'国:イギリス' のアーカイブ

縞模様のパジャマの少年

原題:
Boy in the Striped Pyjamas, The (ストライプのパジャマの少年)
年度:
2008
製作国:
イギリス/アメリカ
配給:
ディスニー
監督:
マーク・ハーマン
キャスト:
エイサ・バターフィールド/ジャック・スキャンロン/ベラ・ファーミガ/デビッド・シューリス/アンバー・ビーティー
ストーリー
ベルリンのナチス将校の子ブルーノ、8歳。父の強制収容所所長への昇進を機に空襲を避け収容所傍の新居に家族で越す。友人もいない環境で退屈したブルーノは禁止されていた裏庭に入り、皆が何故かお揃いの「パジャマ」を着た「農場」に着く。そこで同い年の少年と出会い友情が生まれる。収容所の意味もユダヤ人の意味も理解していないブルーノに転機が。

 

評価
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9
罪なまでの無垢さ。この救いのなさがフィクション、、、いやまてフィクションじゃないぞと思い泣く。そして少年たちの運命とその家族の複雑な立ち位置に泣くが、次の瞬間には「感情移入ができた彼らだけ」の救いを望んでいた自分に絶望。収容所モノは鑑賞にエネルギーが要るが名作揃い。少年たち名演!

雑記:

  1. ドイツ女性の既婚の標は右手にバンド
  2. 映画内で言及はないが4つの火葬場があることからアウシュビッツ
  3. ロケはブタペスト
  4. ジョン・ボインの同名小説の映画化。世界的ベストセラー。

フォロウィング

海外タイトル:
Following (尾行)
年度:
1998
製作国:
イギリス
配給:
アミューズ
監督:
クリストファー・ノーラン

キャスト:
ジェレミー・セオボルド/アレックス・ハウ/ルーシー・ラッセル/ジョン・ノーラン

ストーリー
孤独な作家志望の男ビルの独白。ある時から街中で無作為な人物の尾行をすることを始めた。再尾行の禁止、という自らに課したルールを破った時、相手の方から話し掛けられた。彼は空き巣を生業で、這入った家の主の人生を想像することが楽しいという。彼に付き、空き巣を始めるビル。ある女性宅に侵入してから、事態が狂い始める。

 
 

評価
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6
時間軸の狂わせ方は「メメント」の原点なのだろうけど、記憶疾患、というような理由付けが本作にはないので単純に違和感。それでもこの手のギミックは、何度観てもまだ新鮮味があり、目が離せない。その脚本・編集術に舌を巻く。残念なのは「メメント」の原点、との評価にしかなり得ないところ。ファン以外には飽きられる恐れ。

雑記:

  1. 主人公を尋問する警官役ジョン・ノーランは、監督の叔父 
  2. 脚本・編集・撮影もC・ノーラン
  3. フィルム・ノワールに多分に影響
  4. 低予算で定職のあるスタッフばかりなので、土曜日のみの撮影。したがって撮影に1年

おいしいコーヒーの真実

原題:
Black Gold (黒い黄金)
年度:
2006
製作国:
イギリス/アメリカ
配給:
アップリンク
監督:
マーク・フランシス/ニック・フランシス
キャスト:
タデッセ・メスケラ他
ストーリー
ドキュメンタリー。全世界で1日20億杯が消費されるというコーヒー。石油に次ぐ巨大な市場を持つ貿易商品でありながら、生産者である農家は価格下落による貧しい生活。エチオピアの農協連合を束ねるタデッセ氏は世界を飛び回り、生産者に対する適切な利益配分と自国農家への補助金を撤廃するよう訴える。

 

評価
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9
一面的な情報の謗りはあるだろうが名作。フェアトレードの基本。一杯のコーヒーが語る真実。世界の仕組み。グローバル資本主義の闇の部分。そりゃそうだ。全ての人が全ての情報にアクセスし参入規制と参入障壁のない社会などあり得ない。補助金に守られた生産国に勝てる訳がない。貿易の勉強を決意。「援助より公正な貿易の場が欲しい」というアフリカ首脳発言が印象的。

雑記:

  1. サンダンスで話題に。日本で上映予定がなかったがアップリンクがこぎつけた。
  2. タデッサ氏に農協の仕組みを教えたのは日本、という情報も。
  3. 製作に3年。
  4. コーヒー農家がやむなく転作する麻薬「チャット」は、禁酒のイスラム世界で需要が高い。多くの先進国では非合法だが日本は規制対象外。

ご存知お笑いテロリスト、今度は新自由主義経済に挑戦!! (The Yes Men Fix the World)

原題:
Yes Men Fix the World, The (イエスメンが世界を正す)
年度:
2009
製作国:
フランス/イギリス/アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
アンディ・ビックルバウム/マイク・ボナーノ/カート・エングフェール
キャスト:
アンディ・ビックルバウム/マイク・ボナーノ他

シリーズ:
1/2

ストーリー
実在の団体を装い偽情報を発表するなどして物議を醸す2人組「YES MEN」が、今回は「自由主義経済信奉」を相手に世界で暴れまわる。「史上最大の産業事故」であるインド・ボーパールのガス爆発事故の賠償未払問題を糾弾すべくダウ・ケミカル社の幹部に成りすまし勝手に巨額の賠償を発表。その他エクソンやカトリーナ復興支援企業の強欲をユニーク手法で突き上げる。

 

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6
ぶっちゃけ食傷気味であり二番煎じ感も否めないけど、彼らの行動力には相変わらず脱帽。フリードマン流の新自由主義イコール強欲な企業の量産、という単純図式もある程度致し方ないか。内容か編集かどちらかに物足りなさを感じるのは自分が純粋じゃない証か?M・ムーアにも言えるけれど、統制経済の負の側面を描写しなければ不公平と思う。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. 劇中の「サバイバボール」でイーストリバーに未許可で浮いていたが警察が阻止
  3. その後も、米商工会議所、カナダ環境大臣などに成りすました(コペンハーゲンのCOP15で勝手に削減目標発表)

Dr.パルナサスの鏡

原題:
Imaginarium of Doctor Parnassus, The (パルナサス博士の幻想館)
年度:
2009
製作国:
イギリス/カナダ
配給:
ショウゲート
監督:
テリー・ギリアム
キャスト:
ヒース・レジャー/クリストファー・プラマー/ジョニー・デップ/ジュード・ロウ/コリン・ファレル/リリー・コール/アンドリュー・ガーフィールド/バーン・トロイヤー/トム・ウェイツ
ストーリー
現代のロンドン。「パルナサス博士」率いる移動式見世物小屋の一座。安っぽい大道芸と思いきや、パルナサス氏はかつての悪魔との契約で1000年生きている奇術師。舞台の鏡に入った者は自らの欲望の幻想世界を観ることに。博士の娘ヴァレンティナが16歳になれば悪魔と新しい契約をすることになってるが、そんなとき額に不思議なマークのある青年トニーが一座に加わり・・・。

 

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8
ギリアムさん遊び過ぎでっせ。楽しい映画。どう収拾つけるのが心配なほど散らかってた要素が綺麗に収束。選択に悩み過ちを繰り返すのが人生でありつまり苦行なのだよと。T・ウェイツ似合い過ぎ。そして幻想世界はもっとキモくできたと思うな。H・レジャーには良い遺作になったね。J・デップ前面の宣伝は仕方ないのかなあ。

雑記:

  1. トニー役H・レジャーが撮影半ばで急死。鏡の中の役を3人(デップ、ロー、ファレル)が引継ぎ映画が完成。3人はギャラ全額をレジャーの遺児に寄贈。
  2. エンドクレジット終了後におまけサウンド。
  3. 「バロン」(88)以来、T・ギリアムが脚本担当。ついでにいくつか作曲も(着メロ含む)。
  4. H・レジャーが女性たちを誘う即興文句は半分くらい本当に即興。
  5. 橋の下の首吊り自殺に使われた橋で、後に全く同じやり方でイタリアの銀行員が自殺。

戦場のピアニスト

原題:
Pianist, The (ピアニスト)
年度:
2002
製作国:
フランス/ドイツ/ポーランド/イギリス
配給:
アミューズピクチャーズ
監督:
ロマン・ポランスキー
キャスト:
エイドリアン・ブロディ/トーマス・クレッチマン/フランク・フィンレイ
ストーリー
実体験の回想録を基にした話。1939年のワルシャワ。ナチスドイツの攻撃を受けたラジオ放送局で演奏中だったユダヤ人ピアニストのウワディク・シュピルマンは一家とともにゲットーへの移住を強制される。毎日が生きるか死ぬかの過酷な暮らし。ポーランド人のなかにもナチスへの協力者が現れるなかシュピルマン一家は離散の危機に。

 

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9
ポランスキーの魂が乗った名作。切なくて感動的。収容所ではなく「よりリアルに根ざした」無意味な虐待と虐殺。A・ブロディの素晴らしい演技。生きることと食べることをひたすら動物的に追求する描写のはずなのに、どんなピアニストの映画よりも芸術感あふれる後半の力強さはどうだ。せっかく弾切れ→わざわざ弾込めてズドン、キャラメル6等分、缶があるのに開かない、などの演出ひとつひとつが丁寧でしつこくない。人に勧めたい映画。

雑記:

  1. R・ポランスキー監督も両親が収容所。自身も幼少期はナチス占領下のポーランド。
  2. カンヌ・パルムドール、ボストン映画批評家賞、アカデミー3部門。
  3. A・ブロディは6週間にわたるダイエットで14kg落とした。
  4. クラコフでロケ地を探していたとき、R・ポランスキー一家をかつて助けた男性に偶然会った
  5. A・ブロディは欠乏感を味わうため、アパートを引き払い、車を売り、テレビを観なかった
  6. 仏セザール賞も受賞。一言もフランス語が話されない映画で初。
  7. オープニングには一切クレジット無し。

ツォツィ

原題:
Tsotsi (ツォツィ:「悪漢」)
年度:
2005
製作国:
イギリス/南アフリカ
配給:
日活/インターフィルム
監督:
ギャビン・フッド
キャスト:
モツスィ・マッハーノ/ゼンゾ・ンゴーベ/ZOLA/ジェリー・モフケン/プレスリー・チュエニヤハエ/テリー・ペート/ケネス・ンコースィ
ストーリー
南アフリカ・ヨハネスブルクのスラム。窃盗や強盗を繰り返すグループを率いるツォツィ(「悪漢」)。本当の名前は捨て、バクチに明け暮れる。ある日仲間と諍って飛び出した勢いで裕福な家から車を盗み出し街から逃げようとするが、車の中に生後数ヶ月の赤ん坊が乗っていた。仕方なく周りに隠しながら育て始める。ツォツィは命の尊さに触れ、次第に人間らしさを取り戻す。

 

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8
切ない話。遠景の高層ビルの手前にだだっ広く広がるスラム街の光景、そのときの空のなんと美しいことか。原作はアパルトヘイトの悲惨さを訴えているようだが、映画も充分考えさせられた。HIVの誤解、命の軽重、咎なき格差。拳銃で脅しながら「乳をやれ」という暴力と優しさの不器用さ。南アフリカの映画を他にも見てみよう。人生の糧になりそうだ。

雑記:

  1. アカデミー外国語映画賞。その他各国で受賞多数
  2. 別のエンディングがDVDに収録。
  3. 原作はアソル・フガード。ただし設定は1960年代でアパルトヘイト色が強い。
  4. 日本ではR-15だが、ティーン向け試写の為日活はレーティング変更を要請。映倫は拒否。
  5. 言語は南部ソト語、アフリカーンス語、ズールー語など。南アフリカ特有の「ツォツィタール」という混声言語も。

スラムドッグ$ミリオネア

原題:
Slumdog Millionaire (スラムの野良犬の億万長者)
年度:
2008
製作国:
イギリス
配給:
ギャガ
監督:
ダニー・ボイル
キャスト:
デブ・パテル/フリーダ・ピント/マドゥル・ミッタル/アニル・カプール/イルファン・カーン
ストーリー
4択クイズに順次答えて賞金を吊り上げる生放送のTVクイズ番組で、ムンバイのスラム出身で無学のジャマールが1000万ルピーまで到達。最後の1問を翌日に残したところで不正を疑われて逮捕される。警察にジャマールが語るスラム上がりの過酷な半生。運命に翻弄され家を追われたジャマール兄弟は、ある日富豪のママンに拾われる。

 

評価
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8
伏線の使い方が秀逸。良質な演出の「型」を持つD・ボイルらしさが今回も光る。ストーリーは単純だけど、映像と編集のセンスがさすがです。ボンベイからムンバイへの変質を少年から青年へのしたたかな成長譚と重ね、(西欧人と違って)ミリオネアになりたくて出演してるわけじゃない、というチクリとしたメッセージも面白いね。みのを頭から追い払うのに苦労したw

雑記:

  1. 原作はインドの外交官ビカス・スワラップの「ぼくと1ルピーの神様」
  2. 音楽はA.R.ラフマーン「ムトゥ踊るマハラジャ」
  3.  

  4. ベンツがロゴを写さないように要望。スラムによるイメージダウンを気にして。
  5. D・ボイル監督とプロダクションは子役の3人が16才まで教育を受けられるよう基金と運転手を用意
  6. 冒頭、子どもたちが警察から逃げて屋根から飛び降りるシーンは自身の「トレインスポッティング」にも。
  7. 直DVDになる可能性もあった。
  8. 米アカデミー、ゴールデングローブ、英国アカデミーで作品・監督・脚本の3賞を受賞したのは「シンドラー」以来。
  9. 主要シーンをデジタルで撮影してアカデミー撮影賞を受賞した最初の作品

ノー・マンズ・ランド

原題:
No Man’s Land (中立地帯)
年度:
2001
製作国:
フランス/イタリア/ベルギー/イギリス/スロヴェニア
配給:
ビターズ・エンド
監督:
ダニス・タノヴィッチ
キャスト:
ブランコ・ジュリッチ/レネ・ビトラヤツ/フィリプ・ショヴァゴヴィッチ/カトリン・カートリッジ/サイモン・カロウ
ストーリー
セルビア軍とボスニア軍が対峙する前線。夜中に道に迷ったボスニア軍兵士が攻撃を受け、チキだけが生き残り中間地帯の塹壕に取り残される。仲間のボスニア兵の身体の下に仕掛けられた地雷のそばで、セルビア兵ニノと相対。地雷のボスニア兵は生きており、身体を動かすと大爆発する状態。二人は思案して、それぞれ助けを求める。

 

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10
名作!どこかトボけた雰囲気なのに、凡百の反戦映画を吹っ飛ばすメッセージが凄い。国連軍同士が互いの言語に戸惑うのを尻目に、敵同士が共通言語で意思疎通という皮肉。国連を初めとする傍観者=国際社会への失望感がにじみ出ていて悲しい。こんな不条理なのに、極端な寓意性がなく、ある意味リアルなのが恐ろしい。

雑記:

  1. 脚本・音楽もD・タノヴィッチ
  2. アカデミー最優秀外国語映画賞/カンヌ脚本賞 そのた各国賞
  3. D・タノヴィッチはボスニア生まれ(32歳)。戦地映像を中心に
  4. 有事法制審議と絡めて、民主党議員が議員たち向け鑑賞会を企画した

グレイズ・アナトミー

原題:
Gray’s Anatomy (グレイ流解剖学)
年度:
1996
製作国:
アメリカ/イギリス
配給:
ザジフィルムズ
監督:
スティーヴン・ソダーバーグ
キャスト:
スポルディング・グレイ
ストーリー
「目」と「見えること」だけを全編にわたってクローズアップした異色映画。多くの人が目にまつわる痛々しいトラブルをカメラの前で語り、グレイは自らの「変視症」にまつわる体験談を延々と語る。ある日左眼に違和感を感じたグレイは色々な医者をたらい廻された挙句、先住民サウナ療法や生野菜療法やフィリピンの心霊療法などを試す。

 

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6
グレイの流暢過ぎる語りは、まるで落語かイッセー尾形か、と云う感じ。喋りに合わせて演出や効果を付けるのはさぞ大変だっただろう。微妙な言語的ニュアンスを捉えられず、笑うべきところで笑えないのが残念。それにしてもインディーズ極まれリで、この題材を映画にしてしまう着想が新鮮。彼ももうこの手の映画は作れないんだろう。。

雑記:

  1. S・グレイは「WASPのウディ・アレン」の異名をもつモノローグ・アーティスト
  2. 各国の映画祭で上映
  3. S・グレイ&S・ソダーバーグ監督は「わが街 セントルイス」(93)でもコンビ