スクール・オブ・ロック

原題:
School of Rock, The (「スクール・オブ・ロック(ロックの学校)」)
年度:
2003
製作国:
アメリカ
配給:
UIP
監督:
リチャード・リンクレイター
キャスト:
ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、マイク・ホワイト
ストーリー
落ちこぼれロッカーのデューイはバンドもクビになり家賃も払えず失意。同居してる臨時教師ネッド宛ての臨時教師の電話を受けネッドに成りすまし一流私立小学校に乗り込む。子供たちに反骨精神たる「ロック魂」を教え込みバンド大会の出場を目指す。気難しい校長や親たちには隠れて着々と子供たちの実力は上がっていく・・・。

 

評価
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7
普通に楽しめた。ストーリー自体はよくある「はみ出し教師が最初荒くれるがやがて生徒の、そして最後はみんなの心をつかむ」系の定番だけど、J・ブラックの思い切り演技と子供たちのリアルな巧さが飽きさせない。「ロック」と「体制」の永遠の対立は最近おとなしいね。それが時代なのかもしれない、とどちらかと言えば秩序重視派の一人として思いました。

雑記:

  1. 子供たちは実際のバンドメンバー。従って実際に演奏。
  2. ネッド役M・ホワイトは脚本も。J・ブラックの友人で彼を想定して脚本を書いた。
  3. 学校の親たちは全員ボルボに乗っている。
  4. 当初はミュージカル映画のつもりだった。

選挙

海外タイトル:
Campaign (国際=選挙運動)
年度:
2006
製作国:
日本
配給:
アステア
監督:
想田和弘

キャスト:
山内和彦/山内さゆり/小泉純一郎/川口順子

ストーリー
神奈川県川崎市の市議補選に立候補した男性に密着したドキュメンタリー。2005年に小泉郵政選挙で国政に大うねりが起こった直後の川崎市議補選。コイン商を経営していた山内和彦は自民党の公募面接に合格。政治のシロウトが選挙運動に奮闘することに。後援会や党上層らとの慣れぬやりとり。妻をも巻き込んでのドブ板。。

 
 

評価
コメント
6
政策よりとにかく名前の連呼。「妻」ではなく「家内」と呼べ、地元の運動会や祭りにも参加して住民目線をアピール。「何をしても何もしなくても怒られる」。。日本のドブ板選挙の「異常性」が際立ち、それが明らかな製作意図だけど(つまりハナから海外向け)、それを異常だと切り捨てることはしたくない。山内氏の人の良さが政治の世界の一筋の光明と観たい。

雑記:

  1. ベオグラード・ドキュメンタリー映画祭グランプリ。その他ベルリン含む各国映画祭招待作品。
  2. 監督は山内氏と東大の入学年次が同じ友人。
  3. 2007年の任期満了で退任。出馬せず。

20世紀少年 第2章/最後の希望

海外タイトル:
20th Century Boys: Chapter Two – The Last Hope (国際=20センチュリー・ボーイズ: 第2章-最後の希望)
年度:
2009
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
堤幸彦

キャスト:
豊川悦司/常盤貴子/平愛梨/香川照之/ユースケ・サンタマリア/藤木直人/石塚英彦/宇梶剛士/小日向文世/佐々木蔵之介/森山未來/古田新太/小池栄子/木南晴夏/ARATA/前田健/荒木宏文/六平直政/佐藤二朗/片瀬那奈

シリーズ:
1/2/3

ストーリー
浦沢直樹の人気漫画のアニメ映画化第2章。「血のおおみそか」事件を機に世界の頂点に登りつめ崇められる「ともだち」。事件の首謀者とされた遠藤ケンジは行方をくらませたが、その姪カンナは高校生に成長し、ともだちの欺瞞を暴きたい。一方かつての幼馴染のオッチョ、ユキジ、ヨシツネたちは、発見された「しんよげんの書」の実現を阻もうとする。

 
 

評価
コメント
4
「原作といかにそっくりか」を楽しむ以外の楽しみ方ができなかった。原作を知らないで鑑賞すれば、恐らく宗教への偏見に満ちた駄作、と斬っていたと思う。ローマ法王までもがともだちの死を悼むなど荒唐無稽以外の何者でもないと思ってしまった。とは言え、エンタテイメント作品としては愉しめる。金もそれなりにかけていて飽きさせない。でも、それだけ。

雑記:

  1. TV放送時には映画版になかったシーン(新たに撮影)がある。
  2. サダキヨ(ユースケ・サンタマリア)は本作のみ出演。

パララックス・ビュー

原題:
Parallax View, The (パララックス視点)
年度:
1974
製作国:
アメリカ
配給:
CIC
監督:
アラン・J・パクラ
キャスト:
ウォーレン・ビーティ/ウィリアム・ダニエルズ/ヒューム・クローニン/ステイシー・キーチ・Sr
ストーリー
次期大統領選での当選が目されていた候補が暗殺され、犯人とされた男も転落死。事件調査の結果、完全な単独犯と「断定」される。ところが事件の関係者が次々と変死。「反社会派」とされる新聞記者ジョーは独自に調査を進めると、背後には巨大なテロ組織の存在が見えてきた。。。

 

評価
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7
W・ビーティはこの手の役が似合う。入会テストの「だんだん意味がずれていく映像の奔流」の薄気味悪さ。何も語らない演出。陰謀組織がないなんてふざけるなと言わんばかりのパクラ監督の政治的こだわり。タイトルも暗示的でメッセージ性が高い。そして、引きと寄りを巧みに使い分けるカメラ。「大統領の陰謀」と区別できないのが難点。

雑記:

  1. 冒頭のパレードシーンは、ロバート・ケネディ暗殺事件のコピー
  2. 「コールガール」(71)、「大統領の陰謀」(76)と合わせパクラ監督のスリラー三部作
  3. 冒頭の「独立記念日」パレードは7月のシアトルだが、木々に葉がないのは不自然。

コララインとボタンの魔女 3D

原題:
Coraline (コラライン)
年度:
2009
製作国:
アメリカ
配給:
ギャガ
監督:
ヘンリー・セリック

キャスト:
ダコタ・ファニング/テリー・ハッチャー/ジェニファー・ソーンダース/ドーン・フレンチ/キース・デビッド

ストーリー
3Dストップモーションアニメ。両親と古い屋敷に引っ越してきたばかりの少女コラライン。近所の人たちは風変わりな人たちばかり。両親は忙しくて構ってくれない。不満を抱えたコララインは偶然「別世界」への隠しドアを発見。理想的な両親がいて奇妙な世界。好奇心旺盛なコララインは大満足。ただ気がかりなのはそちらの世界ではみんな眼にボタンを嵌めている・・。

 
 

評価
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7
ほんわかとした「飛び出す絵本」。一通り世界観をつかめばあとは何も考えず映像を愉しめる。豊かな表情の人物が魅力的なのと音楽が個人的にお気に入り。3Dの必然はあまり感じなかったけど、独特な世界観と漂う雰囲気は嫌いじゃない。造形も結構好き。ただ、一番気合が入ってて良かったシーンは冒頭で人形を紡ぐところでは?

雑記:

  1. ニール・ゲイマンのベストセラー児童文学。ヒューゴー賞受賞。
  2. H・セリック監督は、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の監督。
  3. 1:40という上映時間は、2010年2月時点でストップモーションとしては最長。
  4. 初の全編3Dストップモーション。
  5. 冒頭の引越し業者に渡されるチップの1ドル札。肖像はH・セリック監督。
  6. 2年間の準備(プリプロ)を経て18ヶ月撮影。
  7. 「コラライン」という名前は相当珍しいはずだが、クレジットにひとりだけ「コラライン・タシー」というスタッフがいる。

600万のクリップを集めた田舎の中学校が起こした奇跡 (Paper Clips)

原題:
Paper Clips (ペーパー・クリップ)
年度:
2004
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
エリオット・バーリン/ジョー・ファブ
キャスト:
トム・ボスリー/リンダ・フーパー/サンドラ・ロバーツ他
ストーリー
ドキュメンタリー。米テネシー州ウィットウェルは、人口わずか1600人の典型的南部の白人の町。異人種は身近にはいない。この地の中学校長の発案でホロコーストの教育が始まった。殺されたユダヤ人は600万人。どうもその数にピンと来ない。では彼らの無言の抵抗の象徴だったクリップを600万個集めてみよう。全米、全世界がそれを知り、やがて多くのクリップが集まる。

 

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6
幾分抹香臭いけど、地域が一体となって取り組む様子は良いし、だからこそ生存者たちの生の言葉は胸を打つ。クリップ集めに奔走する前半のほうが良かった。制作者の立ち位置が知りたかった。共同募金に声を嗄らす中学生の怖さ、あるいは世論が急に熱狂する怖さと同種の空気を感じないでもない。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. 最終的に届いたクリップは3000万個を超えた。
  3. 40マイル先には1925年に進化論を教えた先生の裁判があった町。100マイル先にはKKKの根拠地。
  4. クリップを送った著名人:G・W・ブッシュ、ビル・クリントン、ビル・コズビー、スティーブン・スピルバーグ、トム・ボスレー、トム・ハンクスなど

運命じゃない人

海外タイトル:
Stranger of Mine, A (国際=見知らぬ人)
2004
製作国:
日本
配給:
PFFパートナーズ
監督:
内田けんじ
キャスト:
中村靖日/霧島れいか/山中聡/山下規介/板谷由夏
ストーリー
恋人に逃げられたばかりの宮田は、友人の探偵・神田に突然呼び出されるが大した用事ではない。神田がその場で声をかけた女性・マキは、婚約者と別れ家もなく消沈していたところだった。2人は宮田のマンションに泊まることになるが、そこへ荷物を取りに来た元恋人あゆみが現れ事態はややこしくなる。

 

評価
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8
単なる安い恋愛モノかと思いながら観ていたが意外な展開にびっくり。複数視点の複数時間軸はパルプフィクションみたいで好き。脚本にヒネリが効いていて「鋭いな」と思わせる。中村靖日氏の容姿を生かした素朴な演技がステキ。人間の「表の顔」と「裏の顔」は、普段は判らないが神視点なら可能!もう一回観たい。

雑記:

  1. PFFスカラシップ
  2. カンヌ映画祭批評家週間正式出品。フランス作家協会賞など4賞受賞。
  3. 内田監督長編デビュー作

クラッシュ

原題:
Crash (衝突)
年度:
2005
製作国:
アメリカ
配給:
ムービーアイ
監督:
ポール・ハギス
キャスト:
サンドラ・ブロック/ドン・チードル/マット・ディロン/ブレンダン・フレイザー/テレンス・ハワード/クリス・“リュダクリス”・ブリッジス/タンディ・ニュートン
ストーリー
ロサンジェルス。黒人刑事が急行したのはある交通事故現場。この事故に至るまでの出来事の群像。ペルシャ人の雑貨経営者は銃器店での差別に憤慨。白人が少数の黒人を恐れているという思想を持つ黒人青年。強盗に車を奪われたという醜聞を隠そうとする検事。人種差別主義者の警官。彼らの人生が微妙に交錯し、思惑は衝突。

 

評価
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6
「微妙にズレる」「気持ちが通じない」「本音が届かない」などの繊細な心象風景をうまくまとめたなあ。美辞麗句の仮面の底に差別が潜むサマとかの描き方がうまい。他方、少し鼻白む演出もあり(盗んだ車に密入国者満載)、問題提起を投げかけるだけなのが気になるけど、映画の文法表現としてはとても良いと思った。

雑記:

  1. アカデミー作品賞、監督賞、助演男優賞(M・ディロン)。「ロッキー」(78)以来の作品賞作品が3部門のみ。
  2. P・ハギス監督は「ミリオンダラー・ベイビー」の脚本
  3. P・ハギス監督自身がカージャックに襲われ、映画の着想を得た。
  4. S・ブロックらが演じた夫婦らの家は監督自身の家。車も。予算が600万ドルしかなかったため。

GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊

海外タイトル:
Ghost in the Shell (国際=甲殻の幽霊)
年度:
1995
製作国:
日本
配給:
講談社/バンダイビジュアル/MANGA ENTERTAINMENT
監督:
押井守

キャスト:
田中敦子/大塚明夫/山寺宏一/玄田哲章/仲野裕/大木民夫

シリーズ:
1/2

ストーリー
2029年。サイボーグ化された人類とネット上の仮想世界が発達した近未来の日本。構成員がほとんど部分的にサイボーグである公安9課は、国際手配中のハッカー電脳体「人形使い」を拘束。しかし何故か外務省の特殊部隊に奪われる。率いる草薙素子は取り戻そうと猛追跡。

 
 

評価
コメント
8
うん。評判どおり深い。そしてアニメーション技術の素晴らしさに目を見張るし内容の奥行きは再見に耐える。こうなると「エヴァ」や「ガンダム」や海外アニメ等との比較や順番や影響などが気になるし、そういう位置づけで楽しむアニメ。世界観の独特さは固定ファンがっちり。日本のコンテンツ産業底上げの原点にふさわしいね。

雑記:

  1. 原作は士郎正宗の同名コミック。ただし押井監督演出による多くの相違点。
  2. キャラクターデザイン&作画監督は沖浦啓之。後の「人狼 JIN-ROH」(00)
  3. 一部をCGでリニューアルした「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊2.0」(08)がある
  4. 日本のアニメ映画としては初めて日米英同時公開
  5. 素子はまばたきせず

親愛なるザカリーへ (Dear Zachary: A Letter to a Son About His Father)

原題:
Dear Zachary: A Letter to a Son About His Father (親愛なるザカリーへ:息子に宛てた父についての手紙)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
配給:
ソニー・ミュージックエンタテインメント
監督:
カート・キューン
キャスト:
アンドリュー・バグビー他
ストーリー
ドキュメンタリー。彼を知る誰しもが異口同音に「良いヤツ」「愛すべき男」と語るアンドリュー。そんな純朴な青年が殺された。幼馴染であり親友のカートは、彼の死後生まれたザカリー向けに、見ぬ父である生前のアンドリューを知ってもらうビデオを作り始めた。彼の死に関わったと思われる元恋人でありザカリーの母親シャーリーはカナダの司法制度に守られる。

 

評価
コメント
9
これは良質ドキュメンタリー。あまりの結末に衝撃を受けた。途中から映画の目的を見失う訳だが、だからこそ前半インタビュー部分の登場者たちの本音度が明らかに。そして、「殺人容疑者が保釈」という理解に苦しむ制度の存在を知った。「先進国」にもいろいろ考え方がある。編集は独特だけど巧いと思った。

雑記:

  1. 日本未公開
  2. カート(監督)は、全ての収益を「アンドリュー基金」に。