17歳

原題:
Brujas (魔女たち)
年度:
1996
製作国:
スペイン
監督:
アルファロ・フェルナンデ・アルメロ
キャスト:
ペネロペ・クルス/アナ・アルバレス/ベアトレス・カバジャル/アレックス・アングロ
ストーリー
想い人と結ばれることを夢見て家を飛び出した17歳のパトリシア。家賃が払えずアパートを追い出された20代のソル。夫と大げんかの末にカネを持って家を飛び出した中年のビルヘニア。3人の女性が偶然出会い、いがみ合いながらも絆を深めていく。3世代の女が抱えるそれぞれの悩み。

 

評価
コメント
4
つまらない訳ではないけど公開年考えると陳腐さが隠せない。P・クルスの未成熟な演技は愛嬌だし良い味出しているけど、「泥棒に泥棒」や「大写しのスクリーン」や「泥まみれ」等、全体的な演出にレトロ感。せっかくの3世代も生かされていないような。

雑記:

  1. P・クルスとA・アルバレスは、スペインで大ヒットしたアレハンドロ・アメナーバル監督デビュー作「テシス」の役を断って本作に出演。

セックス依存症の私

原題:
Diario de una ninfómana (セックス中毒者の日記)
年度:
2008
製作国:
スペイン
監督:
クリスティアン・モリーナ
キャスト:
ベレン・ファブラ/レオナルド・スバラグリア/ジュム・バレラ/ジェラルディン・チャップリン/アンヘラ・モリーナ
ストーリー
キャリアウーマンのバレリアは、セックスの快楽に憑かれ愛なき男性遍歴を重ねる。そんな自分の症状に悩む。そんな折、不況により職を失い就職活動中に知り合った会社社長ハイメと初めての激しい恋に落ちる。裕福で幸福な同棲生活が始まり安らぎを得るが、やがてハイメの異常な嫉妬深さが際立ってくる。

 

評価
コメント
6
考えさせられるテーマなだけに一つの症例ゆえの悩みを掘り下げて欲しかった。過度な展開に走りがちな脚本(DV、娼婦、不能者etc)にやや鼻白む。でも、この本能の営みに正面から斬り込み、これまた正統派の「人生とは」をぶつけるあたりは勇気があり、演者の激しそうに見えて実は奥ゆかしい演技とともに評価。

雑記:

  1. 娼館に務めた経験を持つヴァレリー・タッソーが原作。脚本は「ハモン・ハモン」(1992)のクーカ・カナルス。
  2. 娼館の主クリスティーナはアンヘラ・モリーナ(「欲望のあいまいな対象」(1977)etc)。同姓だが監督との姻戚関係は無い。
  3. 冒頭に映される手書きの日記には「vivir」(生きる)が何度も。

プラダを着た悪魔

原題:
Devil Wears Prada, The (悪魔がプラダを着た)
年度:
2006
製作国:
アメリカ
監督:
デヴィッド・フランケル
キャスト:
メリル・ストリープ/アン・ハサウェイ/エミリー・ブラント/スタンリー・トゥッチ/エイドリアン・グレニアー/サイモン・ベイカー
ストーリー
ジャーナリストを目指すアンドレアは、ほんの腰掛け程度のつもりで一流ファッション誌「ランウェイ」の編集長アシスタントとして働くことに。ファッションにとことん疎い彼女はカリスマ編集長ミランダの威光も全然知らない。ミランダの理不尽かつ殺人的な要望をこなすうち、彼氏や友人と溝ができはじめる。

 

評価
コメント
6
肩の凝らない軽めな成長物語。だけど、結果を出せないリスクヘッジとしての愚痴とか「他人ではなく自分の決断」あたりはお仕事の「根幹」なわけで、ニヤけながら観賞(多分)。主役2女優のフォトジェニックな華々しさも良いけど、同僚E・ブラントの素直な演技に好感。セルリアンブルーの薀蓄には感心しちゃいました。

雑記:

  1. 「ハリー・ポッター7作目の原稿」の小道具はネットオークションで586ドルで販売。ハンディキャップ女性の就労支援をするNPOに寄付された。
  2. アンディーを雇う「ニューヨーク・ミラー」紙は1898年まで存在した実在の新聞社。エドガー・アラン・ポーの初稿を出版していたことで有名。
  3. スターバックス店員役をM・ストリープの娘が演じていたが、編集段階でカットされた。
  4. ミランダが離婚のことを吐露するシーンのノーメイクはM・ストリープ自身のアイデア。
  5. ミランダの双子の娘の登場シーンは僅かだが、100組以上がオーディションされた。
  6. 服飾提供に多くのファッションデザイナーが参加。その為、「最も高価なコスチューム」の映画の一つに。
  7. 映画PRで衣装担当が来日。これは稀。

マチェーテ

原題:
Machete (マチェーテ)
年度:
2010
製作国:
アメリカ
監督:
ロバート・ロドリゲス/イーサン・マニキス
キャスト:
ダニー・トレホ/スティーブン・セガール/ロバート・デ・ニーロ/ジェシカ・アルバ/ジェフ・フェイヒー/ドン・ジョンソン/ミシェル・ロドリゲス/リンジー・ローハン
ストーリー
メキシコの麻薬捜査官マチェーテは周囲が止めるのも聞かずに麻薬王トーレスの本拠地へ。そこで罠にハマり妻と娘を惨殺される。国境を渡りテキサスに逃亡した彼は不法侵入者として肉体労働に身をやつす。そんな彼に、不法移民根絶に燃える上院議員暗殺を持ちかけるブースという男が現れる。

 

評価
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5
分かってますこういう映画って。ビール片手にアホやな~って言いながら何も考えずにB級を楽しむ映画だって。グロもエロもOKなのですがどうも苦手な部類かも。跳ねるクルマすげー。ちょっぴり政治臭を紛れ込ませるあたり興行映画の源流はこちらでしょ、とタランティーノが高笑いしてそうw いやその通りでございます。

雑記:

  1. 元々はQ・タランティーノ&R・ロドリゲス「グラインドハウス」(07)の為に製作したニセ予告編。それを膨らませてしまったのが本作。
  2. ハンガリー人ボディーガード役のニムロッド・アーントルは、プレデターシリーズ3作目「プレデターズ」(2010)のハンガリー人監督。D・トレホも出演。
  3. 「プレデターズ」は本作とほぼ同時期に撮影。元々R・ロドリゲスが監督する予定。
  4. ジェシカ・アルバは契約上ヌードNG。ヌードシーンはデジタル処理。
  5. S・セガールがタイマンで負けるのは初めて。
  6. D・ジョンソンが「introducing」枠でクレジットw。

レイチェルの結婚

原題:
Rachel Getting Married (結婚するレイチェル)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
監督:
ジョナサン・デミ
キャスト:
アン・ハサウェイ/ローズマリー・デウィット/ビル・アーウィン/トゥンデ・アデビンペ/マーサー・ジッケル/アンナ・ディーヴァー・スミス/アニサ・ジョージ/ロビン・ヒッチコック/シスター・キャロル・イースト/デブラ・ウィンガー
ストーリー
薬物中毒患者のキムは姉レイチェルの結婚式の為に更生施設を退院。既に10年も入退院を繰り返している。家族や友人たちは2日後に迫ったレイチェルの結婚式の準備で大わらわ。歓迎されるべきキムの帰宅のはずだが、腫れ物扱いされる側とする側、その間に横たわる言葉にならない不協和音が次第に露わに。

 

評価
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10
痛い痛い痛い。ホームドラマ「っぽい」演出であることは十分理解しているが、「親しい人たち」が見せる欺瞞と虚構の数々に胸が絞られ、そのあまりの「日常」に心が掴まれる。眼をしっかと見開いてその現実を見つつも、そこに絆や愛を躍動させるのが我々人間という純朴な演技者なのだ。A・ハサウェイ心の底から見直しました。

雑記:

  1. 脚本ジェニー・ルメットは、巨匠シドニー・ルメットの娘。脚本自体は5本目だが、映画になるのは初。
  2. 食洗機の「競争」シーンは、シドニー・ルメットとボブ・フォッシーが関わった実在のできごと。
  3. 本作の音楽は、全てスクリーン上の演奏者による。
  4. イーサンの写真はA・ハサウェイの実弟。

プロヴァンスの贈りもの

原題:
Good Year, A (当たり年)
年度:
2006
製作国:
アメリカ
監督:
リドリー・スコット
キャスト:
ラッセル・クロウ/マリオン・コティヤール/アルバート・フィニー/フレディ・ハイモア/アビー・コーニッシュ/トム・ホランダー/ディディエ・ブルドン
ストーリー
少年時代にヘンリーおじさん所有の南仏のワイナリーで夏を過ごすことが楽しみだったマックス。成人した彼はロンドンの金融街でトレーダーとしてのし上がり、豪腕で名を馳せていた。そこへ届いたのがヘンリーの訃報。遺産相続手続きの為に懐かしいシャトーを訪れるが、彼の関心は売却益のみ。ところが、思い出の地での体験が彼を徐々に変えていく。

 

評価
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6
リドリー・スコットがこんな叙情的なラブコメを描くとは。プロヴァンスの一面のぶどう園のように伸び伸び撮った感が良く現れている。ワイン映画だけど、通にも半可通にも中途半端な内容になってしまったのは仕方ない。ハリウッド監督がフランス映画風に撮るとこうなるのかも。R・クロウは意外と似合ってた。

雑記:

  1. 原作ピーター・メイルは、R・スコット監督の友人。スコット監督自身がプロヴァンスにワイン園を所有。
  2. デュフローの犬「タチ」は、勿論、ジャック・タチから。バウムの巨大なスクリーンにもタチ作品が多く登場。
  3. プロヴァンス地方観光局のウェブサイトで紹介されていた。

イカとクジラ

原題:
Squid and the Whale, The (イカとクジラ)
年度:
2005
製作国:
アメリカ
監督:
ノア・バームバック
キャスト:
ジェフ・ダニエルズ/ローラ・リニー/ジェシー・アイゼンバーグ/オーウェン・クライン/アンナ・パキン/ウィリアム・ボールドウィン
ストーリー
1986年ニューヨーク。落ち目の作家バーナードと作家デビューを控えたジョーンの夫婦の間には16歳のウォルトと12歳のフランクの2人の息子。不和が続いた夫婦の溝は修復不可能となり、離婚を選択。多感な兄弟は同じ町の2つの家を交互に行き来することになる。息子たちは身勝手にも思える泥臭い両親を見て、それぞれのやり方で人生を学ぶ。

 

評価
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8
すっきりと観られる佳作。生涯一度きりの本気に賭けた「私小説」的な作品もたまには良い。ディテール含めてバームバック監督のこだわりが随所に見られ、心から共感したキャストとクルーが懸命に制作した。その本気度がとても清々しい。NYが舞台なのにテーマとノリが北欧っぽいのも良い。

雑記:

  1. バーナードが断られるエージェントは「ICM」。J・ダニエルズとL・リニーも所属する実在のエージェント。
  2. 教師と生徒役のJ・ダニエルズとA・パキンは「グース」では親子。
  3. 脚本も兼ねたバームバック監督は、当初プロデューサーのウェス・アンダーソン(「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」「ダージリン急行」等)に監督を依頼したが、バームバックの個人的経験に基づいていることから彼自身に監督を薦めた。

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

原題:
Charlie Wilson’s War (チャーリー・ウィルソンの戦争)
年度:
2007
製作国:
アメリカ
監督:
マイク・ニコルズ
キャスト:
トム・ハンクス/ジュリア・ロバーツ/フィリップ・シーモア・ホフマン/エイミー・アダムス/シリ・アップルビー/エミリー・ブラント
ストーリー
実話ベース。1979年ソ連軍アフガニスタン軍事介入。共産圏の拡大を防ぎたいアメリカは議会の抵抗もあり実質的な対抗策が打てずにいた。テキサス州選出下院議員チャールズ(チャーリー)・ウィルソンは武装ゲリラ勢力ムジャヒディンに対する支援に動き、CIAや軍を動かし莫大な裏予算を獲得する。

 

評価
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7
トムハンクスさすが。後にビンラディンを生むことになるの軍事支援に奮闘する英雄譚、という視座が痛い。しかもそれを明示せず「今に分かる」と繰り返すのみ。原作の脚本化が色濃く出ているのか、実話とは思えぬ戯画調が気になるが、内幕なんてこんなもの、という意味かも。

雑記:

  1. 原作はジョージ・クライルの同名ノンフィクション。
  2. スティンガー銃の模型の爆発でスタッフが重症。
  3. チャーリーがプレゼントされた実際のスティンガー銃は自宅で大事に保管されている。
  4. チャーリーの美人アシスタントたちは「チャーリーズ・エンジェル」と呼ばれた。クレジットにもそう表示。
  5. ガスに「将来のことを考えろ」とアドバイスを受けた後、聴こえる飛行機の音は、当然、9・11テロの暗示。

ユナイテッド93

原題:
United 93 (ユナイテッド93便)
年度:
2006
製作国:
アメリカ
監督:
ポール・グリーングラス
キャスト:
ベッキー・ロンドン/シェエン・ジャクソン/チップ・ジエン/クロー・シェーン
ストーリー
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件。ハイジャックされた4機のうち唯一目的地に到達せず、ペンシルヴァニア州に墜落したユナイテッド93便。ハイジャック機内の乗客たちの絶望と奮闘を描く。前代未聞の事態に大混乱に陥る航空管制当局や軍。

 

評価
コメント
9
この緊迫感は相当なもの。テープレコーダーと関係者の証言から起こした再現ドラマという割引は考慮する必要はあるが、突然巻き込まれた惨事に対する人間の困惑と勇気の描写に感動。情報の錯綜ぶりも余すことなく伝え時系列を合わせる手腕は見事。ひとつの記録映画として素晴らしい。

雑記:

  1. 実際の米軍航空司令室も使われている。
  2. 犠牲になった乗員乗客40名(テロリスト4名を除く)の遺族たちが積極協力。着ていた服装や聴いていた音楽、機内に持ち込んだキャンディの種類に至るまで。
  3. 管制官等の相当名は本人が演じている。
  4. テロリストを演じた俳優たちと乗客を演じた俳優たちは、撮影中、別々のホテルに泊り、別々に食事した。本当の恐怖を演じて欲しい意図。
  5. テロリストのリーダー、ジアド・ジャラを演じたイラク出身のハリド・アブダラは、ニューヨークでのプレミア試写会の為のビザが下りなかった。かつてイラク軍に所属していた過去があるため。
  6. 作中で乗客の名前はほとんど明かされないが、これは英雄を描きたいわけではない製作者の意図。
  7. エンドクレジットの最後:「本作はユナイテッド・エアラインズ社からの資金援助は受けておらず、同社とはいかなる形でも関係しておりません。」

パラノイドパーク

原題:
Paranoid Park (パラノイア公園)
年度:
2007
製作国:
アメリカ/フランス
監督:
ガス・ヴァン・サント
キャスト:
ゲイブ・ネヴァンス/テイラー・モンセン/ジェイク・ミラー/ダン・リュー/ローレン・マッキーニー/スコット・グリーン
ストーリー
ポートランド。高校生アレックスはスケボー三昧。友人ジャレッドと共に地元のスケーター達が集う「パラノイドパーク」を訪れる。私費で設営されたその「公園」は、違法で治安も悪いがアレックスはそのカッコ良さに羨望の眼。ある日、常連スケーターの誘いで貨物列車への飛び乗りを体験した彼はある事件に巻き込まれる。

 

評価
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9
バラバラにした時間軸、技巧的な映像の奔流、エンタメ色など映画に不要と言わんばかりの映像芸術。最近のヴァン・サント氏の王道かな。岩井俊二も嫌いじゃないけど彼も好き。スピードがズレる音声や唐突な音楽も含め、揺れる少年の心情表現をカメラで追及した時、本作はひとつの答えだろうな。確かに自分も世界をこのように思いこのように観ていた、とさえ思う。

雑記:

  1. 撮影監督はクリストファー・ドイル。
  2. 弟がアレックスに聞かせる「ナポレオン~」の話は「バス男」(Napoleon Dynamite/2004)。MTVムービーアワードを受賞したヒット作。

聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実

海外タイトル:
Isoroku Yamamoto, the Commander-in-Chief of the Combined Fleet (連合艦隊司令長官・山本五十六)
年度:
2011
製作国:
日本
監督:
成島出
キャスト:
役所広司/玉木宏/柄本明/柳葉敏郎/阿部寛/吉田栄作/椎名桔平/益岡徹/袴田吉彦/五十嵐隼士/坂東三津五郎/原田美枝子/瀬戸朝香/田中麗奈/中村育二/伊武雅刀/香川照之
ストーリー
1941年12月の真珠湾攻撃による日米開戦当時の帝国海軍連合艦隊司令長官・山本五十六を描く。支那事変の戦況は膠着し、世論と新聞記者は国威発揚と景気浮揚の為の日独伊三国同盟を熱望。アメリカを敵に回す同盟締結に強烈に反対する山本らだが、やがて同盟は締結される。後戻りのできない情勢のなか、起死回生の真珠湾攻撃作戦がまとまる。

 

評価
コメント
7
乃木希典の如くに英雄と戦犯双方の視点で語られる一人。世論や勢いに流されず国際情勢を冷静に俯瞰する先見性。情に厚く義を尽くし、孤高に主張し責任を果たす稀代の戦略家。そればかりか「日本一の厭戦家」として描かれる。いくらなんでも眉唾だ正直。ただ、役所さん始め俳優陣の貫禄、そして新聞記事を含む数々の考証が良い。

雑記:

  1. 長男の山本義正氏の制作協力。
  2. コミカライズ版がグランドジャンプで連載。
  3. まんじゅうに砂糖、干し柿、乾燥芋、、。山本は甘党だった。
  4. 成島監督と役所広司の監督・主演コンビは、「油断大敵」(2003)以来7年ぶり。

フローズン・リバー

原題:
Frozen River (凍った河)
年度:
2008
製作国:
アメリカ
監督:
コートニー・ハント
キャスト:
メリッサ・レオ/ミスティ・アップハム/チャーリー・マクダーモット/マイケル・オキーフ/ジェームズ・ライリー
ストーリー
ニューヨーク州最北端の町メシーナ。ギャンブル狂の夫に新居購入費用を持ち逃げされたレイは、自分の少ない稼ぎで息子2人を抱える現状に悩む。夫を探していると、見知らぬモホークの女性が夫の車を運転している。州法も届かぬこのモホーク保留地で、レイとモホーク女性ライラは、背に腹変えられぬ各々の事情により、共犯体制を組む。

 

評価
コメント
8
大都市に囲まれた地域に留め置かれた「アメリカのトラウマ=保留地」の描かれ方を興味深く鑑賞。人種を超えて共通した、理性の及ばぬ大胆かつ深い母性を濃く表現。中年女性の締まらない身体を強調し、カネに揺れる醜さも描く。貧困、そして女性というものを味わい深く描いた佳作。

雑記:

  1. 兄弟役のC・マクダーモットとJ・ライリーは、実のいとこ。
  2. サンダンス映画祭グランプリ。その他各賞受賞。
  3. ネイティブ・アメリカン保留地はアメリカ中にあるが、北部ニューヨーク州の6部族の保留地は「イロコイ連邦」という独立国家連合を形成している。

奴らを高く吊るせ!

原題:
Hang ‘Em High (奴らを高く吊るせ)
年度:
1968
製作国:
アメリカ
監督:
テッド・ポスト
キャスト:
クリント・イーストウッド、インガー・スティーブンス、エド・ベグリー、デニス・ホッパー、ブルース・ダーン
ストーリー
9人の無法者に囲まれ牛泥棒の嫌疑をかけられた元保安官クーパー。私刑の末、樹に首吊られる。奇跡的に一命を取り留めた彼は、判事の勧めで保安官に復職し、9人への復讐に向かう。保安官と司法官の数が極端に少ないこのオクラホマ準州では法執行にも恣意が入り込む。

 

評価
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6
凱旋イーストウッドを堪能するのは勿論だけど、当時のオクラホマが置かれた状況を考えると実はマカロニほど浅くない。自己は自己で守り、ならず者も鍛冶屋や牧場主だったりする。判事の言う「州になるまでは私が法だ」は実にアメリカ的な発想で良い。西部劇を(日本の時代劇のように)現代と切り離さず、むしろ現代に連なる価値観が具現化されてると見ると面白い。

雑記:

  1. 撮影中にプロデューサーのレナード・フリーマンとT・ポスト監督にいざこざがあった。
  2. 村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」に本作鑑賞シーンあり。
  3. イーストウッドの生涯の師になるセルジオ・レオーネが本作を監督するアイデアもあったが、ちょうど「ウエスタン」(68)と重なり断念。
  4. イーストウッドが同年に設立しているマルパソ・カンパニーの初プロデュース作品。

マネーボール

原題:
Moneyball (マネーボール)
年度:
2011
製作国:
アメリカ
監督:
ベネット・ミラー
キャスト:
ブラッド・ピット/ジョナ・ヒル/ロビン・ライト/フィリップ・シーモア・ホフマン/クリス・プラット/ケリス・ドーシー/キャスリン・モリス
ストーリー
メジャーリーグ球団オークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンの半生を描く。勝ちに見離され、有力選手も次々とチームを去る。資金力がないチームを引っ張り上げるにはライバルと同じやり方ではダメ。データ分析理論に敏いアシスタントのピートを引き入れ、経済的に勝つ。ビーンの眼に光る冷徹な確信。

 

評価
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9
期待以上。ブラピ氏の強烈な存在感が映画を貫く。およそ語り尽くされた感のあるスポーツ(それも野球)モノ、しかも弱小チームの成長という「直球勝負」。これほどのドラマが描けるとは。電話のトレード交渉はスリルすらある。放出を言い渡される各々の反応も良い。実写フッテージの使い方が光る。

雑記:

  1. スティーヴン・ソダーバーグ監督で開始。ソダーバーグが脚本と違うプロットを撮影するなどしてプロダクション側に反対され、監督降板。B・ミラー監督が起用された。
  2. ビーンのアシスタント、ピート・ブランドはポール・デポデスタがモデル。はじめ実名だったが自身の描かれ方に異を唱え役名が変えられた。
  3. ビーンの元妻の現パートナー役を演じているのはスパイク・ジョーンズ(「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」等の監督)。
  4. ライバルに移籍したひとりデイヴィッド・ジャスティスを演じたスティーヴン・ビショップは実際の元メジャーリーガー。
  5. 2002年当時のアスレチックス選手で映画公開時に現役だったのはマーク・エリスのみ。

エビータ

原題:
Evita (エビータ)
年度:
1996
製作国:
アメリカ
配給:
UIP
監督:
アラン・パーカー
キャスト:
マドンナ/アントニオ・バンデラス/ジョナサン・プライス/ジミー・ネイル/ビクトリア・サス
ストーリー
20世紀前半のアルゼンチンで国民から絶大な支持を得たペロン大統領夫人エバ(愛称エビータ)。その短い生涯を描いたウェバーのミュージカルを映画化。田舎の私生児に生まれ、貧しい暮らし。タンゴ歌手の愛人となり憧れのブエノスアイレスへ。そこで女優としてキャリアを積み、やがて運命の人ペロン大佐に出会う。

 

評価
コメント
9
マドンナが最高に輝く名作。伸びやかな歌唱の聴かせぶりは当然としても、聖俗併せたキメ細かい演技、そしてそれを引き出したパーカー監督の演出の妙。バルコニーで民衆を揺さぶる演説はミュージカル映画史に残る。狂言回しバンデラスの野太い(そして想像以上に巧い)歌声には痺れる。

雑記:

  1. 脚色・音楽がアンドリュー・ロイド・ウェバー。
  2. 脚本はA・パーカー監督とオリヴァー・ストーン。当初はストーンが監督予定だったが、アルゼンチン政権側とのトラブルもあり実現せず。
  3. アルゼンチンでは一部で猛反発。チェが暴くエビータの秘めた野心の描写が受け入れられないとして。
  4. 一方、撮影はエビータ本人が演説したカサ・ロサダでの撮影に成功。
  5. アカデミー歌曲賞(You Must Love Me)。オリジナルのミュージカルにはない曲。
  6. マドンナは主役を得るためにパーカー監督に長い手紙。
  7. マドンナが着用したコスチュームの多さでギネス受賞。85回の衣装替え。帽子39。靴45。イアリング56。
  8. マドンナの「地のセリフ」はたった140語。A・バンデラスはなんと6語(!)。残りはすべて歌。
  9. CM撮影中のエバの演技の下手さに頭を抱える監督役はA・パーカー監督自身(笑)。

中国の植物学者の娘たち

原題:
Filles du Botaniste, Les (植物学者の娘たち)
年度:
2005
製作国:
カナダ/フランス
配給:
アステア
監督:
ダイ・シージエ (戴思杰)
キャスト:
ミレーヌ・ジャンパノワ/リー・シャオラン/リン・トンフー/ワン・ウェイトン/グエン・ニュー・クイン
ストーリー
孤児院の少女リー・ミンは、昆林の湖に浮かぶ孤島の植物園を管理するチェンに植物学を師事するため園を訪う。保守的な価値観を固辞するチェンはミンに厳しくあたるが、その娘アンは何かと気にかける。母を既に亡くしているアンもまた、この厳格な父のもとで孤独だった。ミンとアンはやがて互いに強く惹かれ合う。

 

評価
コメント
8
極端に牧歌的(墨画的か)でエキゾチックな美しい叙情にこだわったのは正解か。主演2名の美しさと相まって高い芸術度。自由の制約を様々なメタファーで表現し(共産国家、時代、父権、湖、籠の鳥、食虫植物、「チベット」等)、中国からフランスに飛び出した監督のメッセージ性が露わ。狂おしい悲恋の佳作。

雑記:

  1. ダイ・シージエ監督は中国生まれでフランスで活躍。フランス語で著した小説で文学賞受賞。
  2. 舞台である「昆林」という地名は架空。1976年唐山地震は史実。
  3. 雲南省を思わせる美しい風景だが、撮影はベトナム。中国では撮影許可が降りなかった。
  4. M・ジャンパノワは父が中国人、母がフランス人。中国語は解さない。L・シャオランは英語も仏語も解さない。

ボルベール <帰郷>

原題:
Volver (回帰)
年度:
2006
製作国:
スペイン
配給:
ギャガ
監督:
ペドロ・アルモドバル
キャスト:
ペネロペ・クルス/カルメン・マウラ/ヨアンナ・コバ/ブランカ・ポルティージョ/ロラ・ドゥエニャス
ストーリー
つましい暮らしのライムンダ。夫と多感な娘を抱え多忙な毎日。3年前に焼死した母の墓参りを兼ね、姉ソーレと娘を連れ帰郷。痴呆が進む伯母パウラはライムンダとの同居を頑なに拒む。ライムンダは心配。近所の友人アグスティナに当面の世話を頼み後ろ髪を引かれる思いで帰宅。事件はその翌日に起こる。

 

評価
コメント
9
冒頭クレジットの墓ドリーからやられっ放し。主人公と観客を裏切る小気味良い脚本。冴えわたる色彩感覚(女性4人の上着の色とか!血でさえも)。女性賛美というより男性嫌悪としたほうが適切と思われる(笑)ほどの徹底ぶり。「たくましさとしての母性」に加え、「あそうそう過去大変だった思い出した」とでも言いそうな高度な順応には勇気をもらえる気がした。

雑記:

  1. 主演女優6人がカンヌ主演女優賞。脚本賞も。/li>
  2. 舞台のラマンチャ地方は監督が出身。
  3. ライムンダは下半身(尻など)だけ付け肉。P・クルスはスタイルが良すぎたのでそうした。
  4. アルモドバル監督の「私の秘密の花」(95)の主役レオが書く本の内容が、本作の重要な展開に酷似。

それでもボクはやってない

海外タイトル:
I Just Didn’t Do It (国際=僕はやってない)
年度:
2007
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
周防義和
キャスト:
加瀬亮/瀬戸朝香/山本耕史/もたいまさこ/役所広司
ストーリー
フリーターの徹平。面接に向かう満員電車で女子中学生に痴漢に間違われ駅事務所へ。警察に留置。取り調べにも一貫して否認を続け、示談の提案も頑なに乗らない。やがて徹平の主張に耳を傾ける弁護士や冤罪被害者仲間も現れるが、ついに起訴される。日本の異常な起訴後有罪率の高さに挑む。

 

評価
コメント
8
他人の人生を覗き見る裁判は本能に訴えるエンタメ要素がある。裁判・冤罪モノが高確率で面白いのもそれが理由。本作のプロットの焦点は冤罪そのものではなく、冤罪を生み出すシステムとプロセス。それは観る前に予想できたが、「被告人が裁判官を裁く」という発想は斬新。この古くて新しい問題への最善の解答を得た国家はあるのか。

雑記:

  1. 周防監督が2002年の実際の逆転無罪判決をきっかけに意欲的に取材。
  2. 冒頭「「十人の真犯人を逃すとも一人の無辜を罰するなかれ」は「疑わしきは被告人の利益に」とともに刑事裁判の原則。
  3. ラスト「どうか私をあなたたち自身が裁いてほしいと思うやり方で、裁いてください」アメリカの黒人人権運動家アフェニ・シェカーが自らの裁判の最終弁論で述べた言葉。

赤いアモーレ

原題:
Non ti muovere (動かないで)
年度:
2004
製作国:
イタリア
配給:
ギャガ
監督:
セルジオ・カステリット
キャスト:
ペネロペ・クルス/セルジオ・カステリット/クラウディア・ジェリーニ/マルガレート・マッツアンティーニ
ストーリー
外科医ティモーティオが勤務する病院に交通事故で運び込まれたのはなんと愛娘アンジェラ。妻と3人、不自由ない幸福な暮らしのはずだが、脳裏に去来するのはかつて狂おしく愛した1人の女。貧しい一角に外来中に車の故障で世話を受けた孤独な女イタリア。倫にもとる二重生活は、決定的な選択の皮肉により重大な岐路を迎える。

 

評価
コメント
8
綺麗な「野の花」は踏まれ愛され棄てられる。カトリックのお膝元の国と同じ名の女が魅せる格差の悲劇は、とても重く哀れ。己を醜く飾り過去を罵り、一抹の希望しか持てない女、過去の女を「上書き」できない身勝手な男の性。真上・真横の直角アングルが印象的なカメラ。ペネロペの演技、どこか現夫(J・バルデム)を思わせる風貌のカステリット氏。

雑記:

  1. 原作はS・カステリットの妻マルガレート・マッツァンティーニのベストセラー。最後にイタリアとすれ違う女としてカメオ。
  2. イタリア役にはサブリナ・インパッチャトーレが起用され、オーディションの演技に感激したカステリット監督は彼女をハグまでし起用が決定したが、1ヶ月後製作サイドがP・クルスに変更。
  3. ドナテッロ賞主演男優賞(S・カステリット)&主演女優賞(P・クルス)

ワールド・トレード・センター

原題:
World Trade Center (世界貿易センタービル)
年度:
2006
製作国:
アメリカ
配給:
UIP
監督:
オリヴァー・ストーン
キャスト:
ニコラス・ケイジ/マイケル・ペーニャ/マリア・ベロ/マギー・ギレンホール
ストーリー
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ。世界貿易センタービルに救援に向かった警官たちの実話をドラマ化。パトロール中に前代未聞恩の報告を受けた港湾警察のチームは即座に現場へ急行。ベテラン班長マクローリン以下4名が現場内部の救援隊に志願。急いで準備を整え突入した直後にビル全体が崩落。瓦礫に埋まり身動きが取れなくなった。

 

評価
コメント
8
徹底したリアルなのだろう。大量の紙が舞う現場、見るほうがやきもきする「入念な」侵入準備、爆弾テロと見立てる班長、意味不明の行動に走る妻。。たった5年後、かつあの社会派ストーン監督であることを考えると感慨深い。冒頭30分で舞台設定を固定させ、後は1.5時間の事実を切り取り感動を高めていく演出は一流。ベトナムと同様に大量生産されるテーマだろうがその点でもストーンらしい秀作。

雑記:

  1. 現役や引退後の警官(法執行官)が入る警官専門の俳優協会から多数の出演者。
  2. 9/11のすぐ後に公開された「ズーランダー」には世界貿易センタービルが登場したが、デジタル処理で除かれた。
  3. マクローリン役にはメル・ギブソンやジョージ・クルーニーやケヴィン・コスナーの候補も。
  4. カーンズ軍曹のプロットは創作だと思われがちだったが実話。
  5. 主役2名本人たちも出演。映画製作にも深く関わっている。
  6. 小道具に至るため港湾警察の全面協力。

私立探偵 濱マイク <ビターズ エンド>

海外タイトル:

年度:
2002
製作国:
日本
配給:
読売テレビ
監督:
利重剛
キャスト:
永瀬正敏/中島美嘉/SION/濱田マリ/市川実和子/村上淳/井川遥/松田美由紀/塩見三省

シリーズ:
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

ストーリー
シリーズ12作目(最終話)。15年ぶりに現れた「B」は、マイクの少年院時代のマブダチ。ところがBの取引先の銃の仲買人が裏切って逃げた。また殺しがあると感じたマイクは先手を打ってBを止める。兄を案じる茜は、危険を抱える込むなとマイクを諭すが、マイクは聞かない。「ケジメは付けなきゃ」が口癖のBと共に、事態の収拾に向かう。

 

評価
コメント
6
きっと地のまんま演技のSIONがフィット。話の方は取ってつけた感があるけど、まあ不利な回だわな。家族や友達の絆はダイジにね、ってヤツで、遺骨受け取らない妹にキレる中島美嘉は良かったけど、これ以上「情に厚い正義漢」が前面に出るときっとウザったくなる頃合いなので、ちょうど良いまとめ方。撮影は珍しく奇をてらわず。

雑記:

  1. 利重監督は「BeRLiN」など。高校三年の時に徴兵を扱ったブラックコメディ「教訓I」でPFFに入賞。大島渚監督に絶賛される。2002年元プリプリ今野登茂子と結婚。
  2. 日劇の映画は「ロング・グッドバイ」(73:R・アルトマン)と「小さい天使」(?不明)
  3. 2003.03.01鑑賞

カイジ2~人生奪回ゲーム~

海外タイトル:
-
年度:
2011
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
佐藤東弥
キャスト:
藤原竜也/伊勢谷友介/吉高由里子/生瀬勝久/香川照之/松尾スズキ/柿澤勇人、/光石研/嶋田久作

シリーズ:
1/2

ストーリー
人気漫画映画化の続編。地下労働所に堕ちた伊藤カイジはサイコロで大勝し、同班の仲間全員帰還の期待を背に1人地上へ。手持ち109万円を2週間でなんとか2億にしなければいけない。帝愛幹部を失脚したかつての敵・利根川が現れ、帝愛の裏カジノを紹介。そこには当たれば13億円の1000倍台パチンコ「沼」が賭博狂たちを奈落に突き落としていた。

 

評価
コメント
7
良い役者が揃っていて(吉高由里子だけ例外)オリジナル脚本もまあアリ。ただ前半の切迫感の無さは致命的。吉高さんののっぺり芝居(わざとにしても)がちと残念。キャラ設定自体無理があったとしかとか思えない。逆に言えば後半「沼」に集中してからが素晴らしい。良く再現。福本さんカメオ目立ち過ぎw

雑記:

  1. 美心の写真は、坂崎役・生瀬の顔をCG加工して作成。ちょっと可愛くなってしまってスタッフ困惑(いやいやそれ大事なポイントですよ!)。
  2. 映画オリジナルエピソード「姫と奴隷」は、原作者(&本作脚本の1人)福本伸行考案。
  3. ばら撒かれた札束は本物。

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア

原題:
Knockin’ on Heaven’s Door (天国の扉を叩く)
年度:
1997
製作国:
ドイツ
配給:
K2エンタテインメント
監督:
トーマス・ヤーン
キャスト:
ティル・シュヴァイガー/ヤン・ヨゼフ・リーファース/ティエリー・ファン・ヴェルフェーケ/モーリッツ・ブライブトロイ/フープ・シュターベル/ルトガー・ハウアー
ストーリー
対照的な性格のマーティンとルディはそれぞれ末期の脳腫瘍と骨髄腫で突然余命宣告を受け、偶然同じ病室へ。「天国では皆が海の話題をする」とマーティン。「海を見たことがない」とルディ。2人は病室を抜け出し、車を盗んで海へ向かう。その車にはギャングの大金が積まれており、警察とギャングの双方から追われる逃避行。

 

評価
コメント
9
重いテーマにコメディを気持よく効かせた名作。弾切れしない二丁拳銃や多すぎるレモン、人ではなく車を狙う銃撃戦(笑)。2組のコンビの性格のバランスが絶妙で小気味良い。受動から能動へ、秩序から破滅へ。太陽と大洋に委ねる希望や救済という象徴も内陸国ならでは。

雑記:

  1. ヘルシンキ・シンドロームは、正しくは「ストックホルム・シンドローム」。同じ誤りは「ダイ・ハード」でも。1970年ストックホルムで起こった実話より。
  2. ドイツで350万人動員の大ヒット。
  3. 主人公の1人マーティン・ブレスト。デニーロ主演の「ミッドナイト・ラン」の監督。本作も同作へのオマージュが随所に。
  4. T・シュヴァイガーは主演、製作、脚本。

舞妓Haaaan!!!

海外タイトル:
Maiko haaaan!!! (国際=舞妓はーーん!!!)
年度:
2007
製作国:
日本
配給:
東宝
監督:
水田伸生
キャスト:
阿部サダヲ/堤真一/柴咲コウ/小出早織/京野ことみ/酒井若菜/キムラ緑子/大倉孝二/生瀬勝久
ストーリー
修学旅行先の京都で舞妓に話しかけられて以来「舞妓」一筋のサラリーマン鬼塚。いつの日か舞妓はんと野球拳するのが夢。ラッキーなことに念願の京都転勤が決定!同僚のカノジョ富士子をスパッと捨てて京都へ。さあお茶屋の座敷へ~と思いきや「一見さんお断り」ルールに阻まれる。こうなったら常連らしい社長に頼み込むしかない!

 

評価
コメント
7
おおイイねイイね。クドカンが阿部サダヲの素材の良さ最高に引き出したちらし寿司(ラーメンじゃなく)を作りました。何やらせても形になる堤真一を絡めたこち亀的展開も笑えたし、さりげなく(?)本気の京都花柳界を描きたい意欲がちらり。ミュージカル1箇所だけかw この突き抜けた馬鹿らしさはこのスタッフ・キャストだからこそ。

雑記:

  1. 夢川町は架空の地名。
  2. 宮藤官九郎は京都に行かずに脚本書いた。
  3. 駒子役・小出早織は京都出身。堤真一も神戸西宮。

私立探偵 濱マイク <女と男、男と女。>

海外タイトル:

年度:
2002
製作国:
日本
配給:
読売テレビ
監督:
アレックス・コックス
キャスト:
永瀬正敏/中島美嘉/田口トモロヲ/塚本晋也/市川実和子/井川遥/松田美由紀/村上淳/杉本哲太

シリーズ:
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

ストーリー
シリーズ11作目。謎のガンマン達に事務所を襲撃されるマイク。そこへカラスとともに現れたった一人で敵を仕留めた男はマイクの馴染みの殺し屋カラスだった。一方、ノブは、仲間の竜が組の金庫の鍵を持って逃走し、その鍵を預かってしまったことからトラブルに巻き込まれる。マイクはサキの情報を得て駆けつける。ノブ&マイク絶体絶命。

 

評価
コメント
6
思わせぶりなタイトルつけちゃって、しかもトモロヲ氏がマカロニウェスタン。アレックス・コックスも冗談好きだなあ。事前にどこまで濱マイクを勉強したのかは不明だけど、撮れるモン撮っとこうみたいな思い切りがあって、結構好感。塚本監督もこんなところで好演? だからこそレギュラー達が強引にシリーズに絡む展開が残念。

雑記:

  1. ライブシーンは東京スカパラダイスオーケストラ
  2. A・コックス監督担当は、なかなか発表されなかった
  3. A・コックス監督の「スリー・ビジネスメン」(97)で盲目役だった永瀬が依頼して実現。ちなみに田口トモロヲも出演
  4. 2003.03.02鑑賞

隠された記憶

原題:
Caché (隠された)
年度:
2005
製作国:
フランス/ドイツ/オーストリア/イタリア
配給:
ムービーアイ/タキ・コーポレーション
監督:
ミヒャエル・ハネケ
キャスト:
ダニエル・オートゥイユ/ジュリエット・ビノシュ/モーリス・ベニシュ
ストーリー
人気テレビキャスターのジョルジュとその妻の編集者アン。1人息子とともに幸せな家庭。ある日自宅前に置かれた気味悪い絵に包まれた謎のビデオテープ。内容は自宅正面を延々と隠し撮りした映像。その後届いたテープにはジョルジュの生家が映っている。見られている恐怖。次第に家庭内に広がる不協和音。

 

評価
コメント
9
制作者からこれほど明白な挑戦状を突きつけられるのも珍しい。技巧的な伏線の張り方が素晴らしく、観終わって考えこむ。主人公だけではなく観客にも「ビデオ」での鑑賞を強いるなんて何と小憎らしいメタ映画か。「貧富」と「世代間」と「メディアの虚構と現実」、それぞれが表す「格差」に加え、一個人内の記憶にも「格差」を与えた構造。

雑記:

  1. カンヌ映画祭監督賞。その他各国賞受賞。
  2. ジョルジュのテレビ番組テーマ曲以外には一切の音楽がない。
  3. 主人公たちの名前アン・ローランとジョジュル・ローランはハネケ監督作品の常連名。
  4. 冒頭クレジットは自宅映像にかぶせて1行ずつ(スクロールさせずに)表示。

チャドルと生きる

原題:
Dayereh (円環)
年度:
2000
製作国:
イラン/イタリア/スイス
配給:
ギャガ
監督:
ジャファル・パナヒ
キャスト:
フレシテ・ザドル・オラファイ/マルヤム・パルウィン・アルマニ/ナルゲス・マミザデー/ファテメ・ナギヤウィ
ストーリー
現代のテヘラン。厳格な戒律社会で抑圧される女性たちが懸命に生きようとする様をオムニバスで。生まれたばかりの女の子の祖母は男子でなかったことを嘆く。刑務所から仮釈放された女性は故郷に帰りたくても身分証がなく買えない。望まぬ妊娠をした女性が友人を頼って病院を訪れる。涙を飲んで幼子を置き去りにする母。

 

評価
コメント
9
名作。分娩室と牢屋の小窓に無限に続く円環を象徴させてその環を結び、女性たちを内側に閉じ込んでしまった。小窓の「こちら側」は牢屋。抑圧と矛盾。多くを語らず抑制された物語運び。そこに潜む静かな怒り。リレー式の主役交代や伏線。技巧的な監督だと思った。

雑記:

  1. ヴェネツィア映画祭・金獅子賞。
  2. パリを演じたF・S・オラファイと娘を置く母親を演じたF・ナギヤウィ以外は素人。

ラスト、コーション

原題:
色・戒 (肉欲と教訓)
年度:
2007
製作国:
アメリカ/中国/香港/台湾
配給:
ワイズポリシー
監督:
アン・リー (李安)
キャスト:
トニー・レオン/タン・ウェイ/ワン・リーホン/ジョアン・チェン
ストーリー
1940年前後、日本占領下の香港。女子学生ワン・チアチーは抗日演劇団に入団。劇団は日本傀儡(南京)政府の特務機関のイーを標的とした工作活動に発展。チアチーは工作員としてイーを誘惑するが失敗。3年後の上海。チアチーは、本格的な諜報支援をバックに再びイーに接近。

 

評価
コメント
9
恋愛<戦争<歴史<視線。特異な情況で流転する重厚な心理描写を、セリフで語らせず丁寧に精緻に。主役2人の洗練された演技力は見事、そして映像美よりカメラワークで魅せる。ハードなセックスシーンは必須。監督の力量に感服。

雑記:

  1. ヴェネツィア映画祭・金獅子賞&金オゼッラ賞。
  2. 原作は世界的に評価の高い中国文学者アイリーン・チャン(張愛玲)。
  3. セックスシーンは非常に限られたスタッフのみで11日間かけて撮影。
  4. アカデミー外国語映画賞に「台湾」映画として申し込んだがスタッフの多くが非台湾人だったため却下。
  5. タン・ウェイは10,000人以上の女優から選ばれた。
  6. 原題にある「戒(jiè)」には「戒め」の他に「指輪」の意も。

私立探偵 濱マイク <1分 700円>

海外タイトル:

年度:
2002
製作国:
日本
配給:
読売テレビ
監督:
竹内スグル
キャスト:
永瀬正敏/井川遥/浅野忠信/柄本明/松岡俊介/松村邦洋/阿部サダヲ/モロ師岡

シリーズ:
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

ストーリー
シリーズ10作目。マイクが鑑別所時代に世話になった工藤神父がやって来た。昔、隣人を殺したという懺悔をした少年ユキオの消息が知りたいと云う。ユキオは裏社会の殺し屋になっており、自分の死を望みながら殺しを続け、インスタント証明写真を懺悔室に見立てて神に語り続ける。マイクは彼に接近するが、逆に危険に晒される。

 

評価
コメント
6
全篇、緑と赤のフィルム効果の洪水。とってもキレイで効果的で、黒も混ぜた色のバランスが感動的なほど巧く、惹きつけられた。ストーリーはちょっと硬派を狙い過ぎて陳腐になってしまっているのかな。何と云うか、自殺願望の殺し屋がロシアンルーレットで。。。というところが旧き古きハードボイルド。浅野氏またもや無表情。うーん。

雑記:

  1. 竹内監督(撮影も)は「L’Arc~en~Ciel」のプロモビデオやユニクロのCM。小泉総理のCMも
  2. ロケに使った証明写真、実際は45秒600円
  3. 脚本・やまだないと(漫画家)
  4. 2003.02.22鑑賞

三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船

原題:
Three Musketeers, The (三銃士)
年度:
2011
製作国:
フランス/アメリカ/イギリス/ドイツ
配給:
ギャガ
監督:
ポール・W・S・アンダーソン
キャスト:
ローガン・ラーマン/ミラ・ジョヴォヴィッチ/マシュー・マクファディン/レイ・スティーヴンソン/ルーク・エヴァンス/オーランド・ブルーム/クリストフ・ヴァルツ
ストーリー
デュマの古典「三銃士」の独自アレンジ。17世紀フランス王国。銃士に憧れる田舎の少年ダルタニャンはパリで英雄「三銃士」に会い、野心を滾らせる枢機卿リシュリューの親衛隊を蹴散らす。リシュリューは謎の美女ミレディに王妃の首飾りを盗ませ、仏王妃と英バッキンガム公の醜聞を画策。英公は最近ダヴィンチ設計の飛行船型兵器を完成。三銃士とダルタニャンは阻止できるか。

 

評価
コメント
6
3D鑑賞。持てる最大リソースを使い、この使い古された時代劇の大胆アレンジに感服。考証を無視した飛行船戦闘は新しく活き活き。ただ、若王の描き方や悪役バッキンガム公の行動原理、謎めいたミレディーの性格描写が平板でバランス悪い。成長しないダルタニャンとかデュマ涙目。あと、「ウチの嫁かわいくね?」って言われてるみたい(笑)。

雑記:

  1. ポール・W・S・アンダーソン監督は通称「B級の方のポール・アンダーソン」。「バイオハザード」シリーズや「エイリアンVS.プレデター」など。「A級」のポール・トーマス・アンダーソンと間違えてはいけない。
  2. M・ジョヴォヴィッチは監督の嫁。
  3. ドイツの世界遺産「ヴュルツブルク・レジデンツ」で撮影。
  4. 17世紀当時にも「回転マシンガン」の設計図は存在した。
  5. 飛行船は当然フィクション。モンゴルフィエ兄弟による熱気球発明と初の有人飛行は三銃士時代より150年ほど後。
  6. 作中の地図に出てくるスウェーデンやスペインの国旗は時代に合っていない。

イントゥ・ザ・ワイルド

原題:
Into the Wild (荒野へ)
年度:
2007
製作国:
アメリカ
配給:
スタイルジャム
監督:
ショーン・ペン
キャスト:
エミール・ハーシュ/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ウィリアム・ハート/ジェナ・マローン/キャサリン・キーナー/ヴィンス・ヴォーン/クリステン・スチュワート/ハル・ホルブルック
ストーリー
ベストセラーノンフィクションの映画化。ハーバード大学院進学も決まり不自由ない環境のクリスは、物質社会の虚飾を厭い、積み上げたもの全てを捨てて突然旅に出る。目指すはアラスカ。道中の様々な出会いと経験。そして辿り着いた荒野での孤高の生活。

 

評価
コメント
9
若者の無節操かつ中途半端な世捨て(バスとか銃とか米とか日記とか)に違和感があるか否かで評価割れそう。個人的にはアリ。むしろその中途半端こそ醍醐味。彼自身がそれを悟ったではないか。二軸の時間進行、野生の描写、群像たちの魅力。真理の蒼き探求は「レール」の上から外へ。でもレールの存在は前提だよね。

雑記:

  1. E・ハーシュは18キロ減量。川下りやロッククライミングのシーンもスタント無し。
  2. 音楽はE・ヴェダー。S・ペンの頼みなので一発承諾。映画の内容を一切知らない段階で。
  3. 冒頭でクリスにブーツを渡す人物は、本人役。
  4. 殺したヘラジカは、ハイウェイで死んでいたヘラジカを使った。
  5. 映画ではバーガーキングで働いているが原作ではマクドナルド。

はやぶさ/HAYABUSA

海外タイトル:
Hayabusa (国際=はやぶさ)
年度:
2011
製作国:
日本
配給:
20世紀Fox
監督:
堤幸彦
キャスト:
竹内結子/西田敏行/高嶋政宏/佐野史郎/山本耕史/鶴見辰吾/筧利夫/市川実和子/甲本雅裕
ストーリー
2010年6月、7年越しの困難なミッションを終え小惑星「イトカワ」から地球に帰還した日本の探査機「はやぶさ」。月以遠の天体からのサンプルリターン(試料採取及び回収)は世界初。この快挙を、観測好きだった兄を幼少時に亡くした女性研究員の目を通じて描く。人類初の遠大な計画は、初めから終わりまでトラブル続き。奮起するチーム。

 

評価
コメント
8
偉業の経緯や結末、感動ポイントが全て予習されている不利な状況を巧く料理。感動。はやぶさチームに映画スタッフを入れたいくらい。演出の肝になる明らかなフィクション=主人公が縦横無尽な狂言回しで良く機能。技術や背景を劇中劇で説明しつつも自然体演技で感情移入させる。残る2作の類作も観たい。

雑記:

  1. JAXA全面協力。
  2. イオンエンジン耐久試験装置は大変稀少なものであり、少人数スタッフのみでなんとか撮影許可。
  3. クレジットの「はやぶさ君の声 – 水沢恵」は、劇中の水沢制作の「はやぶさ君」の声を、竹内演じる水沢が当てているという意味。
  4. 「はやぶさ」関連映画は2011-2012年公開分だけで本作含め3作。本作が最初の公開。
  5. ウーメラ砂漠ロケ敢行。
  6. ISS実験棟「きぼう」にデータを送信し、宇宙飛行士古川氏に対する「史上初の宇宙試写会」。ただしフッテージ上映。

ライフ ―いのちをつなぐ物語―

原題:
One Life (ひとつの命)
年度:
2011
製作国:
イギリス
配給:
エイベックス・エンタテインメント
監督:
マイケル・ガントン/マーサ・ホームズ
キャスト:
(日本語版)松本幸四郎、松たか子
ストーリー
ネイチャードドキュメンタリー。地球上の生きとし生けるものの「命」は繋がっている。BBCの最新カメラが世界中の空、海、森、山に分け入り、この深淵なテーマが魅せる生き物の生態の数々を丹念に追う。産卵後のミズダコ、ユニークな子育てをするヤドクガエル、パートナーとシンクロダンスを踊るカイツブリ、残忍な狩りをするコモドオオトカゲ・・・。

 

評価
コメント
6
まんまナショナルジオグラフィックなのは覚悟の上としても、冒頭とラストのメッセージに深みと新鮮味が欠けているのが残念。語らなくて良かった。ただ、スタッフの自然愛と忍耐に敬服するしかない圧巻の映像の数々はそれだけでも一級の価値。

雑記:

  1. 撮影日数3000日。製作費35億円。70人以上のカメラマン。
  2. 80倍の超ハイスピードカメラ。

ポルノグラフィックな関係

原題:
Liaison pornographique, Une (ポルノ的な関係)
年度:
1999
製作国:
ベルギー/フランス/ルクセンブルク/スイス
配給:
アルシネテラン
監督:
フレデリック・フォンテーヌ
キャスト:
ナタリー・バイ/セルジ・ロペス
ストーリー
パリ。ある女が性に関する妄想を実現する為にセックスパートナー募集広告に応募。カフェで落ち合った男とホテルへ。互いの素性はおろか名前すらも知らないまま身体だけの関係を続ける。暗黙の不干渉ルールに支えられたその特殊な期間を男女それぞれが回想する。

 

評価
コメント
7
構成が光る変わり種。特異な、だが非常に特異なわけでもない一つの恋愛エピソードを分解。役者の自然な演技とドキュメンタリータッチがリアリティを生む。というか、隠しカメラでカップルの痴話トークを覗いているような妙な気分にすらなる。賞がN・バイだけに与えられたのは納得。表情で女を語る。巧い。

雑記:

  1. ヴェネツィア映画祭主演女優賞(N・バイ)

ルワンダの涙

原題:
Shooting Dogs (野良犬の銃撃)
年度:
2005
製作国:
イギリス/ドイツ
配給:
エイベックス
監督:
マイケル・ケイトン・ジョーンズ
キャスト:
ジョン・ハート/ヒュー・ダンシー/クレア・ホープ・アシティ/ドミニク・ホルビッツ/ニコラ・ウォーカー/ルイス・マホニー
ストーリー
犠牲者50万人とも100万人とも言われる1994年のルワンダ大虐殺。大統領暗殺を契機に勃発したフツとツチの民族紛争。首都キガリにあった公立技術学校の西洋人教師たちの視点で、血で血を洗う民族浄化の悲劇を描く。監視任務に就く国連平和維持軍ベルギー兵は自衛権しかなく何の問題解決にもならない。

 

評価
コメント
9
ナチやユーゴの悲劇を経た20世紀も後半にもなって同国人同士が殺戮しあうおぞましさ。歴史を学ぶ必要性、という陳腐なまでに繰り返された警句はこの場合、彼ら自身というよりは傍観する国際社会、無力過ぎる国際組織、そして商業主義メディアにも向けられる。ラストで登場する生存者の映画スタッフ達で涙腺崩壊。

雑記:

  1. 実際の武器が撮影に使われている
  2. 事件が起こった実際のキガリの公立技術学校でも撮影された。
  3. 本事件の調査は国連もなかなか実施しなかった。国連ルワンダ支援団のロメオ・ダレールはベルギー議会での証言を禁じられた。
  4. 公立技術学校の虐殺は史実だが、詳細はフィクション。

猿の惑星:創世記(ジェネシス)

原題:
Rise of the Planet of the Apes (猿の惑星の起源)
年度:
2011
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀Fox
監督:
ルパート・ワイアット
キャスト:
ジェームズ・フランコ/フリーダ・ピント/ジョン・リスゴー/ブライアン・コックス/トム・フェルトン/アンディ・サーキス
ストーリー
「猿の惑星」シリーズの前章。現代のサンフランシスコ。製薬会社の研究員ウィルがアルツハイマー治療薬の実験でチンパンジーに投与した薬は、知能を飛躍的に向上させる効果があった。突然暴れ出して射殺されたそのチンパンジーの子はシーザーと名付けられウィルが引き取る。並外れた知性を育むシーザーはある日隣人とトラブルを起こす。

 

評価
コメント
7
旧作ファンにも初見にも耐える。知性を持ったサルのヒト社会での生活をマイノリティとその被差別の有様に象徴させるプロット作り、それに自然とヒトの共生の困難さと限界を描く平板な演出に少々鼻白むが、スリルとスピード感のあるエンタメ作品として巧い。チンパンジーの動きは完璧過ぎ。

雑記:

  1. 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのゴラム役A・サーキスがシーザー。LoTRでも本作でも「他人の指を齧る」シーンが。
  2. 「枝は1本なら弱いが束ねると強い」は、古代ローマで束桿と呼ばれる権威の表象でもあり、後にムッソリーニが採用した。
  3. 研究所所長ジェイコブズの名は、初代シリーズのプロデューサー、アーサー・P・ジェイコブズより。
  4. オランウータンの名モーリスは、初代のドクター・ザイウスを演じたモーリス・エヴァンズより。
  5. シーザーが「考える人」のポーズを取るシーンがある。
  6. シーザーが作ってるアレは、当然アレです。
  7. シーザーの母が付けられたあだ名「青い目」は初代シリーズで人間たちが付けられたあだ名。

昼顔

原題:
Belle de jour (ヒルガオ=日中の美人)
年度:
1967
製作国:
フランス
配給:
東和
監督:
ルイス・ブニュエル
キャスト:
カトリーヌ・ドヌーヴ/ジャン・ソレル/ジュヌヴィエーヴ・パージュ/ピエール・クレマンティ
ストーリー
裕福な医者夫人セヴリーヌは一見何不自由ない幸せな生活だが愛する夫との性生活には満足できず、被虐的で淫らな妄想に耽ることしばしば。ある日友人から話を聞いた上流階級向けの高級娼館を訪れ、やがて「ベルドジュール(ヒルガオ)」という名で昼間だけの娼婦となる。

 

評価
コメント
9
C・ドヌーヴ始め出演者全員がまとうイヴ・サンローランの気品ある美しさが際立つ。ストーリーもシンプルなのに哲学的な深みがある。夢現を分かつ鈴の音がとても印象的で効果を発揮。C・ドヌーヴの平板さが生きた、ということかブニュエル自身の倒錯ぶりが反映されたと見るべきか。

雑記:

  1. ヴェネツィア映画祭金獅子賞
  2. 衣装は無名時代のイヴ・サンローラン。
  3. 服を裂くシーンでは音を出さないようにベルクロで止めてある。
  4. ほとんどが「後悔」で1頭だけ「贖罪」という名の牛は、欧米語で女性を表すスラングからか。

私立探偵 濱マイク <ミスター・ニッポン ~21世紀の男~>

海外タイトル:

年度:
2002
製作国:
日本
配給:
読売テレビ
監督:
中島哲也
キャスト:
永瀬正敏/勝村政信/派谷恵美/光浦靖子/杉本彩/林屋ペー/林屋パー子/松方弘樹

シリーズ:
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

ストーリー
シリーズ9作目。女子高生カオルの依頼は、かつて学校で体を張ってイジメから守ってくれた杉崎先生の消息確認。あっけなく見つかったが尾行先のラブホで笑える事件に巻き込まれるマイク。伝説の殺し屋が杉崎を狙う。また、憧れの女子プロレスラーの裏流出ビデオを手に入れた忠志は、人としての人生を嘆き、犬になる。笑。

 

評価
コメント
7
うんうん。中途半端さがなくて清々しい。キャストもさぞかしこだわって集めたんだろうなあ。「濱マイク」プロジェクトということをほとんど気にしないで好きなように作っている感じが良いです。ペー&パーの登場シーンはグッドです。どうでも良い女子プロの話とかが絡んで意味不明になっているところがたまらなく好きかも。勝村氏、巧いね。

雑記:

  1. 中島監督は、サッポロ黒ラベルのCMなど。CHARAのMVも
  2. 派谷恵美(はたちやめぐみ)は、「非・バランス」(00)など
  3. 2003.02.23鑑賞

フライト・オブ・フェニックス

原題:
Flight of the Phoenix (フェニックス号の飛行)
年度:
2004
製作国:
アメリカ
配給:
20世紀フォックス
監督:
ジョン・ムーア
キャスト:
デニス・クエイド/ジョヴァンニ・リビシ/ミランダ・オットー/タイリース・ギブソン/ヒュー・ローリー
ストーリー
モンゴルでの石油採掘事業に失敗したスタッフと機材を載せた輸送機が、北京に向かう途中のゴビ砂漠のど真ん中で砂嵐に巻き込まれて不時着。無線は故障、食糧も水も限られている。途方にくれるタウンズ機長以下10名は助け合いいがみ合いながら救援を待つ。謎の男エリオットが飛行機の残骸から小型機を造ることを提案する。

 

評価
コメント
6
ある意味期待以上。オリジナル初見時の痛快さこそないが「スケールの大きい”ワンセット”ドラマ」の良さが発揮。アトラクションライドのようなお約束クライマックスまでそれなりにドキドキ。ただ心理描写や飢えの苦しみ描写が甘くいまいち感情移入できないのと、女性1名が疑問。

雑記:

  1. オリジナルは「飛べ!フェニックス」(65/R・アルドルッチ)。ただし、原題は”The” Flight of the Phoenixと冠詞が入る。
  2. オリジナルの機体はC-82。その後継機であるC-119を使用。
  3. 撮影はナミビアの砂漠。C-119の胴体3体を運搬中のフェリーが川に沈没しサルベージした。
  4. オリジナル版のフェニックス号は設計が甘くスタントマン1名が事故で死亡している。それを踏まえ本作ではリモコン操作で無人飛行させている。

私の中のあなた

原題:
My Sister’s Keeper (お姉ちゃんの守り手)
年度:
2009
製作国:
アメリカ
配給:
ギャガ
監督:
ニック・カサヴェテス
キャスト:
キャメロン・ディアス/アビゲイル・ブレスリン/アレック・ボールドウィン/ジェイソン・パトリック/ソフィア・ヴァジリーヴァ/トーマス・デッカー/ヘザー・ウォールクィスト/ジョーン・キューザック
ストーリー
重度の白血病の姉ケイトを救う為のドナーとして、遺伝子操作と体外受精で誕生した妹アナ。他の点では全く申し分ない家族も、ケイトの病状が悪化するに従って次第に僅かな溝が生まれる。アナが11歳のとき、臓器提供を強いる母に反発し両親を相手に訴訟を起こす。アナも、ケイトも、そして母も父も、家族を想う気持ちは同じはずなのに。

 

評価
コメント
6
定番お涙頂戴の難病モノだけど、ドナー用の出自という設定と法廷論争という新機軸が加わりグッと魅せる。両親に比べ子役たちお上手。J・キューザック判事どハマリ。ただ演出がベタ過ぎ(自分も剃髪/BGMでプロット進行etc)、主人公が誰かすらぼやける程の散漫さ、それにせっかくの体外受精などの題材を浅く留めたのが残念。

雑記:

  1. エリー・ファニングとダコタ・ファニング姉妹を当初想定。どうしてもダコタが剃髪を嫌がり断念。
  2. 原作ジョディー・ピコーの同名ベストセラー。ラストの展開はかなり異なる。

最高の人生の見つけ方

原題:
Bucket List, The (棺桶リスト)
年度:
2007
製作国:
アメリカ
配給:
ワーナー
監督:
ロブ・ライナー
キャスト:
ジャック・ニコルソン/モーガン・フリーマン/ショーン・ヘイズ/ロブ・モロー
ストーリー
家族を愛し、クイズが趣味で真面目な整備士カーターと、一代で財を築いた傲慢な実業家エドワード。それぞれガンを患い、エドワード経営の病院に入院。同室になった2人の間には友情が芽生える。やがて、死ぬまでにやりたいことリスト(棺桶リスト)を書き出した2人は、宣告された余命を最高に輝かせるべく、リストを1つずつ消す旅に出る。

 

評価
コメント
7
こんなシンプルなプロットなのに妙に心に残るのは主演2人の強烈な存在感からだろうな。とにかく絵になる。あえて奇をてらわず演技もナチュラルに任せ、「素材の良さを活かしました」だけで一点突破したのはR・ライナーの自信故かその逆か。「頑固ジジイと若い秘書」との対照に、最後にキュッと持ってきた伏線回収で爽やかにオチが付いた。良い。

雑記:

  1. 脚本ジャスティン・ザッカム。2週間で書き上げた。
  2. 鏡付きのメガネのアイデアは、J・ニコルソンの病院での実体験に基づき、彼のアイデアを急遽取り入れた。
  3. M・フリーマンの息子アルフォンソ・フリーマンが息子役で。
  4. 整備士を演じたM・フリーマンはかつて、合衆国空軍で機械工だった。
  5. リストは毎回違うものが映ってる。
  6. ピラミッド頂上で「エジプトは犬が稲妻に打たれた唯一の場所」と言うが、実際は稲妻ではなく隕石。

青春の殺人者

海外タイトル:
Youth Killer, The (国際=若き殺人者)
年度:
1976
製作国:
日本
配給:
今村プロ/綜映社/ATG
監督:
長谷川和彦
キャスト:
水谷豊/原田美枝子/内田良平/市原悦子/白川和子/江藤潤/桃井かおり/地井武男
ストーリー
青年・順は親から譲られたスナックを恋人ケイ子と切り盛り。ケイ子を毛嫌う両親は彼女を「身体に雁字搦めにする蛇」と呼び、別れるよう順にしつこく迫る。そんな両親の歪んだ溺愛に反発する順は衝動的に父を刺し、やがて母も手にかける。破滅だけが見える人生の末路を呪いながら、順は叫び、ケイ子は追う。

 

評価
コメント
7
市原の舞台がかったセリフ回しと原田の一本調子な演技が気になる他は、ヒッチコック風の生ぬるい気味悪さとニューシネマ風「無力な若者のエネルギー」が融合した演出が印象に残る。ゴダイゴの曲は心地良く響くが主題にあったものかは不明。ところで、より暴力的な時代になった現代は本作の衝撃が薄いとする意見には疑問。当時は現代以上に日常的な体罰や折檻があった。

雑記:

  1. 音楽・ゴダイゴ。
  2. 原作は中上健次の短編小説「蛇淫」。実話に取材。
  3. 長谷川監督は、本作と「太陽を盗んだ男」(79)で鮮烈な印象を残したが、その後長期にわたり監督作品はなく超寡作な監督として知られる。
  4. キネ旬ベストテン。日本映画ベストワン。

アモーレス・ペロス

原題:
Amores perros (犬の愛)
年度:
1999
製作国:
メキシコ
配給:
東京テアトル
監督:
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
キャスト:
エミリオ・エチェバリア/ガエル・ガルシア・ベルナル/ゴヤ・トレド/アルバロ・ゲレロ/バネッサ・バウチェ/ホルヘ・サリナス
ストーリー
同居する兄嫁に道ならぬ恋心を抱くオクタビオは、兄の凶暴な犬を闘犬に利用する。絶頂にあったスーパーモデル・バレリアは、愛犬とともに恋人との新生活を始める。家族を捨てた殺し屋エル・チーボは侘び住まいで拾い犬を世話する。それぞれの人生が、ある交通事故と多数の犬を軸に交差する。

 

評価
コメント
9
複数のエピソードの時間軸を倒錯させる「流行りの」作りだが、一つ一つが丁寧で重厚。許されぬ愛が叶わぬ孤独と喪失を主人公たちに、無償の愛が狂暴性に呑み込まれる現実の皮肉を犬たちにそれぞれ表象させる巧みさ。冒頭の緊張感は途切れない。真の勝者と呼べるのが闘犬コフィのみである点に鳥肌。

雑記:

  1. カンヌ国際映画祭批評家週間グランプリ。東京国際映画祭グランプリ。英国アカデミー作品賞。
  2. 主演G・G・ベルナルとともに、監督A・G・イニャリトゥが世に出た作品。
  3. 脚本は36回書き直され、完成に3年を要した。
  4. 交通事故シーンは、9つのカメラで同時に撮影。1つの車はスタントマンが運転し、もう1つはリモコン操作。
  5. お約束の「撮影中、いかなる動物も危害を受けておりません」は、クレジットではなく冒頭に言及された。
  6. バスに乗るかを聞いたバス運転手はG・G・ベルナルの実父。

NOEL ノエル

原題:
Noel (クリスマス)
年度:
2004
製作国:
アメリカ
配給:
ギャガ
監督:
チャズ・パルミンテリ
キャスト:
スーザン・サランドン/ペネロペ・クルス/ポール・ウォーカー/アラン・アーキン/マーカス・トーマス/ロビン・ウィリアムズ
ストーリー
クリスマス・イヴのNY。寝たきりの母の看病と仕事に明け暮れるバツイチ女性ローズ。自分の恋愛や幸せは諦めていたのに若い男性にデートを申し込まれ戸惑う。一方、ニーナは、婚約中のマイクの嫉妬と束縛に耐え切れず家を飛び出す。そのマイクは、自分を昔から知るという老人に興味を持たれる。聖夜に交錯する孤独感とすれ違い。

 

評価
コメント
5
「この素敵な夜には素敵な何かが起こるんだよ」という一言あらすじをピュアに受け止められない程度に汚れつちまった自分です。 演出も脚本も派手さがなくペネロペつながりで観る以外の動機がなかなか・・・(勿論その点では彼女は素晴らしい)。A・アーキン勿体無いよう。そんななか1人ノンクレジットのR・ウィリアムズがさすがの安定感。素敵な何か、起きないかな。

雑記:

  1. 「腕を折る」アリゾナ役でC・パルミンテリ監督。
  2. 撮影はモントリオール。S・サランドンは自宅のNYから45分の飛行機で撮影に。ただ1度、ブリザードが原因で14時間の移動に。

私立探偵 濱マイク <時よ止まれ、きみは美しい>

海外タイトル:

年度:
2002
製作国:
日本
配給:
読売テレビ
監督:
石井聰亙
キャスト:
永瀬正敏/渡瀬美遊/EITA/市川実和子/夏生ゆうな/松田美由紀/井川遥

シリーズ:
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

ストーリー
シリーズ8作目。夜、車を飛ばすマイクの前にいきなり全裸の女が飛び出してきた。事情を聞いているうちに、制服の集団と彼らを追ってきたパンクな男たちに襲われ、女は逃げマイクは捕まる。数年前にそのあまりのリアルさで禁止となったネットゲーム「YES」の信奉者集団グランクルスによる、クローン人間を作る計画が明らかになる。

 

評価
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8
さすが。しゃくしゃくと気軽に撮っている感じ(そんな訳ないけど)。恐らく12人の監督の中で、最も企画意図にマッチしたのでは?そして多分一番金もかかっている。一見陳腐なサブカルSF物なんだけど、そこは作りの妙。編集やらフラッシュバックやらでコギレイに漫画的(褒め言葉)に纏めた。ゲーム&クローン、、随分狙ったね。

雑記:

  1. タイトルは、ゲーテ「ファウスト」より。悪魔との賭けで、このセリフを云ったら教授は魂を渡さなければならなかった(そして云った)
  2. 渡瀬美遊はアセロラやJRのCM、映画「クリスマス・イブ」(01)など
  3. 石井監督TVドラマ(?)は初
  4. 国内初の代理母出産は01年5月
  5. 2003.02.11鑑賞

東京物語

海外タイトル:
Tokyo Story (国際=東京物語)
年度:
1953
製作国:
日本
配給:
松竹大船
監督:
小津安二郎
キャスト:
笠智衆/東山千栄子/原節子/杉村春子/山村聰/三宅邦子/香川京子/東野英治郎/中村伸郎
ストーリー
尾道の老夫婦が半日以上も汽車に揺られ、息子たちに会いに上京。息子たちは表面上はもてなすものの、日常に忙殺された都会生活では親と言えど少々疎ましい。戦死した次男の嫁だけが甲斐甲斐しく世話を焼く。流れる時間の違いに戸惑う夫婦だが、謝意を示して帰途に着く。

 

評価
コメント
10
ラヴェルのボレロに非常に似て、同じモチーフと構図の繰り返しが映画自体に動的なリズムとクレッシェンドを生み、ラスト付近の原節子の苦悩の吐露と笠智衆の笑顔なき沈黙が均衡を破る。家族の崩壊と言われるが、いやこれぞ家族の本質だと感じるのは自分の世代故か。

雑記:

  1. 完成直後に火災によりオリジナルネガが焼失。コピーでの上演となった。
  2. ニューヨーク近代美術館に収蔵。
  3. 舞台設定などに、永井荷風の日記「断腸亭日乗」の影響。
  4. BBCによる「21世紀に残したい映画100本」。他には「西鶴一代女」(溝口)、「椿三十郎」(黒澤)、「乱」(黒澤)、「ソナチネ」(北野)。
  5. 脚本・野田高梧との缶詰作業により、トータルたった4ヶ月で完成。
  6. ローアングル多用の「小津スタイル」。セットも全て「天井付き」で造ることに。

私立探偵 濱マイク <私生活>

海外タイトル:

年度:
2002
製作国:
日本
配給:
読売テレビ
監督:
岩松了
キャスト:
永瀬正敏/小泉今日子/小林薫/市川実和子/石橋けい/田中哲司/中島美嘉/村上淳

シリーズ:
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

ストーリー
シリーズ7作目。尾行され始めたマイクが、パチンコ景品所の情報屋サキにその旨告げ情報を探ると、「あなたの私生活は知らない」との応え。やがて尾けていた男から妻の浮気調査の依頼をされる。ところがその依頼には裏があり、マイクも当事者として巻き込まれる。一方サキはある狂言誘拐に加担したことで、マイクと関わることになる。

 

評価
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5
どうにも消化不良。カメラよりも編集よりも、意外にも脚本や演出があまり好きになれなかった。舞台演出とはやはり勝手が違う?まず、謎の情報屋を外に出してきた意味がよくわからない。こういうシリーズ物ではそれなりに勇気の要ることの筈なのに。プールで人妻と泳ぐ妄想と、ラストの水筒が倒れるシーンは、嫌いではないです。

雑記:

  1. 岩松監督(脚本も)は舞台演出家として有名
  2. 和服の妻役:石橋けいは、ウルトラマンシリーズなどで割とキャリアが長い
  3. DVD版は、全12話揃えると背表紙で車の絵が完成するが、この第7話の画像が間違えてリリースされ、新ジャケットのみ受け取り可能
  4. 2003.02.11鑑賞

ダーウィンの悪夢

原題:
Darwin’s Nightmare (ダーウィンの悪夢)
年度:
2004
製作国:
イギリス
配給:
ビターズ・エンド
監督:
フーベルト・ザウパー
キャスト:
ディモン/エリザ/ラファエル/カイジャゲ
ストーリー
ドキュメンタリー。アフリカ最大の湖ヴィクトリア湖。湖畔の町ムワンザ(タンザニア)は、固有の生態系を破壊する獰猛な外来巨大魚ナイルパーチの漁業で糊口を凌ぐ。輸出先は先進国。売春とHIV、ストリートチルドレン。深刻な社会問題の数々。さらに、魚の運輸にかかる嫌疑も。

 

評価
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6
グローバリズムの闇を描いたひとつの現実であることは間違いないだろう。ひどく不衛生な環境で魚を並べるシーンや戦争を渇望する夜警の訴えはショッキング。にしてもどうにも踏み込みが足りない。実証性に欠け、ナイルパーチ漁業が生む有用な「エコシステム」の側面が皆無。

雑記:

  1. 日本公開にあたり駐日タンザニア大使が配給会社に抗議。「事実に基づいていない」。
  2. アカデミー長編ドキュメンタリー賞ノミネート。各国賞受賞。
  3. ナイルパーチはヴィクトリア湖以外にも、アフリカ各地に放流。1950年代の宗主国イギリスによる漁獲獲得を狙ったもの、という見方が優勢。
  4. ナイルパーチは古代エジプトでミイラにされた魚としても有名。日本では外食業界や給食などでスズキの代用魚として「白身魚のフライ」などに。

私立探偵 濱マイク <名前のない森>

海外タイトル:

年度:
2002
製作国:
日本
配給:
読売テレビ
監督:
青山真治
キャスト:
永瀬正敏/山本政志/鈴木京香/大塚寧々/菊地百合子/原田芳雄

シリーズ:
1/2/3/4/5/6/7/8/9/10/11/12

ストーリー
シリーズ6作目。ある資産家から「怪しげな宗教団体で生活している娘を連れ戻してくれ」という依頼を受けるマイク。マイクは早速施設に入会。お互いを番号で呼び合う共同生活の中で皆「自分のしたいこと」探していた。かの娘に帰宅を拒否されたマイクは、施設管理者の「先生」に誘われ、近くの森の中にある「自分そっくりの樹」を見に行く。

 

評価
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7
ドラマだと知りつつ映画性を求める、という邪道な視点で見続けているけど、その意味でグッド。無理のない人物設定や演技も流石だしカメラも実に独特で(遠景が多いんだね)惹き付けられるし、何より中尺のサスペンスとしてハイレベル。樹のメタファー、見せなくても良いような気もするけれど、でなきゃ本当「判らん」で終るので正解かな。

雑記:

  1. シリーズ12作品中、この作品だけがランタイム71min.の映画版としてベルリン映画祭(フォーラム部門)に出品。その後もトリノやベルギー、スイスなどの映画祭
  2. 最も早くクランクイン
  3. 2003.01.02鑑賞

ファーストフード・ネイション

原題:
Fast Food Nation (ファーストフードの国)
年度:
2006
製作国:
アメリカ/イギリス
配給:
トランスフォーマー
監督:
リチャード・リンクレイター
キャスト:
グレッグ・キニア/ウィルマー・バルデラマ/パトリシア・ アークエット/ボビー・カナベイル/ポール・ダノ/ルイス・ガスマン/イーサン・ホーク/アヴリル・ラヴィーン/クリス・クリストファーソン
ストーリー
架空のハンバーガー大手「ミッキーズ」のマーケティング部長ドンが受けた密命は自社バーガーへの糞便性大腸菌混入疑惑の調査。パテを製造するコロラドに飛び調査開始。一方契約精肉工場はメキシコの不法入国者たちの雇用受け入れ口。次第に明らかになる真相。

 

評価
コメント
8
建前「フィクション」の限界を随所に感じたが言わんとすることは理解。「安いハンバーガー」が実現できる意味。資本主義の黒い側面、隣国同士の大き過ぎる経済格差の悲劇、義憤に燃える社会活動の悲哀。有名俳優陣に気が散るのが残念。

雑記:

  1. 原作エリック・シュローサーのベストセラー「ファストフードが世界を食いつくす」
  2. 原作はドキュメンタリーであり、R・リンクレイター監督も始めはドキュメンタリーを意図したが、諸事情により断念。
  3. 主人公の役名クレジットは「ドン・アンダーソン」だが、彼が店舗で自己紹介した際には「ドン・ヘンダーソン」と名乗っている。