October, 2008 のアーカイブ

メン・イン・ブラック

原題:
Men in Black (黒服の男たち)
年度:
1997
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー
監督:
バリー・ソネンフィルド
キャスト:
トミー・リー・ジョーンズ/ウィル・スミス/リンダ・フィオレンティーノ/ヴィンセント・ドノフリオ
ストーリー
NYPDのジェームズは、それと知らずに異星人を追いつめた腕を買われてMiBの「K」にスカウトされ、「J」として生まれ変わる。MiBとは1950年代からの秘密協定により密かに地球で暮らし始めた異星人たちを監視する秘密組織。一方ある昆虫型の異星人が地球を訪れ、「銀河」と呼ばれるエネルギー体を奪おうとする。

 

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6
この手のクリーチャーものを見ると一目でスピルバーグが絡んでいそう、と思うのは自分だけ?ともかく彼が絡んだ時のパターン:観てて飽きないけどあと一歩、に限りなく近い。でもMiBの成り立ちやコンセプトは結構好き。建物とその内部も。あとは「イツまでにコレをしないと地球が滅びる!」だけ何とかすれば。

雑記:

  1. アカデミーメーキャップ賞
  2. 地球で普通に暮らしている異星人たちが映るシーンに、G・ルーカス、S・スピルバーグ(製作総指揮)、S・スタローン、D・デヴィート、B・ソネンフェルド(監督)と娘など
  3. UFO目撃の周囲に現れるという黒服の男、という伝説を元にしたコミック

シャドウ・オブ・ヴァンパイア

原題:
Shadow of the Vampire (吸血鬼の影)
年度:
2000
製作国:
アメリカ
配給:
日本ヘラルド
監督:
E・エリアス・マーハイジ
キャスト:
ジョン・マルコヴィッチ/ウィレム・デフォー/ケイリー・エルウィズ/アデン・ジレット
ストーリー
フリードリヒ・W・ムルナウ監督の1922年の傑作「吸血鬼ノスフェラトゥ」の撮影現場を斬新な視点で描いたホラー。ムルナウは最高のリアリズムを出す為に、本物の吸血鬼を極秘裏に調達。撮影終了後に主演女優グレタの血を差し出す契約をした。役にのめり込む俳優として紹介されるが、彼は欲望を抑えられない。。

 

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4
うーん残念。J・マルコヴィッチがあまりにも淡々とこなしており、ドキュメンタリー+フィクションの綱渡り的面白さと、或る芸術家の危うい狂気がテーマだということに気付かなかった(途中までコメディだと思っていた)。W・デフォーは大層巧いけど、どこか思い切りが足りないというか。発想は面白い。

雑記:

  1. ムルナウ監督はドイツの巨匠。22本の映画中現存するのは半分以下
  2. 吸血鬼役マックス・シュレック(W・デフォー)。シュレックは独語で悲鳴・恐怖
  3. 製作N・ケイジ(共)。彼は無声映画の大ファン
  4. W・デフォーはまるでシュレックのようにノーメイクで現場に現れなかった

ラジオ・デイズ

原題:
Radio Days (ラジオの日々)
年度:
1987
製作国:
アメリカ
配給:
ワーナー
監督:
ウディ・アレン
キャスト:
セス・グリーン/ミア・ファロー/ダイアン・ウィースト/ダイアン・キートン/ダイー・アイエロ
ストーリー
第二次大戦前から戦中のアメリカのとある海岸町。テレビやゲームのないこの時代の楽しみはラジオ。ジョー少年と彼のとある大家族の視点と時代を彩る数多くのナンバーを通して、この古き良き時代の世相を描く。結婚に憧れる年頃の叔母さんや、思春期真っ盛りのジョーなど、コミカルに軽妙に描かれる。

 

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5
アメリカの年配の人なら懐かしい原風景的な映画に違いないだけに、自分には判りづらいのが残念。音楽も風景もエピソードもどれもこれも呼び覚まされるものがなく、ただ淡々とこの温故知新映画を観てしまった。W・アレンにしては感傷的で自虐っぽいところがなく、新鮮。フィクションだと気付くのに時間がかかった。

雑記:
1. 泥棒が忍び込んで電話に出て、ラジオをつけるが、真空管ラジオなのですぐにはつかない筈
2. 撮影はおなじみカルロ・ディ・パルマ
3. O・ウェルズによる火星人襲来のニュースは有名
  4. 「フェリーニのアマルコルド」(74)の翻案?

おくりびと

海外タイトル:
-
年度:
2008
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
滝田洋二郎
キャスト:
本木雅弘/広末涼子/吉行和子/山崎努/余貴美子/峰岸徹
ストーリー
プロのチェロ演奏家を目指していた大悟だったが、オーケストラが急遽解散。妻の美香とともに母が遺した山形の家に越し職探し。旅のお手伝い、というキャッチを見て応募した新職場は遺体を棺に納める納棺業者。遺体の扱いに最初は戸惑う大悟だったが次第にその神聖さ静謐さに惹かれ職に打ち込む。ただし美香の理解が得られない。。。

 

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8
役者の素晴らしい演技が本当に光った映画。主役の二人(特に本木)はもとより、脇を固める名優たちの演技に舌を巻いた。脚本が教科書のような仕立てである分、チェロの存在感が際立っていた。この死というある意味「陳腐」なテーマをよくここまで純化したものだと思った。生死の境目がタブーになっている今だからこそこのテーマは心地よい、と思った。

雑記:
1. 冒頭の遺体役のオーディションは、200名から「ぴくりともしない人」が選ばれた。
2. アカデミー外国語映画賞(日本初) /モントリオール世界映画祭グランプリその他各国映画祭受賞
3. 音楽・久石譲/テーマソングAI ただし、劇中で歌はなく、チェロ演奏のみ。

スライディング・ドア

原題:
Sliding Doors (駆け込みドア<引き戸>)
年度:
1997
製作国:
アメリカ
配給:
KUZUIエンタープライズ
監督:
ピーター・ホーウィット
キャスト:
グウィネス・パルトロー/ジョン・ハナー/ジョン・リンチ/ジーン・トリプルホーン
ストーリー
恋人と同棲するヘレン。彼女が仕事をクビになった日地下鉄に乗り損なう。でもその時もし乗れていたら、、という2つの未来が同時進行。片や恋人の浮気を目撃して塞ぎ込むが、偶然出会った男性に惹かれ、始めた仕事も順調。片や昼夜のバイトに精を出し、恋人の浮気を疑う。微妙に交錯する平行世界。。

 

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7
多分発想自体は目新しくなく、痴情系のネタもチープかも知れないけど、だからこそ学ぶところ多し。登場するドアに次ぐドアの強烈な暗示。ワンカットに複数のプロットを入れる虚構性(=映画性)。プロットが移る時のカギ(笑い声と泣き声の類似!)など。個人的には恋愛以外でやって欲しかった。

雑記:
1. 衣裳カルヴァン・クライン 
2. 製作S・ポラック(共) 
3. 監督・脚本P・ホーウィットが、車に轢かれそうになったのがきっかけ

バージニア・ウルフなんかこわくない

原題:
Who’s Afraid of Virginia Woolf? (ヴァージニア・ウルフ<狼>なんか怖くない)
年度:
1966
製作国:
アメリカ
配給:
ワーナー
監督:
マイク・ニコルズ
キャスト:
エリザベス・テイラー/リチャード・バートン/ジョージ・シーガル/サンディ・デニス
ストーリー
ある夏の深夜。大学のパーティーから帰宅した教授夫妻ジョージとマーサ。そして招かれてやって来た若手教授夫妻。マーサは酒の勢いで客の前でジョージを愚弄し、諍いを始める。客人たちも調子を合わせるうちに渦中に引き込まれ、やがて酒にまみれた4人は過去の瑕や憎しみをさらけ出す。

 

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9
ブラボー。無駄がなく飛躍がなく、演技もよく撮影も良かった。オリジナルが劇作だけにいかにも舞台的、でも舞台には真似できない映画だと感じた。キャストが終始酔ってる映画!E・テイラーの寂しい虚勢が泣かせる。敵を許す夫が訊く「宗旨は?」というさりげない台詞と、ラテン語で教文。。良い脚本!

雑記:
1. 初めて「Fuck」が使われた映画
2. そして初めてRatingが採用(ちなみに18禁)
3. バートン夫妻の4度目の共演
4. アカデミー主演女優賞(E・テイラー)/助演女優賞(S・デニス)/撮影賞(ハスケル・ウェクスラー)
5. 主要キャスト全てがオスカー候補は他に「スルース」(72)のみ

家族ゲーム

海外タイトル:
-
年度:
1983
製作国:
日本
配給:
ATG
監督:
森田芳光
キャスト:
松田優作/伊丹十三/由紀さおり/宮川一朗太/辻田順一/松金よね子/戸川純
ストーリー
一見平凡な日本家庭の沼田家。学歴にこだわる父・孝助と、夢を追えない典型主婦・千賀子。達観して無気力ないじめられっこの中三生・茂之と、諾々とレールに乗る高一生・慎一。茂之の成績を上げるために雇われた家庭教師・吉川は、そんな家庭にズカズカと乗り込み、飄々と茂之を教える。

 

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9
印象的な片側テーブルでの食事や世間を舐めきった茂之君の可笑しさや、パンやドリーの極端に少ないカメラやジェットコースターのオブジェ。さらに平凡と異常をMixさせた退廃的かつ諧謔的なストーリーなど、良いところ満載。分けても松田優作のトボけた達者ぶりがとても光る。良い映画だった。

雑記:
1. 吉本のモデルは古事記の荒神・須佐之男命という説も
2. キネ旬作品賞/監督賞/主演男優賞など、83年度各賞受賞
3. 森田芳光:「の・ようなもの」(81)「ときめきに死す」(84)「(ハル)」(96)「失楽園」(97)
4. 撮影・前田米造はほとんどの伊丹作品

ロゼッタ

原題:
Rosetta (ロゼッタ)
年度:
1999
製作国:
ベルギー/フランス
配給:
ビターズ・エンド
監督:
リュック・ピエール・ダルデンヌ/ジャン・ピエール・ダルデンヌ
キャスト:
エミリー・ドゥケンヌ/アンヌ・イェルノー/ファブリッツィオ・ロンギーヌ
ストーリー
半アル中の母親とキャンプ場のトレーラーで貧しい二人暮しのロゼッタ。失業してからは職探しに追われ、キャンプ場に隠れて川で魚を捕る惨めな生活。知り合ったワッフル屋の青年リケが彼女に世話を焼きたがるが、彼女は職探しに焦り、リケが社長に隠れて自作のワッフルを売ってピンハネしていたことを告げ口する。

 

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5
どこまでもロゼッタに張り付くカメラは迫力がある半面、ちょっと飽きが来る。母親との関係などとても巧く、ラストの惨めさの極致(改めてガスボンベ調達!)で唸るが、全体的な冗長さが気になる。長靴に履き替えるや魚捕りのシーンはもうちょっとストーリーに絡んで欲しかった。好みの問題で評価されるのは十分判ります。

雑記:
1. 99年カンヌ映画祭パルム・ドール&主演女優賞(E・ドゥケンヌ)
2. 監督ダルデンヌ兄弟は「イゴールの約束」(96)

蝶の舌

原題:
Lengua de las mariposas, La (蝶の舌)
年度:
1999
製作国:
スペイン
配給:
アスミック・エース
監督:
ホセ・ルイス・クエルダ
キャスト:
フェルナンド・フェルナン・ゴメス/マヌエル・ロサーノ/ウシア・ブランコ
ストーリー
スペイン内乱勃発直前のガリシア地方。喘息持ちで人見知りな8歳の少年モンチョは初めて登校し、クラスメートにからかわれてしまう。担任のグレゴリオ先生はそんな彼に暖かく接し、モンチョもまた、先生の語る自然の驚異や美に心を奪われる。ところが内戦激化と同時に共和派で無神論者の先生は立場が悪くなる。

 

評価
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8
「普段は隠れていて見えない蝶の舌」によって、無垢な子供が一人傷つく、という切ない映画。子供の無邪気で残酷な善悪二元論が哀しい。余計な部分がなく必要十分な名作だと思う。そして今やユーロの流通するこの国で、わずか70年前に同国人同士でおぞましく争っていたことの意味。

雑記:
1. 99年スペイン・アカデミー(ゴヤ)賞13部門ノミネート
2. スペイン内戦題材の映画:「誰が為に鐘は鳴る」(43)「戦争は終わった」(65:A・レネ)「日曜日には鼠を殺せ」(64:F・ジンネマン)「大地と自由」(95:K・ローチ)など
3. 原作マヌエル・リバス

夢二

海外タイトル:
-
年度:
1991
製作国:
日本
配給:
ムービーギャング
監督:
鈴木清順
キャスト:
沢田研二/毬谷友子/宮崎萬純/広田玲央名/原田芳雄/大楠道代/坂東玉三郎
ストーリー
明治末から大正期の人気美人画家で詩人・竹久夢二をモチーフにしたフィクション。恋人と金沢で駆け落ちする約束をして、独り先に金沢入りした夢二。逗留先の女将から、最近「鬼松」という者が妻と妻の情夫を殺して逃亡中である旨を聞く。夢二もまた、その情夫たる脇屋との過去の決闘の禍根に追われ、悪夢に悩まされていた。

 

評価
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9
夢二のというより監督の、随所随所の芸術的感性が素晴らしい。壁や舟など塗りに塗っている色使いやトボけた台詞まわし。暗い元ネタを夢二の性格さながらに能天気でキッチュな珠品に仕上げた。沢田研二が意外にハマリ役。「アマデウス」をグリーナウェイに作らせた感じ?ともかく他の作品も観てみよう。。

雑記:
1. 撮影:藤沢順一「リボルバー」(88)「マルタイの女」(97)「白痴」(99)「狗神」(01)