January, 2009 のアーカイブ

バーバー

原題:
Man Who Wasn’t There, The (その場に居なかった男)
年度:
2001
製作国:
アメリカ
配給:
アスミック・エース
監督:
ジョエル・コーエン
キャスト:
ビリー・ボブ・ソーントン/フランシス・マクドーマンド/ジェームズ・ガンドルフィーニ/スカーレット・ヨハンセン/トニー・シャローブ
ストーリー
戦後のサンタローザ。義兄の床屋で淡々と髪を切る寡黙な理髪師エド。社会に溶け込むことが苦手な彼はある客が口にした新事業の話にふと興味を持ち、妻の浮気相手の百貨店長を強請り資金を得る。これで未来が変わると考えたのも束の間、運命は少しずつ悪い方向へ。しかしエドは紫煙をくゆらし続けあくまで客観的に周りを見つめる。

 

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8
格好良い!語り部も兼ねるB・B・ソーントンの渋過ぎる演技はもとより、ハイコントラストな白黒(面会室の照明や浴室のシルエット)やコーエンらしい練られた脚本。映像にマッチしたベートーベンソナタ。なにか床屋らしいアイテムなり粋なセリフ(「髪は何故伸びる」が惜しい)が欲しかった気もするけど。ロズウェル事件にはヤられた。

雑記:

  1. 3年かけたとは云え、G・クルーニーのスケジュールが急遽空き、「オー・ブラザー!」(01)の撮影に入った為
  2. カラー撮影後白黒プリント加工。しかしカラー版フィルムもミスで出回った
  3. カリフォルニア州の死刑で電気イスはかつてない 
  4. カンヌ最優秀監督賞

鮫肌男と桃尻女

海外タイトル:
Shark Skin Man and Peach Hip Girl (国際=鮫肌男と桃尻女)
年度:
1998
製作国:
日本
配給:
東北新社
監督:
石井克人
キャスト:
浅野忠信/小日向しえ/岸部一徳/我修院達也/島田洋八/鶴見辰吾/真行寺君枝/寺島進
ストーリー
ストーカー並みに執拗な叔父ソネザキが経営するホテルで働くことに嫌気が差している桃尻。一方組の金を持ち逃げして大勢のヤクザに追われる鮫肌。彼らは出会い、逃避行を始める。ソネザキはオタクな殺し屋山田を雇い、桃尻の間男の始末を依頼。ヤクザとオタクに追われる鮫肌と桃尻は逃げ切れるのか?

 

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7
漫画原作だから当然といえば当然だけど、とにかく山田君始めキャラが魅力的。おかげでなんだか平凡なプロットが気にならないくらい。余計な会話でコダワリを見せる姿勢も好き。適度に締め適度に緩める感覚は真似したいなあ。それにしてもヘタな役者よりも芸人の方が巧いと思うのは不自然?良い意味で漫画的な映画。。

雑記:

  1. 原作・望月峯太郎。やはり原作の「バタアシ金魚」(90:松岡錠司監督)でも浅野出演
  2. 石井克人監督はCMメイン(アスパラドリンクやスカパーなど)
  3. 衣裳タケオキクチ

火垂るの墓

海外タイトル:
Grave of the Fireflies (国際=蛍の墓)
年度:
1988
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
高畑勲
キャスト:
辰己努/白石綾乃/志乃原良子/山口朱美/酒井雅代
ストーリー
昭和20年の神戸。戦地の父の留守を預かる母と兄妹。その母も空襲の怪我が元で死んでしまう。残された14歳の清太と4歳の節子は親戚のもとで居候を始めるが、やがて冷たくされ、誰も来ない防空壕で自炊生活を始める。慢性的な食糧不足に苦しめられながらも、兄妹は彼らだけの空間と時間を精一杯生きる。

 

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8
鑑賞しながら色々な言葉が去来した。教育、貧富、飽食、自己犠牲、斯様な時代、善悪の基準、日常と適応力、相対的な幸福感、被害者としての歴史観などなど。だけどむしろそういうことよりも、蛍のプラネタリウムに喜び海を風呂に見立て母の死を受容できる利発な子が、「おなかすいた」と幾度も繰り返す重みを噛みしめるべきかな。感動。

雑記:

  1. 原作・野坂昭如
  2. 米国ではミヤザキ・アニメと誤解されているフシが
  3. 88年公開時は「トトロ」とセット上映(!)
  4. そうめん・カルピス・ドロップ・「医者を呼ぶ」のセリフなどに、叔母宅での不勤を合わせ、清太はボンボンだ、という説も
  5. 節子役(白石綾乃)は当時5歳

ワールド・オブ・ライズ

原題:
Body of Lies (嘘の実体)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
配給:
ワーナー
監督:
リドリー・スコット
キャスト:
レオナルド・ディカプリオ/ラッセル・クロウ/マーク・ストロング/ゴルシフテ・ファラハニ/オスカー・アイザック
ストーリー
CIA中東局のエージェントのフェリスは、米ラングレー本部の上司ホフマンと連絡を取り合いながら対テロ殲滅作戦を展開する。現地で大きな影響力を持つヨルダン情報局の局長ハニと慎重に接触し、テロの首魁に迫ろうとする。フェリスは架空のテロ組織をでっちあげる作戦を展開しようとするが・・・。

 

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6
スパイ映画的には若干使い古された感のあるテーマだけど、劇中の世界情勢や技術と同じタイミングで観られればやっぱりそれなりに楽しめるね。デジタルとハイテクの有効な対抗軸としてのゲリラ戦とアナログを提示するあたり、ベトナムはもちろんもっと昔からのアメリカの戦争ポリシーに一穴を開けようとしている気がしてならない。全体的に示唆に富むけど、恋愛要らなかったとかまた言わなくてはいけないのが残念。あと邦題ひどい。

雑記:

  1. 街中の爆破シーンはデジタルエフェクトではなく、完璧に安全を計算した上でのリアルな爆発。
  2. エキストラたちが保有する車も多く使われたが、ナンバーやバンパーなどを英国仕様に改造

光の旅人

原題:
K-Pax (K-PAX)
年度:
2001
製作国:
アメリカ
配給:
日本ヘラルド
監督:
イアン・ソフトリー
キャスト:
ケヴィン・スペイシー/ジェフ・ブリッジズ/メアリー・マコーマック/アルフレ・ウッダード
ストーリー
突然街に現れたプロートと名乗る男は、自分は琴座近くのK-PAX星からやって来たと主張し、精神療養施設に入れられる。彼が語るK-PAX星の慣習や制度や人類観に説得力を感じた精神科医マークは、彼の過去を知ろうとする。一方プロートは施設の患者たちを独特な方法で啓蒙し、信頼されるようになる。

 

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5
木洩れ日、プリズム、反射、屈折、窓の光、燦々あるいは煌々とした太陽、強い光に浮かぶホコリなどなど、CGを使わず日常の光と目一杯戯れているのは気に入った。彼が語る人類の価値観への意見なんか地味に深い。ただ、面白い題材の割にはストーリーが釈然とせず、やるせない。もっと細かいエピソードがたくさん欲しかった。

雑記:

  1. 「スターマン」(84:J・カーペンター監督)ではJ・ブリッジズが人間の姿をしてパイに目がない異星人を演じた
  2. プロートが紫外線にも反応できるとして「300-400オングストローム」と云うが、一桁違う。これではX線になる

スパイダーマン

原題:
Spider-Man (蜘蛛男)
年度:
2002
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー
監督:
サム・ライミ
キャスト:
トビー・マグワイア/ウィレム・デフォー/キルステン・ダンスト/ジェームズ・フランコ/J・K・シモンズ/ジョー・マンガニエロ
ストーリー
恋心を抱くMJに勇気が出せないピーターは、遺伝子組換え蜘蛛に噛まれ運命一転。漲る力と手首から出すクモの糸で、NYを縦横無尽に移動し悪事をくじくスパイダーマンとなった。一方彼の友人の父親オズボーンは開発中の増強剤の副作用で別人格が現れ、彼を受け入れない社会に危害を加える。スパイダーマンは彼に勝てるか?

 

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7
原作は読んでないけど、コテコテなアメコミ独特の世界を堪能できた。K・ダンストのB級っぽいヒロインぷりとT・マグワイアのとぼけた演技(巧さ?)もマッチ。ビルからビルへの大仰なCGアクションも成功。「スーパーマン」にここまで似ていると思わなかったし、着ぐるみだったとは知らなかった。レスリングのシーン(衣裳!)が好きです。

雑記:

  1. 原作コミックではピーター自身が粘着する糸を開発し、銃のようなもので発射することになっている
  2. もともと作られていた予告編には貿易センタービルがあった為差し替えた
  3. タイムズスクエアのビルボード管理者は「別企業の広告に差し替えられてる」とSPEを提訴

ローラーボール

原題:
Rollerball (ローラーボール)
年度:
2002
製作国:
アメリカ
配給:
東宝東和
監督:
ジョン・マクティアナン
キャスト:
クリス・クライン/ジャン・レノ/LL・クール・J/レベッカ・ロメイン・ステイモス
ストーリー
近未来。スピード狂のジョナサンはNHLから一転ローラーボールの花形選手に。ローラーボールとは、鉄球とバイクとインラインスケートが駆け巡る、大衆に熱狂的に支持される危険な球技。中央アジアの遠征ではライバルチームとの戦い。興行とメディアを支配する資産家は、人々の昂奮を冷めさせないよう、手段を選ばぬ暴挙に出る。

 

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3
オリジナルを常に誉めるは安易だとしても、予想を下回った感じ。出だしのSF坂道のリュージュから、試合のライブTV画面の再撮風映像までは良い。カザフやモンゴルを登場させたり、男女一緒の更衣室だったりそれなりのメッセージだけど、そこからが眠さ満点の展開。アクションに力が入り、大衆の狂気が簡略されたのは痛い。

雑記:

  1. ノーマン・ジュイソン監督作品のリメイクは「トーマス・クラウン・アフェアー」(99)に続き、2作目
  2. 試写での評判が著しく悪く、何度も公開延期に
  3. メディア王役J・レノがある人を「エンゾ・モリナーリ」と紹介するが、「グラン・ブルー」(88)の彼の役名

友へ チング

原題:
Chingu (親旧=「長年の友」)
年度:
2001
製作国:
韓国
配給:
東宝東和/シネカノン
監督:
クァク・キョンテク (郭暻澤)
キャスト:
ユ・オソン/チャン・ドンゴン/ソ・テファ/チョン・ウンテク/キム・ボギョン
ストーリー
釜山の仲良し4人組。ヤクザの息子ジュンソク、葬式屋のドンス、それにジュンホとサンテク。海や街で思春期を共に駆け抜けた親友だが、中学・高校と次第に別々の人生を。青年ジュンソクはヤクザでのし上がり、ドンスは対立するヤクザの幹部。優等生のサンテクは留学を控えるが、親友の絆は長じてからも何ら変わるところはない。

 

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4
幼馴染みがそれぞれ別々の道を歩む、という至極当然のプロットを、義理を取るか組織を取るかの葛藤というこれまた見慣れた題材で味付け。隠し味で絡む女性。とまあ見所に欠ける映画だった。日本の仁侠映画に影響を受けた?と勘ぐってしまう。刀のモチーフ(引っ込み刀/刺身包丁/殺人指南など)は巧い。

雑記:

  1. 本国では「シュリ」や「JSA」をあっさり抜く記録的大ヒット
  2. 釜山では九州の地上波も受信でき、黄金バットなどはその為 
  3. ジュンソクがカラオケで歌う「マイ・ウェイ」はその後大ヒット

シッピング・ニュース

原題:
Shipping News, The (港湾ニュース)
年度:
2001
製作国:
アメリカ
配給:
アスミック・エース
監督:
ラッセ・ハルストレム
キャスト:
ケヴィン・スペイシー/ジュリアン・ムーア/ジュディ・デンチ/ケイト・ブランシェット/ピート・ポスルスウェイト/リス・アイファンズ/スコット・グレン
ストーリー
ある新聞社のしがないインク係のクオイルは、幼少の父親の教育がトラウマで水を怖がる内気な男性。たまたま出来た愛する妻は娘に構わず夜遊び。ある日その妻が死に、娘と叔母と3人でクオイルのルーツであるニューファンドランドの漁村に移り住む。そこで港湾担当記者として新生活を踏み出した彼は、先祖のクオイルのことを知る。

 

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6
不完全燃焼。主体性のないダメ男の姿は、結局最初に描かれただけ。あとは記事では同僚を出し抜き、未亡人の心を掴み、水もあっさり克服。トラウマの原因の父親を含む一族の過去についてイマイチ判りづらく、J・デンチが浮いた存在に。子供の不思議な言動は未来に引っ掛けているのかな。C・ブランシェットは今回もお上手。

雑記:

  1. 原作E・アニー・プルー。本作はピュリッツァー賞で大ヒット
  2. アザラシやゲソバーガーなどの食生活はNFでは普通
  3. E・アニー・プルーはNFでの撮影を条件に映画化を認めた

able エイブル

海外タイトル:
-
年度:
2001
製作国:
日本
配給:
「able」の会
監督:
小栗謙一
キャスト:
渡辺元/高橋淳/キャサリン・ルビ/マーク・ルビ
ストーリー
見知らぬ土地にホームステイした知的障害を持つ二十歳前の少年二人がスポーツや勤労や日常生活を通じ、周りと心を通わせるドキュメンタリー。ダウン症の淳と自閉症の元。英語も話せない彼らがアリゾナの夫婦の元にホームステイ。初め戸惑うがホストの温かい人柄によって次第に打ち解け、バスケなどを通じ友人も増える。

 

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6
ドキュメンタリーは、作り手の明確な意志とそれを被写体が理解しているか否か、また被写体との関係を伝えることが重要だと思う。この映画は題材は興味深く、心動かされる部分も多々あったが、その辺りのスタンスが不明確で、いわばフィクション度が判らず、終始落ち着かなかった。ただし、通常映画とは違い、多分に好みの問題。

雑記:

  1. 知的発達障害者のスポーツ活動を支援するスペシャルオリンピックスの活動を知らしめる目的。資金を全国から集める