始まる番号。実はこれは映画やTVでの使用に割り当てられている番号。

打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?

海外タイトル:
Fireworks, Should We See It From the Side or the Bottom? (国際=花火は横から見るの?それとも下から?)
年度:
1993
製作国:
日本
配給:
日本ヘラルド/ヘラルド・エース
監督:
岩井俊二
キャスト:
山崎裕太/奥菜恵/反田孝幸/小橋賢児/ランディ・ヘブンス/山崎一/石井苗子/田口トモロヲ/蛭子能収/光石研
ストーリー
小学校高学年の1学期最終日。今夜は花火大会。ノリミチとユウスケはプールで他愛なく競争し、ユウスケが勝つが、2人とも想いを寄せるナズナが勝者だけにそっと、花火を一緒に観にいこうと誘う。ユウスケは同級生の手前、花火を横から見る仲間の集まりに参加する。もうすぐ転校するナズナは傷つく。もしも、ノリミチが勝っていたら?

 

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8
中篇ながらとっても印象に残った。音楽の挿れ方や独特の夜の撮り方(祭りの逆光/プールでの寄りなど)も良いけど、特筆すべきは奥菜恵の巧さというか可憐さというか、とにかく卓越している感じ。「ifもしも」ドラマ、という設定が少し残念だけど(後半部分の真意が読めない!)、いろんな大切なモノを大いにくすぐられました。佳作。

雑記:

  1. CX系ドラマ「ifもしも」のスペシャル版として制作
  2. 本作の6年後にドキュメンタリー「少年たちは花火を横から見たかった」(99)が制作された
  3. 挿入歌「Forever Friends」(Remedios)
  4. TVドラマ放映にもかかわらず、翌年日本映画監督教会新人賞受賞(初)
  5. キネコ処理

中国女

原題:
Chinoise, La (中国人女性)
年度:
1967
製作国:
フランス
配給:
フィルム・アート
監督:
ジャン・リュック・ゴダール
キャスト:
アンヌ・ヴィアゼムスキー/ジャン・ピエール・レオー/ジュリエット・ベルト/フランシス・ジャンソン
ストーリー
60年代後半。親たちがバカンスで留守にしている間、急進的なマルクス主義者の学生たちが曜日ごとにテーマを決めて革命のあり方についての議論を戦わせ、社会主義演劇などに没頭する。ベロニカらは、中国の文化革命を理想とし、反体制・反修正主義の立場で革命を実践しようとする。やがて理想との混同だと指弾する者が現れる。

 

評価
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8
60年代の映画だと信じられない予見性!まさにここで皮肉られている通りに、(今から思うと)青臭い学生運動の暴走と凋落があった。とりわけマルキシストの学生が、先生から(ノーカットで)「君たちの革命実践の手法は間違っている!」と窘められるシーンは出色。色使い(特にアカ)や編集テクニック(毛の音楽含む)も実に先鋭的。

雑記:

  1. ベロニカを電車で窘めるフランシス・ジャンソンは、アルジェ人民解放を支援した本人。ベロニカ役A・ヴィアゼムスキーも彼の教え子
  2. この映画あたりから、ゴダールの左傾が際立ち、ジガ・ベルトフ集団結成
  3. 直後、A・ヴィアゼムスキーとゴダールが結婚(1年で離婚)

水の中の八月

海外タイトル:
August in the Water (国際=水の中の八月)
年度:
1995
製作国:
日本
配給:
「水の中の八月」製作委員会
監督:
石井聰亙
キャスト:
緒方恵美/林原めぐみ/三石琴乃/山口由里子/立木文彦/清川元夢
ストーリー
隕石が落ちてきて以来、異常渇水で水不足の博多。真魚(まお)らの高校にやって来た高飛び込みの葉月泉は、ある大会でスランプに陥り、バランスを崩して瀕死の怪我を負う。生死を彷徨い退院した泉だが言動が次第に奇妙に。渇水に加え、街で流行し始めた「石化病」の原因は何なのか。山の遺跡と隕石のペトログラフの関係は。

 

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8
挿し挟まれる短いカット(倒れる人/石や空や月や生きもの)のタイミングがとても絶妙なのと、キャスト(小峯麗奈が特に)が巧く、怪しげなファンタジーとして成功。だけど、個人的には飛び込み全てと山笠祭(疫病を鎮める起源とはね)のシーンが好き。「自分を細かく見ていくと周りと境界が薄れていって、恐い」っていうセリフも思い当たる

雑記:

  1. 撮影・笠松則通
  2. 隕石を盗む男役は町田町蔵=町田康
  3. ギリシャ映画祭グランプリ
  4. 山笠はリアルタイムで撮影
  5. 小峯麗奈は半年前から身体を鍛え、スタントなしで撮影(!)