'国:フランス' のアーカイブ

アーサーとミニモイの不思議な国

原題:
Arthur et les Minimoys (アーサーとミニモイたち)
年度:
2006
製作国:
フランス
配給:
アスミック・エース
監督:
リュック・ベッソン
キャスト:
フレディ・ハイモア/ミア・ファロー/ペニー・バルフォー/ダグ・ランド/マドンナ/デビッド・ボウイ/スヌープ・ドッグ/ロバート・デ・ニーロ
ストーリー
10歳の少年アーサーは冒険好きのおじいちゃんに憧れて日々空想や発明に明け暮れる。家が借金取りに取られそうになることがわかり、アーサーはおじいちゃんがどこかに隠したはずのルビーの宝物を探そうと、不思議な小人妖精ミニモイ族たちの世界に入る。ミニモイの王女セレニアらと協力して王国をのっとろうとする悪玉マルタザールを打倒する旅に出る。

 

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5
あまりにもお子様設定でやや困惑したけどそういうものかな。映像は斬新でキャラたちも表情豊かで魅力的。よく作りこまれてるし設定が「自宅の庭」で収まるあたり工夫もあって面白いけどどうしても物足りなさは強烈に残る。L・ベッソンの童心をそのまま描いたんだろうな。もうちょい設定を深めれば楽しいシリーズになるのかも。

雑記:

  1. L・ベッソン監督いわく、「最後の監督作品」
  2. 人間のミニモイは手指5本。元々のミニモイは4本。
  3. 剣を抜く話は言うまでもなくアーサー王のエクスカリバーのオマージュ。
  4. アーサーとセレニアのキスや性的言動等をカットしたより「健全な」バージョンもある
  5. エンドクレジットにL・ベッソン監督もミニモイ化して登場

ゴダールの決別

原題:
Hélas pour moi (嗚呼、わが悲しみよ)
年度:
1993
製作国:
フランス/スイス
配給:
コムストック
監督:
ジャン・リュック・ゴダール

キャスト:
ジェラール・ドパルデュー/ロランス・マスリア/ベルナール・ヴェルレー/ジャン・ルイ・ロカ

ストーリー
ある夫婦を主人公とした物語で、神の降臨がテーマ。神と肉体関係を持ったその人妻の告白や、周辺の人々が彼ら夫婦の所在を説明、それと、彼らを物語の劇中人物として動向を追う語り部役の語りが入る。全篇に哲学的・神学的な引用がセリフとキャプションによって散りばめられる。静止した人物が動き出すなど、実験的手法多々。

 
 

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6
邪道を承知で巻き戻しつつ鑑賞。時間軸が掴みづらい上に、「映画言語の限界か」などと、メタ的セリフが入ったりと、彼の文法を受け入れないとキツい。そのクセ飽きるわけでも腹が立つ訳でもないけど。それにしても、あのペダンチックな「文章の数々」(映画なのに!)を逐一説明してくれる弁士さんが欲しい、と思いつつ再見を誓う。

雑記:

  1. ギリシア神話をモチーフにしたジャン・ジドローの戯曲「アンフィトリオン」に着想を得た。その中で人妻と関係を持つゼウス神が登場
  2. カンヌ映画祭審査員グランプリ
  3. 「神」の潰れた声色はマイクをのどぼとけにつけて発声したゴダール自身

冒険者たち

原題:
Aventuriers, Les (冒険者たち)
年度:
1967
製作国:
フランス
配給:
大映
監督:
ロベール・アンリコ
キャスト:
アラン・ドロン/リノ・ヴァンチュラ/ジョアンナ・シムカス/セルジュ・レジアニ
ストーリー
パリの近くに工房を構え、複葉機のアクロバット飛行で飛び廻るマヌーとレーシングカーの新型エンジンの開発に没頭するローラン。そんな自由人2人の前に現れた前衛芸術家レティシア。3人はコンゴの海底に眠る宝を探しにアフリカへ。それぞれの夢と微妙な恋愛感情の交錯。宝を狙う別の一味が彼らを追う。

 

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8
青春映画の金字塔という評価も納得。自由と夢。挫折と栄光。恋愛。空と海。スピード、富。それらがごちゃごちゃしてる青春の蒼さ。序盤中盤終盤のメリハリと哀切に満ちた音楽が良い効果。要塞島の強烈な印象。A・ドロンに目が行ってL・ヴァンチュラと三角関係になってることに気づかなかった(失礼)。

雑記:

  1. ジョゼ・ジョヴァンニの同名小説の映画化。
  2. テーマ曲はフランソワ・ド・ルーベ
  3. 要塞島はフランスのTV局が買い上げてクイズ番組の舞台に。
  4. J・シムカスはシドニー・ポワチエと結婚して引退。
  5. 「グランブルー」のエンゾの水葬シーンはオマージュ

隔絶北朝鮮の秘密のベール取り払う (Kimjongilia)

原題:
Kimjongilia (キムジョンイルファ)
年度:
2009
製作国:
アメリカ/フランス/韓国
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
N・C・ハイキン
キャスト:
カン・チョイファン/イ・シン他
ストーリー
ドキュメンタリー。北朝鮮脱走者(脱北者)の証言を集めた同国の実態。国の至る所に強制収容所。指導者の悪口は三代にわたって収容所行き。そこでのタダ働きは経済の基盤を成すほど。過酷な生活に耐えかね脱北を試みる者多数。韓国行きは壁が厚い。首尾よく中国に侵入できても見つかれば強制送還、銃殺刑。その恐怖。

 

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10
かなり良質なドキュメンタリー。かの国の生々しく過酷な現状。拉致など屁でもないんだろうな。ただ、恐怖政治に洗脳された北朝鮮国民を弄び国際政治の道具とする中国は何なのかと思う。挟まれる舞踏映像とタイトルのポップさと、この内容が示すどす黒さの対照が据わりの悪い皮肉となって印象に残る。日本の表現者にこれが創れない理由はなんだろう。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. サンダンスでワールドプレミア
  3. ハイケン監督の初ドキュメンタリー
  4. 金正日花(キムジョンイルファ)は、日本の植物学者・加茂元照氏がキムジョンイルの46歳の誕生日を祝って贈呈。ベゴニアをベース。

ご存知お笑いテロリスト、今度は新自由主義経済に挑戦!! (The Yes Men Fix the World)

原題:
Yes Men Fix the World, The (イエスメンが世界を正す)
年度:
2009
製作国:
フランス/イギリス/アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
アンディ・ビックルバウム/マイク・ボナーノ/カート・エングフェール
キャスト:
アンディ・ビックルバウム/マイク・ボナーノ他

シリーズ:
1/2

ストーリー
実在の団体を装い偽情報を発表するなどして物議を醸す2人組「YES MEN」が、今回は「自由主義経済信奉」を相手に世界で暴れまわる。「史上最大の産業事故」であるインド・ボーパールのガス爆発事故の賠償未払問題を糾弾すべくダウ・ケミカル社の幹部に成りすまし勝手に巨額の賠償を発表。その他エクソンやカトリーナ復興支援企業の強欲をユニーク手法で突き上げる。

 

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6
ぶっちゃけ食傷気味であり二番煎じ感も否めないけど、彼らの行動力には相変わらず脱帽。フリードマン流の新自由主義イコール強欲な企業の量産、という単純図式もある程度致し方ないか。内容か編集かどちらかに物足りなさを感じるのは自分が純粋じゃない証か?M・ムーアにも言えるけれど、統制経済の負の側面を描写しなければ不公平と思う。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. 劇中の「サバイバボール」でイーストリバーに未許可で浮いていたが警察が阻止
  3. その後も、米商工会議所、カナダ環境大臣などに成りすました(コペンハーゲンのCOP15で勝手に削減目標発表)

みなさん、さようなら

原題:
Invasions barbares, Les (蛮族侵入)
年度:
2003
製作国:
カナダ/フランス
配給:
コムストック
監督:
ドゥニ・アルカン
キャスト:
レミ・ジラール/ステファン・ルソー/マリー・ジョゼ・クローズ/ドロテ・ベリマン/ピエール・キュルジ/イヴ・ジャック/ルイーズ・ポルタル
ストーリー
ロンドンでせわしく働く証券ディーラーのセバスチャンは、モントリオールの母からの電話で急遽しぶしぶ帰省。父レミの病状が悪化したというのだ。女グセが悪く母に迷惑をかけてきた父を軽蔑していたセバスチャンだが父が末期ガンで余命僅かだと知ると、父の望む最期を演出しようとする。病室を改造しかつての友人を呼び、、、。

 

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8
軽妙洒脱というのだろうか。一人の男の静かな死をそばに置きながらゆっくりと進む展開が良い。随所に出る監督(?)の歴史認識の会話が旧き良き左派の栄光を見るようで良かった。資本主義の結実のようなスワップ取引が理解できない社会主義者の父の姿、そしてそれが「滅びる」というモチーフなど、さりげなく仕込まれてる。

雑記:

  1. アカデミー外国語映画賞。
  2. D・アルカン監督は「アメリカ帝国の滅亡」(86)。本作はその続編的位置づけ。続編の上記賞受賞は初。
  3. 脚本執筆中に911テロ。「蛮族侵入」のテーマなので差し挟む。
  4. 病院の労働組合の組合員にD・アルカン監督がカメオ。上着背中には「Directeur」(監督)
  5. セザールの「最優秀フランス語映画賞」。カナダ映画の同賞受賞は初。

戦場のピアニスト

原題:
Pianist, The (ピアニスト)
年度:
2002
製作国:
フランス/ドイツ/ポーランド/イギリス
配給:
アミューズピクチャーズ
監督:
ロマン・ポランスキー
キャスト:
エイドリアン・ブロディ/トーマス・クレッチマン/フランク・フィンレイ
ストーリー
実体験の回想録を基にした話。1939年のワルシャワ。ナチスドイツの攻撃を受けたラジオ放送局で演奏中だったユダヤ人ピアニストのウワディク・シュピルマンは一家とともにゲットーへの移住を強制される。毎日が生きるか死ぬかの過酷な暮らし。ポーランド人のなかにもナチスへの協力者が現れるなかシュピルマン一家は離散の危機に。

 

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9
ポランスキーの魂が乗った名作。切なくて感動的。収容所ではなく「よりリアルに根ざした」無意味な虐待と虐殺。A・ブロディの素晴らしい演技。生きることと食べることをひたすら動物的に追求する描写のはずなのに、どんなピアニストの映画よりも芸術感あふれる後半の力強さはどうだ。せっかく弾切れ→わざわざ弾込めてズドン、キャラメル6等分、缶があるのに開かない、などの演出ひとつひとつが丁寧でしつこくない。人に勧めたい映画。

雑記:

  1. R・ポランスキー監督も両親が収容所。自身も幼少期はナチス占領下のポーランド。
  2. カンヌ・パルムドール、ボストン映画批評家賞、アカデミー3部門。
  3. A・ブロディは6週間にわたるダイエットで14kg落とした。
  4. クラコフでロケ地を探していたとき、R・ポランスキー一家をかつて助けた男性に偶然会った
  5. A・ブロディは欠乏感を味わうため、アパートを引き払い、車を売り、テレビを観なかった
  6. 仏セザール賞も受賞。一言もフランス語が話されない映画で初。
  7. オープニングには一切クレジット無し。

中国女

原題:
Chinoise, La (中国人女性)
年度:
1967
製作国:
フランス
配給:
フィルム・アート
監督:
ジャン・リュック・ゴダール
キャスト:
アンヌ・ヴィアゼムスキー/ジャン・ピエール・レオー/ジュリエット・ベルト/フランシス・ジャンソン
ストーリー
60年代後半。親たちがバカンスで留守にしている間、急進的なマルクス主義者の学生たちが曜日ごとにテーマを決めて革命のあり方についての議論を戦わせ、社会主義演劇などに没頭する。ベロニカらは、中国の文化革命を理想とし、反体制・反修正主義の立場で革命を実践しようとする。やがて理想との混同だと指弾する者が現れる。

 

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8
60年代の映画だと信じられない予見性!まさにここで皮肉られている通りに、(今から思うと)青臭い学生運動の暴走と凋落があった。とりわけマルキシストの学生が、先生から(ノーカットで)「君たちの革命実践の手法は間違っている!」と窘められるシーンは出色。色使い(特にアカ)や編集テクニック(毛の音楽含む)も実に先鋭的。

雑記:

  1. ベロニカを電車で窘めるフランシス・ジャンソンは、アルジェ人民解放を支援した本人。ベロニカ役A・ヴィアゼムスキーも彼の教え子
  2. この映画あたりから、ゴダールの左傾が際立ち、ジガ・ベルトフ集団結成
  3. 直後、A・ヴィアゼムスキーとゴダールが結婚(1年で離婚)

チェ/28歳の革命

原題:
Che: Part One (チェ: その1)
年度:
2008
製作国:
スペイン/フランス/アメリカ
配給:
ギャガ/日活
監督:
スティーブン・ソダーバーグ
キャスト:
ベニチオ・デル・トロ、デミアン・ビチル、サンティアゴ・カブレラ、エルビラ・ミンゲス、カタリーナ・サンディノ・モレノ、ロドリゴ・サントロ、ジュリア・オーモンド

シリーズ:
1/2

ストーリー
2部作の1作目。アルゼンチン生まれでキューバ革命を成功させたエルネスト・チェ・ゲバラの革命家半生を描く。南米の貧困を目に立ち上がったチェは、キューバに上陸。わずか80数名の同志たちと打倒キューバ政府を期してゲリラ戦を仕掛ける。やがて祖国革命に燃える闘志フィデル・カストロと出会い、彼と行動を共に。同国第2の都市サンタクララ攻略に向かう。

 

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7
さすがの愛と情熱の志士チェという感じ。演じるデルトロはやはり圧巻。アメリカ「帝国主義」を痛烈に批判する国連演説は改めて意義深い。挿入されるジャーナリストのインタビューの異言語でのやり取りがまた、少し皮肉っぽくて良い。「39歳」を先に観たせいかと思っていたが、「28歳」もやはり前提知識が求められてしまう。バティスタ独裁、を知らないと革命の意義も分からんよね。

雑記:

  1. 2008年はチェ生誕80年、2009年はキューバ革命政権成立50周年
  2. チェがキャノン砲で兵舎を破壊するシーンは、1発外して2発目で成功するシーンのつもりが照明ミスで1発に変更。
  3. 処刑される直前、「お前は今から一人の男を殺すのだ。臆病者よ、良く狙え」と言ったことは有名。
  4. ソートゥス役のJ・ガルシアは、「ロストシティ」(05)ではチェ役。

ノー・マンズ・ランド

原題:
No Man’s Land (中立地帯)
年度:
2001
製作国:
フランス/イタリア/ベルギー/イギリス/スロヴェニア
配給:
ビターズ・エンド
監督:
ダニス・タノヴィッチ
キャスト:
ブランコ・ジュリッチ/レネ・ビトラヤツ/フィリプ・ショヴァゴヴィッチ/カトリン・カートリッジ/サイモン・カロウ
ストーリー
セルビア軍とボスニア軍が対峙する前線。夜中に道に迷ったボスニア軍兵士が攻撃を受け、チキだけが生き残り中間地帯の塹壕に取り残される。仲間のボスニア兵の身体の下に仕掛けられた地雷のそばで、セルビア兵ニノと相対。地雷のボスニア兵は生きており、身体を動かすと大爆発する状態。二人は思案して、それぞれ助けを求める。

 

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10
名作!どこかトボけた雰囲気なのに、凡百の反戦映画を吹っ飛ばすメッセージが凄い。国連軍同士が互いの言語に戸惑うのを尻目に、敵同士が共通言語で意思疎通という皮肉。国連を初めとする傍観者=国際社会への失望感がにじみ出ていて悲しい。こんな不条理なのに、極端な寓意性がなく、ある意味リアルなのが恐ろしい。

雑記:

  1. 脚本・音楽もD・タノヴィッチ
  2. アカデミー最優秀外国語映画賞/カンヌ脚本賞 そのた各国賞
  3. D・タノヴィッチはボスニア生まれ(32歳)。戦地映像を中心に
  4. 有事法制審議と絡めて、民主党議員が議員たち向け鑑賞会を企画した