December, 2008 のアーカイブ

オリバー!

原題:
Oliver! (オリヴァー!)
年度:
1968
製作国:
イギリス
配給:
COL
監督:
キャロル・リード
キャスト:
マーク・レスター/ジャック・ワイルド/ロン・ムーディ/シャニ・ウォリス/オリヴァー・リード
ストーリー
C・ディッケンズ原作の舞台の映画化。地方の孤児院暮らしのオリヴァー少年は、丁稚に売られた所で諍いを起こし、奉公先を飛び出し単身ロンドンへ。そこで盗品仲買人ファギン率いる少年盗賊団の一味になる。ある日仲間のスリの容疑者にされたことがきっかけである紳士に引き取られる。ファギンらはオリヴァーをなんとか取り戻したい。

 

評価
コメント
6
何よりも美術!時代を見事に再現した細かいアイテムたちに脱帽(エネルギッシュなゴミゴミ感!)。そして歌や踊りには感心(紳士邸に行商人が売りに来るシーン!)。そして主人公の冒険譚にとどまらず、快活な親分と盗っ人たちが妙に魅力的。舞台も是非いつか観たい、と思った。ただストーリーがもう少し骨太だったらな。

雑記:

  1. アカデミー作品賞/監督賞/美術監督賞/ミュージカル音楽賞/サウンド賞
  2. 原作チャールズ・ディッケンズ/舞台化ライオネル・バート:ロンドンで超ロングラン
  3. 映画は「オリバー・ツイスト」(33:ウィリアム・J・コーエン監督)「オリヴァ・ツイスト」(48:デヴィッド・リーン監督)

17歳のカルテ

原題:
Girl, Interrupted (途切れた少女)
年度:
1999
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー
監督:
ジェームズ・マンゴールド
キャスト:
ウィノナ・ライダー/アンジェリーナ・ジョリー/クレア・デュヴァル/ウーピー・ゴールドバーグ/ヴァネッサ・レッドグレーヴ
ストーリー
アスピリン1瓶をウォッカ1本で飲み干した17歳のスザンナ。近くにある一流の精神病院に入院することになる。境界性障害と診断されるが、自分は悩み多き正常な少女だと信じる。入院仲間のリサの荒々しい非社会性に触れ、また他の仲間たちとも心を通わせて月日が過ぎるが、医者は相変わらず症状は横ばいだと言う。

 

評価
コメント
8
正常異常の境界で迷走したスザンナが、偽善的に境界を無視するのではなく、キッチリ境界線を引いた上で社会復帰する姿がとても人間らしくて好き。嘘や欺瞞に溢れてる(悪口書いた日記はバレた)けどそれが社会だ、という強いメッセージ。粋がるなら広い社会で粋がれ、と云われた気分。清々しかった。A・ジョリーは流石です。

雑記:

  1. アカデミー助演女優賞(A・ジョリー)
  2. 実話で、原作はスザンナ・ケイセンの回想録
  3. 自殺を発見したリサ(A・ジョリー)の「(救急車でなく)霊柩車だ」というセリフは夫B・B・ソーントンの「スリング・ブレイド」(96)にも
  4. ブラを燃やすことへ言及するが、70年代の反戦運動のハズ

ランダム・ハーツ

原題:
Random Hearts (成り行きの気持ち)
年度:
1999
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー
監督:
シドニー・ポラック
キャスト:
ハリソン・フォード/クリスティン・スコット・トーマス/チャールズ・S・ダットン/ボニー・ハント/ポール・ギルフォイル/シドニー・ポラック
ストーリー
ワシントンDC警察内務調査官ダッチの妻が、仕事でマイアミに飛ぶと言い残し飛行機事故に遭い死亡。下院議員ケイの夫との不倫旅行だった。妻の不貞の真実を掴もうと、ダッチは選挙戦中のケイを訪ねる。共にパートナーの裏切りに直面し、それぞれ苦難を受け止めるが、やがて二人は惹かれあうようになる。。。

 

評価
コメント
4
裏切りのテーマをもっと掘り下げればもっと面白くなったと思うけど、これでは何だか消化不良。共に配偶者に浮気されてしまった二人が結ばれるなんて、全くメロドラマそのまんま。人間不信や孤独感に深みがない。警察の内務調査官と資金繰りに苦労する下院議員という設定の特殊性もイマイチ意味不明。など、惜しいところたくさん。

雑記:

  1. 95年から米国では搭乗時にID提示が必要だが、ダッチの妻はどのように?
  2. 撮影フィリップ・ルースロ
  3. S・ポラック&H・フォードは、「推定無罪」(90:ポラックは製作)「サブリナ」(95)に続くコンビ

トレマーズ

原題:
Tremors (震え)
年度:
1990
製作国:
アメリカ
配給:
UIP
監督:
ロン・アンダーウッド
キャスト:
ケヴィン・ベーコン/フレッド・ウォード/フィン・カーター/マイケル・グロス
ストーリー
ネバダ州の郊外の砂漠の小さな町。肉体労働者の青年二人は、ある日地底に潜む巨大で獰猛な生物を発見。町の人が次々と襲われるなか、地質学者の女子学生は太古の突然変異した生物と分析。しかも4体も居るという。青年と学生と町の人たちは力を合わせ、音と振動に敏感に反応し見境なく襲う敵に挑む。

 

評価
コメント
5
とても90年代の作品とは思えないB級ぷりだけど、その割り切りと自信を評価したい。怪物の説明とかがいかにも貧相で(20億歳って。。)、いちいちご都合主義で(棒高跳び!)、人物描写も極端で(軍事マニアの夫婦)、設定も安易(簡単に陸の孤島)だけど、随所に作り手の強いコダワリを感じて勉強になった。面白かった。

雑記:

  1. ネバダ州の設定だがカリフォルニア州で撮影
  2. どうも陸上版ジョーズと評価されがち

ヒューマンネイチュア

原題:
Human Nature (人間のサガ)
年度:
2001
製作国:
アメリカ
配給:
アスミック・エース
監督:
ミシェル・ゴンドリー
キャスト:
ティム・ロビンス/リス・エヴァンス/パトリシア・アークェット/ミランダ・オットー/ロージー・ペレス
ストーリー
異常に毛深いことに悩み、野生で生きることを決意した女。自分を類人猿と思い込む父親に森で育てられた野生児。鼠にテーブルマナーを教え世の中を変えることを夢見る博士。女は自然を愛し偏見を嫌い、野生児は発見され博士に徹底的にマナーを叩き込まれ、博士は幼少のトラウマがどうしても抜けない。そんな奇妙なコメディ。

 

評価
コメント
7
寓意性があるのかないのか、、、つまり、善くも悪くも文明と自然の不可避的対立と一生物たる人間への賛歌を喜劇仕立てに高らかに謳いあげたのか、独創的で雑多な要素を纏めあげ斬新さを売っているのか。恐らく両方?とにかく役者と脚本が生き生きと立ち、人間を見せられた感じ。魅力的なコメディの条件は揃っている。

雑記:

  1. 脚本チャーリー・カウフマン「マルコヴィッチの穴」(99)
  2. 監督M・ゴンドリーは仏出身でMTV界では有名人。ビョークなど
  3. 博士助手ガブリエル役=M・オットー「女と女と井戸の中」(97)「ホワット・ライズ・ビニース」(00)「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズではエオウィン

エクソシスト

原題:
Exorcist, The (悪魔祓い師)
年度:
1973
製作国:
アメリカ
配給:
ワーナー
監督:
ウィリアム・フリードキン
キャスト:
リンダ・ブレア/マックス・フォン・シドー/エレン・バースティン/ジェイソン・ミラー
ストーリー
ある有名女優の12歳の娘リーガンが、突然原因不明の、冒涜的かつ奇怪な言動を始める。脳にも神経にも異常はなく、最後の手段として悪魔祓いの儀式をすることに。彼女の周りで起こる異常現象がエスカレートする中、自分の母の死に不孝の責任を負ったイエズス会の神父が呼ばれ、悪魔憑きを祓う凄絶な儀式が始まる。

 

評価
コメント
8
ホラーの枠を大胆に超えて、宗教や神秘体験の領域、それも善悪の価値観や宗教者の葛藤にまで踏み込んでおり、しかもそれらがほとんど嘘臭くなく、高く評価したい(解釈は委ねられてしまったけど)。社会を巻き込まず、個人に終始したのが巧い。ホラーはあまり観ないけど、この手の脚本なら喜んで観ます。

雑記:

  1. 製作・原作・脚本=ウィリアム・ピーター・ブラッティ(アカデミー脚色賞)。実際の事件に取材
  2. 脳診断後に医者を呼びに来る看護婦はL・ブレアの実母
  3. 舞台のアパートは、原作W・P・ブラッティが学生時代に住んでいた
  4. 汚された聖母像はあるUSTV版では別カットに差し替え

五条霊戦記//GOJOE

海外タイトル:
Gojoe (五条)
年度:
2000
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
石井聰亙
キャスト:
隆大介/浅野忠信/永瀬正敏/岸部一徳/勅使河原三郎/國村隼/船木誠勝/光石研
ストーリー
源平争乱後の京都。五条橋付近では夜な夜な平家の武士が討たれ、「鬼」の仕業と恐れられていた。一方荒くれ者で知られた武蔵坊弁慶は仏門に入っていたが、明王の啓示を受け鬼退治に出る。鬼とは、幼き源氏の生き残りで後の義経。山に籠り心身の鍛練を怠らない。もはや平家で適う者はなかったが、弁慶は勝負を挑む。

 

評価
コメント
5
殺陣にこだわったのは判るけど、たるみ気味の展開に埋もれ、また動く動くカメラワークにかき消され、実に勿体無い。独自解釈の歴史は評価したいけど、あのラストはなんだかな。隆(弁慶)を始め、意外に勅使河原(阿闍梨)が巧いけど、浅野は演技したのか? 独特の色使いや音楽は好きかも。

雑記:

  1. プロデューサー仙頭武則:「M/OTHER」(99)「弟切草」(00)「EUREKA」(00)
  2. 勅使河三郎は言わずと知れた現代舞踏家
  3. ハリウッドの機材多用で、深い森の撮影には無人の滑空カメラなど
  4. 殺陣は中国の京劇の要素も
  5. カット数2000は「SWエピソード1」に匹敵

若き勇者たち

原題:
Red Dawn (赤い夜明け)
年度:
1984
製作国:
アメリカ
配給:
MGM/UA=CIC
監督:
ジョン・ミリアス
キャスト:
パトリック・スウェイジ/C・トーマス・ハウエル/リー・トンプソン/チャーリー・シーン
ストーリー
ソ連が台頭し、NATOが解散した近未来。孤立していたアメリカはある日ソ連・キューバ連合に遂に本土上陸される。青年ジェッドとその仲間達は団結してゲリラ隊「ウルヴェリン」を結成、数ヶ月間も山に籠りながら着々と反撃する。次々と勲を上げ全土に勇名を轟かせるが、形勢は徐々に不利に。祖国アメリカを守る抗戦は続く。

 

評価
コメント
4
何のことはない。本土を攻められたことのない米国が、社会主義国を仮想敵国と見做し、本土決戦の恐怖の中での勇気を描きナショナリズム高揚を促したプロバガンダ映画。。のように(今となっては)思う。その邪推を除けても、銃撃の反復が多く、印象が弱い。ゲリラの「勇者」達は、やたら強くて顔が綺麗。もう似非ヒロイズムはこりごり。

雑記:

  1. 公開数週間前に、マクドナルドで大量殺人事件があり、マックへトラックが突っ込むシーンがカット
  2. 当時、「最も暴力シーンが多い映画」としてギネスブック登録
  3. J・ミリアス監督:「ビッグ・ウェンズデー」(78)や「地獄の黙示録」(79)の脚本(共)

ロード・オブ・ザ・リング

原題:
Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring, The (指輪の王:指輪の仲間)
年度:
2001
製作国:
アメリカ/ニュージーランド
配給:
日本ヘラルド
監督:
ピーター・ジャクソン
キャスト:
イライジャ・ウッド/イアン・マッケラン/ヴィゴ・モーテンセン/イアン・ホルム/リヴ・タイラー/ケイト・ブランシェット/ジョン・リス・デイヴィス
ストーリー
J・R・R・トールキンの壮大なファンタジー「指輪物語」の映画化。第一部「旅の仲間」。永らく失われていた世界を統べる「力の指輪」の所持者となったホビット族のフロドは、魔法使いガンダルフら各種族を代表する仲間とともに、かつて指輪を鋳造した冥王サウロンの追跡の手から逃れ、指輪を葬り去る旅に出る。指輪の魔力が彼を苛む。

 

評価
コメント
8
賛否あろうが、原作オタクの自分的にはほぼ申し分なし。冒頭のイシルドゥアの禍の解り易いくだり。フロドの決意と苦悩。ビルボやガラドリエルに迫る指輪の誘惑。勿論少なからず残念な省略はあるけど(トム!)、ヴィジュアル的にも脚本としても映画としての完成度高し。巧くまとめてる。深みはむしろ次二作だけど、幸先良い滑り出し。

雑記:

  1. ビルボ役のI・ホルムは、70年代のラジオ版でフロド役
  2. 撮影はNZで、16ヶ月間。三部作同時撮影
  3. サルマン役C・リーは全スタッフ中で唯一トールキンに会ったことが
  4. エンドクレジットにNZ先住民への感謝の言葉がマオリ語で
  5. エルロンド役にはD・ボウイもオファーが

エネミー・ライン

原題:
Behind Enemy Lines (敵支配地域)
年度:
2000
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀フォックス
監督:
ジョン・ムーア
キャスト:
オーウェン・ウィルソン/ジーン・ハックマン/ガブリエル・マクト/ヨアキム・デ・アルメイダ
ストーリー
和平合意直後のボスニア民族紛争の調停役として監視任務に就く米軍艦カールヴィンソン。バーネット大尉は戦闘に飢え退屈。ある日偵察飛行中に、セルビア側の秘密軍事施設を発見,撃墜されてしまう。生き延びた彼は敵地に独り、救出を求めて逃げる。米司令官側は、和平調停を後退させることを恐れるNATOとの間に板ばさみ

 

評価
コメント
3
西側の一方的な価値観でミロシェヴィッチを裁く「正義」のNATOとその盟主アメリカ。セルビアは悪であり敵、という短絡蒙昧さ。その無頓着さが現在のアラブへの不当な差別を生んでいるというのに。所詮映画だけど、固有名詞のリアルさと映画的演出が馴染まず、娯楽になってない。戦争映画には珍しい映像遊びは新鮮だった。

雑記:

  1. J・ムーア監督はアイルランドのCMフィルム出身
  2. 主演O・ウィルソンは、俳優のほかに製作・脚本も手がける
  3. 冒頭でラグビーボールが海上に浮かんだ時の「ウィルソーン!」は、「キャスト・アウェイ」(00)より