May, 2008 のアーカイブ

タップス

原題:
Taps (葬送ラッパ)
年度:
1981
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀Fox
監督:
ハロルド・ベッカー
キャスト:
ジョージ・C・スコット/ティモシー・ハットン/ショーン・ペン/トム・クルーズ/ロニー・コックス
ストーリー
ハンガー・ヒル陸軍幼年学校の卒業式、校長のベイシュ将軍から、一年後の閉校の通達と、学校一丸で閉校に対抗する檄が飛ぶ。やがて将軍が民間人を誤って射殺してしまい、予定が繰り上げられそうになる。将軍を慕う次期指揮官のモアランド少佐は志を共にする少年兵と共に武装して学校に籠り、名誉を賭けて社会に抗う。

 

評価
コメント
8
戦争の愚かしさを軍隊のみに象徴させた反戦寓話。空しい話。ラストの行進デモ隊のシーン再現が、一層それを強調。学校再建の為に名誉と初志を尊ぶ若者側か、常識と世相を語る外部の大人側か、どちらに映画が転ぶのか後半まで判らないのも巧い。「将軍の教育に足りなかったこと」は。。。間違いなくヒューマニティでしょう。

雑記:
1. 撮影前に一月半の陸軍研修を受けるように云われた若者3人だが、T・クルーズだけホテルの質を理由に途中で抜けた
2. ちなみに上記研修場所で撮影(ValleyForgeMilitaryAcademy)
3. 監督H・ベッカー「冷たい月を抱く女」(93)「マーキュリー・ライジング」(98)

コードネームはファルコン

原題:
Falcon and the Snowman, The (「ファルコン」と「スノーマン」)
年度:
1984
製作国:
アメリカ
配給:
-
監督:
ジョン・シュレジンジャー
キャスト:
ティモシー・ハットン/ショーン・ペン/リチャード・ダイサート
ストーリー
実話。元FBIの父のコネで、RTX社に入社した青年クリス。そこは各国からのCIA宛て機密文書を扱う中枢部門。杜撰な情報管理体制を見抜いた彼は、幼なじみの麻薬売人リーと共謀してソ連に情報を売り始める。始めは消極的だった仲介役リー、復学までのつなぎのつもりのクリスも、この法外のビジネスに深入りしてしまう。

 

評価
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8
実話と知れなければ安っぽいストーリーになるところだけど、全米を震撼させたスパイ事件の真相にゾッとする。一介の青年を大胆な衝動に駆り立てた本当にオソマツな情報管理体制(「眠くてFAX宛先間違えた」)がリアル。初めは軽い気持ちであったものが、段々信念を帯びるようになるのが気に入った。S・ペン若いうちから演技派だ。

雑記:
1. 原作ロバート・リンゼイ「スパイ衛星を売れ」
2. 「ファルコン」=CIA 「スノーマン」=売人
3. 監督J・シュレジンジャー「真夜中のカーボーイ」(69)「マラソンマン」(76)「パシフィック・ハイツ」(90)

あの夏、いちばん静かな海。

海外タイトル:
Scene at the Sea, A (米=海での眺め)
年度:
1991
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
北野 武
キャスト:
真木蔵人/大島弘子/河原さぶ/藤原稔三
ストーリー
ゴミ収集の仕事をしている聾唖の青年茂は、折れたサーフボードを拾い、サーフィンを始め、同じく聾唖の恋人と共に毎日海に出かける。やがて、同じ海を共有するサーファー達との交流も深まり、大会に参加するなど経験を積む。ひたむきな恋人や温かい人柄の仲間に囲まれ、茂は幸せな時を過ごす。。

 

評価
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8
言葉の代わりに絶えず流れる波の音と、音楽の余韻が快い。そして編集の巧さか脚本の巧さか、恋人との日常的交流のシーンをラストに据えたことで感動がいや増す。ボード片手に画面を横切る構図が繰り返されるが全ての意味が異なり、ストーリーが引き締まっている。多用されている長回しも効果的。

雑記:
1. 監督/脚本/編集/企画=北野武
2. 音楽=久石譲
3. 大島弘子はこの映画で芸能界引退

48時間

原題:
48 Hrs. (48時間)
年度:
1982
製作国:
アメリカ
配給:
パラマウント
監督:
ウォルター・ヒル
キャスト:
ニック・ノルティ/エディー・マーフィー/アネット・オトゥール/ジェイムズ・レマー
ストーリー
サンフランシスコ。凶悪な犯罪を繰り返す白人とインディアンの脱走囚。同僚が殺された遺恨から彼らを逮捕する任を受けたジャック(N・ノルティ)は、彼らの元強盗仲間で収監中の黒人レジー(E・マーフィー)を48時間の期限付きで仮釈放し、パートナーを組む。立場の違いと人種の確執を超えた名コンビを描く刑事アクション。

 

評価
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5
デコボココンビ型映画の草分けとも言えるくらい、後釜満載のジャンルなのでそれなりに価値があるけど、改めてこの原型を観る意味があるとすれば、E・マーフィーデビューの控えめな姿と、白人バーと黒人クラブに象徴される部分の描き方だと思う。。ただ、無理な展開(いきなり仮釈?)などストーリーの貧弱さが隠せない感じ。

雑記:
1. 凶悪犯ギャンズが部屋で観ているアニメは「ボナンザ」(59)
2. ギャンズがジャックから奪った銃は6弾装填式。しかし8発撃つ。

千と千尋の神隠し

海外タイトル:
Spirited Away (米=神隠し)
年度:
2001
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
宮崎駿
キャスト:
柊瑠美/入野自由/夏木マリ/菅原文太/内藤剛志/沢口靖子/小野武彦
ストーリー
10歳の千尋は、引越して来た郊外の街で、寄り道のつもりで両親と共にあるトンネルをくぐる。そこは人智の及ばないあやかしの街。豚に変えられた両親を助け、元の世界に戻る為に、不思議な少年ハクの助けを借りて八百万の神々をもてなす湯屋で住込みで働き始める。やがてハクが瀕死のケガを負い、千尋は助けようとする。

 

評価
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10
名前と両親と日常を奪われ、それでもひたむきに現状を見据え、力強く勤めと務めを果たす千尋の姿に感涙。勧善懲悪や甘ちょろい世界を描かず、勤労と言語交流を通じた社会のあり様を巧みに表現しつつ「生命力」を見事に謳いあげた。自分の「純真」をワシ掴みにされた気分。魔女姉妹と(特に)カオナシの複雑な性格描写が非凡。

雑記:
1. 湯屋のモデルは目黒雅叙園など
2. 宮崎初の全編デジタル仕上
3. ジブリ初の韓国スタジオ(「人狼」も手がけた)への作画発注
4. ディズニー資本参加で、人間→豚の変身というタブーをどう世界に公開するか注目

ロッキー・ホラー・ショー

原題:
Rocky Horror Picture Show, The (ロッキー・ホラー映画ショウ)
年度:
1975
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀Fox
監督:
ジム・シャーマン
キャスト:
ティム・カリー/スーザン・サランドン/バリー・ボストウィック/リチャード・オブライエン
ストーリー
友人に触発され婚約したブラッドとジャネットの2人が恩師に報告しようと車を走らせる。パンクの為、電話を借りようと門を叩いたそこは、異星人を名乗る連中のパーティーの真っ最中。2人は、城の主であり極度の性倒錯者フランクフルターに捕まってしまい、悪夢のような夜に巻き込まれる。。(とまともに書くのも多少違和感あり)

 

評価
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6
ビックリ!映画作りの常識を覆す意表をつく展開に度肝を抜かれ、更にDVDのRuntimeの数え方にも騙された。小物やセットのこだわりと、歌詞の非凡さが評価したいところだけど、いかんせん逸脱しまくる筋に途中から付いていけない。江頭2:50に見えて仕方なし。まあ一本くらいこの手のカルトがあっても良いけどね。。。

雑記:
1. 20世紀フォックスロゴのファンファーレがピアノ
2. 原作リチャード・オブライエンは、せむし男リフラフ役
3. 冒頭の歌で多くのSF・ホラー映画の内容が歌われる
4. 結婚式の参列者はほとんど後半のパーティーの参加者

惑星ソラリス

原題:
СОЛЯРИС/Solaris (Solyaris=ソラリス)
年度:
1972
製作国:
ソ連
配給:
日本海映画
監督:
アンドレイ・タルコフスキー
キャスト:
ドナータス・バニオニス/ナタリヤ・ボンダルチュク/アナトニー・ソロニーツィン
ストーリー
未来。未知の惑星ソラリスの研究が進んでいた。ソラリス表面の海に「意識」がありそうだということが判り、クリスは軌道上のステーションで既に長年研究を続けている科学者達の元に。そこで死に別れた妻の幻影に苛まされるが、それは海が記憶のイメージを物質化している為だった。以後、狂気と理性がせめぎ合う閉じられた生活。

 

評価
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9
不思議な映画。B級低俗SF映画になり得る際どいテーマなのに長尺が飽きない。「科学の追及は無意味。人間にとって意味があるのは唯一人間」の名句。散りばめられた意味のありそうなモチーフ(ハリーの服、植物、子供など)や、ラストの解釈に悩むので、もう一度観たいかも。パン・インする人物のカメラワークが巧い。

雑記:
1. 未来都市を表すのは東京の首都高速(しかも当時の)
2. カンヌ審査員特別賞
3. 原作スタニスワフ・レム「ソラリスの陽のもとに」
4. タルコフスキーは、全8作。ソ連での創作活動を断念し、イタリアに亡命、パリで客死。

西部戦線異状なし

原題:
All Quiet on the Western Front (西部戦線異状無し)
年度:
1930
製作国:
アメリカ
配給:
東京第一
監督:
ルイス・マイルストン
キャスト:
ルー・エアーズ/ウィリアム・ベイクウェル/ラッセル・グリースン
ストーリー
第一次大戦中のドイツ。学校で愛国心と志願兵の栄誉を叩き込まれ、前線に志願する若者ポールと仲間達。勇猛果敢な姿を想像していたが、前線では常に死と隣り合わせ。食糧難や仲間の死や塹壕での苦渋の生活を体験。休暇で故郷に帰ったポールは、変わらぬ教育と現実の戦線との乖離に心を痛め、そそくさと戦場に戻る。

 

評価
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7
まず製作年代。まだ「第一次」と呼ばれない戦争に対しての明確な反戦映画であることに新鮮なオドロキ。そして嘘か真か、ヒトラー以前のドイツでの強烈なナショナリズム教育。などそれなりに評価したいが、いかんせん「時代を感じさせる」映画。エポックメイキングだけで評価すると不公平なので、退屈なものは退屈、と言っておく。

雑記:
1. アカデミー作品賞/監督賞
2. ラストシーンの蝶を追う手はマイルストン監督のモノ
3. ドイツでの公開時、新興ナチスが妨害工作(映画館にネズミを入れたり)

PLANET OF THE APES/猿の惑星

原題:
Planet of the Apes (猿の惑星)
年度:
2001
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀フォックス
監督:
ティム・バートン
キャスト:
マーク・ウォールバーグ/ティム・ロス/ヘレナ・ボナム・カーター/マイケル・クラーク・ダンカン/ポール・ジャマッティ/エステラ・ウォーレン
ストーリー
2029年。宇宙探索母船で宇宙飛行訓練中のチンパンジーが消息を絶ち、捜索に向かったレオも時空の嵐に遭遇し、不時着したのは猿人が人類を支配している惑星。科学者アリに助けられながら猿人に叛旗を翻し、軍人として人類を統率する。やがてレオは禁断の地で、猿人支配に至った過去の出来事を知ることになる。

 

評価
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5
リ・イマジネーションというけれど、下手な本歌取りならしない方がマシ。嵐→未来という安易な設定、オリジナルの良さだったアングルの省略、スーパーモデルの役どころもイマイチ不明。そして何よりT・バートンらしさがなかった。でもタイトルと設定をパクって、リメイクや続編ではない、というのはある意味新しい?

雑記:
1. セードの死にゆく父はチャールトン・ヘストン。「銃に適う武器はない」とのセリフ(笑)
2. ケイリー・ヒロユキ・タガワは、「パール・ハーバー」「ラスト・エンペラー」など
3. 原作ピエール・ブール(「戦場にかける橋」でいわくつき脚色賞。)

ハバナ

原題:
Havana (ハバナ)
年度:
1990
製作国:
アメリカ
配給:
UIP
監督:
シドニー・ポラック
キャスト:
ロバート・レッドフォード/レナ・オリン/アラン・アーキン/トーマス・ミリアン/リチャード・ファーンズワース
ストーリー
バティスタ独裁に対する革命の気運高まる58年クリスマスのキューバ。一流の米人ギャンブラー・ジャックが年越しの荒稼ぎにハバナ入りする。彼が偶然知り合って恋に落ちたボビーは、反体制側の中心人物の妻だった。ボビーは夫の死後、米CIAを後ろ楯にする反共勢力に命を狙われるが、ジャックは全力で守ろうとする。

 

評価
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5
珍しくカストロ側の人間が主人公なので、革命の意義とか反米っぽい面白い意見を少しは期待したけどイマイチ。となると、革命時のキューバという時代設定と一流ギャンブルというモチーフと異国の恋愛、この3つがうまくリンクせずにそれぞれ浮いてしまった。ただ、革命達成時の熱狂の中の賭博師達にはそれなりの美学が。

雑記:
1. ラウル・ジュリア(「蜘蛛女のキス」)がボビーの夫役でカメオ出演
2. ドミニカの空軍基地にセットを作って撮影
3. キューバ革命はカストロに指導された反帝・反封建の革命。米州初の社会主義政権樹立。